初めて一人で外食したのは、大学生の時。
倉敷の商店街にある「かっぱ」という家族経営のトンカツ屋さんでした。
地元では有名な店で、学生からサラリーマン、家族連れなど、広い世代に愛されていて、休日には観光客も多く訪れます。
あの頃、店を取り仕切っていた2代目のオヤジさんはCOPDを患い、すでに亡くなっていますが、娘さんが後を継いで、相変わらず盛況のようです。
大学入学早々、オケ部の先輩に連れていってもらって、味も店の雰囲気も気に入り、その後1年くらいたってから、お一人様外食デビューしました。
一人で食べる時に限らずですが、私は厨房の様子を眺められるカウンター席が好きです。
その道のプロの無駄のない動きは見ていて爽快ですし、周りのお客さんたちの会話をBGMにして、料理がくるまでの時間、まったり考えごとをしたりするのも、一人外食ならではの楽しみです。
寿司屋とラーメン店だけはなぜか克服するのに時間がかかりましたが、今は外国の立ち飲みバール意外は、一人で入れます。
コロナ禍で外食産業は大きな打撃を受けています。
感染対策をしっかりと行っているお店に出かけていって、たまにはプロの料理を存分に堪能したいとは思っています。
ですが、マスクをせずに大きな声でベラベラとおしゃべりをしている人と居合わせてしまったら、せっかくの食事も楽しめず、気分は台無しで、ぜったい後悔すると思うと、なかなか出かけられません。
とても残念です。
最初のコンフィヌモン(仏語のロックダウン)のあとでしたか、パリでは、カフェやレストランにかかるサービス料が値上げされたそうです。
美味しい料理の見返りに、お客さんたちがお店を支援することになるわけで、利にかなった政策だと感心しました。
日本でも税金に頼るより、このような方法ならば、気持ちよく、スムーズに支援できるのではないかと想像します。
ただし、飲食、特に飲酒がなぜ感染拡大を助長するのか、そもそもなぜ飲酒が制限されなければならないのか、そのことを理解することが最も大切です。
野球などの観戦場内が禁酒だからといって、場外で集まって立ち飲み談笑してから入場するなんていうのは、本質を理解していない人の行動です。
有名な食べ歩きブログ(*)を拝見すると、夜の営業が専門だった飲食店が、緊急事態宣言下でお酒の提供ができなくなったかわりに、料理をテイクアウトできるようにしたり、早めに店を開けて、遅めのランチや早めの夕食に美味しいものが食べられる小料理屋に変身して営業したりしている店もあるようです。
(*)「とち、フラ~」https://pool330.blog.fc2.com/
私は飲酒の習慣がありません。
お酒がなくても、じゅうぶん食事を楽しむことができます。
お一人様外食デビューして以来ずっと、憧れてきたことがあります。
着物にまっ白い割烹姿の優しい女将さん手作りの、色々なおばんざいがカウンター前に並ぶ粋な小料理屋を行きつけにしたい!
黙食?
ぜんぜんOK!
大いに歓迎!
そう思ってる世の中の御一人様って、案外多いんじゃないかなあ。