右の問題では文化財の種類が書いてあることは当然であるが,「記念物」「選定保存技術」など不純物も混じっている。これらが文化財とどういう関係があるのだろうと普通は思う。自分で問題を出しておいて,おかしな答を出しているようだが,これら関連用語とそうでないものとを区別することがしばらくできなかった。文化庁のホームページを読み,それをノートに書いて,何度も繰り返した。 |
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日本のみ |
世界でも |
・ 有形文化財 ・ 無形文化財 ・ 民俗文化財 ・ 記念物 ・ 文化的景観 ・ 伝統的建造物群保存地区 ・ 選定保存技術 ・ 埋蔵文化財 ・ 登録有形文化財
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・ 世界遺産 ・ 無形文化遺産
| そしてやっと,これらがすべて広い意味の文化財として受け入れることができるようになってきた。そこでわかり易く整理してみた。先ず第一に,この中に重複しているものがある。日本で認めてかつ世界で認められたものが2つある。
有形 |
無形 |
・ 有形文化財 ・ 民俗文化財 ・ 記念物 ・ 文化的景観 ・ 伝統的建造物群保存地区 ・ 埋蔵文化財 ・ 登録有形文化財 ・ 世界遺産
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・ 無形文化財 ・ 選定保存技術 ・ 無形文化遺産
| 第二に文化財には人間の手から離れた有形文化財と人間そのものの芸や技すなわち無形文化財とに区分できる。有形文化財とは建造物と美術工芸品を指す。無形文化財とは芸能と工芸技術を指す。
指定 |
選定 |
登録 |
・ 有形文化財 ・ 無形文化財 ・ 民俗文化財 ・ 記念物
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・ 文化的景観 ・ 伝統的建造物群保存地区 ・ 選定保存技術
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・ 登録有形文化財 ・ 民俗文化財 ・ 記念物
| 第三に文化財には国の指定と選定と登録というある種のランクがある。
重要と特別(国宝) |
重要 |
・ 有形文化財 ・ 記念物
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・ 無形文化財 ・ 民俗文化財 ・ 文化的景観 ・ 伝統的建造物群保存地区
| 第四に国指定のものを重要と頭につけ,特に重要なものには特別と頭につけるか国宝ということになっている。 |
文化庁はこういう文化財の名称を紹介しているわけではなく,これらは「文化財の保護」という項目のページにのせて保存や修復の費用を支援していることを知らせることが目的であることに注意を向けたい。ホームページには文化庁の月ごとの活動を知らせる「文化庁月報」の紹介はあるが,書店へ行っても特別扱いで販売はされていない。もの好きのように店員から見られた。これでは文化財の重要性が伝わらない。 |
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いま,これらの分類が私たちに意味を持つものではないが,登録という制度があるから身の回りに文化財が眠っていればまず市町村に相談してみることである。ひとたび保護を受ければ文化庁の指導に従わなければならなくなることは当然である。 |