ある自治体のワクチン集団接種会場で、12~15歳の子供たちの問診を担当しました。
2回目の接種の際には、1回目を接種したあと、副反応があったかどうかを尋ねます。
副反応は想定範囲内のものばかりでしたが、子供たちの答え方がとても気になりました。
たとえば・・・・・・・
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<1回目の注射のあと、体調はどうでしたか?>
「ちょっと熱出た」
<ちょっとって、具体的には何度くらい?>
「7度・・・5分?」
<それなりの熱だったね。いつからあがったの?>
「・・・次の日?(付き添ってきた保護者の顔を見る)」
<熱さましの薬は飲んだの?>
「いや」
「朝はずっと寝てたのよね~(保護者)」
<熱はいつごろさがったの?>
「ん~・・・昼ころ?(また保護者の顔を見る)・・・おぼえてない」
<じゃあ、注射した翌日の朝から熱が37度5分くらいまであがったけど、薬は飲まずに休んでいたら、自然にお昼頃にはさがったってことね?つらくなかった?その日のお昼ご飯は食べられたの?>
「しっかり食べたわよね~(保護者)」
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百年に一度の世界的パンデミックを経験している今は、人々の医療リテラシーをあげる大きなチャンスであると思うのです。
子供でも、自分の体調の変化があった場合、医師や看護師へきちんと伝えられるようになってほしいです。
子供に限らず、語彙が乏しく、リテラシーが低い人の場合は、具体的にこちらから聞いてあげないと、意思の疎通がうまくいかないことを、医療者側は理解しておくべきでしょう。
子供たちには、国語の勉強が大事であることを伝えました。
もちろん、きちんと返答できた子には、「しっかりと説明できてえらいね」と褒めてあげましたし、子供からの質問には真摯に答えるようにしました。