新型コロナウィルスのワクチンは職場での集団接種も行われるようになって、高齢者だけでなく、若い世代にも接種がすすめられつつあるようですね。
会社で1回目の接種をした都内に住む友人がメールで報告してきました。
「昨日モデルナ打ちました」
「モデルナアームを覚悟してたけど、それほどでもなく!」
も、モデルナアーム?
コロナワクチンの副反応で最も頻度が高いところの、接種した腕の筋肉痛のことかと思いきや、そうではないようです。
少し調べてみましたら、接種部に見られる数日間の赤い腫れのことを海外では「COVID Arm」と呼んでいるようです。
また、かゆみや熱感を伴った赤い腫れはファイザー社よりもモデルナ社のほうが出現頻度が高いと言っているものもあり、そのことをモデルナアームという名で、都内の情報通の人たちのあいだで言われているのでしょうか。
ワクチンの接種部が赤く腫れて、熱くなって、かゆみをともなうようなことは、インフルエンザワクチンでは、よく経験します。
皮下注射では出現しやすい症状ですが、数日でおさまります。
でもコロナワクチンは筋肉注射なので、あまりないと思っていましたし、実際にこれまであまり例を知りません。
おそらくアメリカなどでは、皮下脂肪が厚い方が多いので、筋肉内に注射針が届かず、皮下注射になってしまって、その結果、腫れが見られる人が多いのかもしれません。
その影響はじゅうぶんあり得ると思います。
先日、集団接種会場での注射の様子を見ていましたら、皮膚をギュッとつまんで針を刺している看護師さんがいました。
そういうやり方をすると、太った人では皮下注射となってしまう可能性がありますよと注意してあげました。
(注射器を持っていない側の)左手は、三角筋の位置を確認するために軽く手を添えるだけでいいんです。
そして針は皮下注射の場合と違って、腕に対してほぼ直角に刺入します。
痩せた人などは、針の先が骨にこつんと当たることがありますが、そのときはほんの少しだけ(1~2mmの感覚)手前に引いて針先を筋肉内に戻してから薬液を注入するようにします。
集団接種会場での医師の仕事は問診業務ですが、注射の仕方もきちんとできているか、見てあげる必要がありますね。
さて、今回の友人の Good Job! なところは、「覚悟していた」というところです。
若い世代の方は、不安が先立って、ちょっとしたことでドキドキしたり、めまいを感じたり、気分が悪くなったりしてしまっている人も、少なくない印象を持ちました。
納得したうえで、心の準備をしてのぞめば不安は軽くなって、それで案外、副反応も軽減されます。