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ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ 壱

神田小川町  笹巻けぬきすし 総本店 江戸名物

 

今日は、江戸の元禄15年から開いている「笹巻けぬきすし 総本店」に向かいます。

JR御茶ノ水駅から聖橋を背にし、坂を下る途中ニコライ堂を右に見て10分。

神田小川町の手前にひっそりと佇んでいます。

初めての人はまず店名に驚きます。

 

なんだ? 「笹巻けぬきすし」って? どう読むの? と迷ってしまいます。

「笹巻(ささまき)」は見た目通り、熊笹で巻かれていることを表し、 笹の殺菌作用を利用したものです。

冷蔵庫などない時代痛みやすいから酢と塩を使って保存をよくしたものです。

 

そのあとの「けぬき」は、すしダネで使用する鯛の小骨を毛抜きで丁寧に取り除くことからその名前が付いています。

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20年前、まだニコライ堂が御茶ノ水駅から良く見える時に伺いました。

「7ケ入りの笹巻きと吸い物」を取った思い出があります。

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のれんをなで店内へ入ると、正面には帳場があり、ショーケースには折詰めの見本が並んでいます。

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中に入ると、左側に4人掛けテーブル席が2卓と囲炉裏の2人掛けがあり、10名ほど座れるでしょうか。

 

6名が先に入ったのでテーブルは1席しか空いてません。

こんなに狭かったでしょうか、20年ぶりにタイムスリップします。

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私たちも座れたので、テーブル席は満席です。

後から来るお客さんは、相席か玄関に並ぶことになります。

 

先に入った6人が「10食限定ランチ」を注文したので残り4個、 つれあいは後の人の事も考えて、 「笹巻すし5ケ 潮汁付(1250円)」をオーダーし、私のランチをつまむことにします。

運ばれてきたそのお姿、笹のみどりの華やかなこと。

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5貫の内容は、光モノ、白身の魚、玉子、おぼろ、のり巻き(かんぴょう)です。

1貫ずつ何が出てくるか笹を開けていくのは面白く、 前もって作ってくれていたのか、酢の加減は良く馴染んでいます。

わさびも醤油もつけず、そのままいただきます。

 

本来巻いてから3時間ほど馴染ませたほうが美味しいのですが、 店内で作りたてを食べても、元禄の味に想いを馳せるのはいいものです。

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今日のお目当ては、2013年6月、14年前から始まった1日10食限定のサービスランチ。

どんな物かと11時30分のランチに合わせて伺いました。

どうにか残り4食に間に合いました。

「笹巻すし」だけでも十分かと思うのですが、老舗鮨屋のランチはどんなものでしょうか。

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今日のランチは、「穴子とネギトロの二食丼、小鉢に潮汁、それに嬉しい笹巻すし2ケ(玉子、のり巻き)が入っています。」 酢飯の上にのった焼穴子とネギトロ、酢飯の塩梅は良くネギトロはふんわりとしています。

この品数でこの値段は宜しく、笹巻き2ケが何とも嬉しい限りです。

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以前に描いた笹巻きの水彩画、7ケの並び方が面白い。筆者画

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東京最古のすしと云われるお店でランチを戴きました。

「笹巻けぬきすし 総本店」の歴史と時代背景を紐解くと、 創業は1702年(元禄15年)、越後出身の初代が人形町に初めて店を出したそうな。

 

その後、神田を含めて店舗を増やし、残るのはこのお店のみとなったそうな。

江戸幕府開府100年がすぎ、「赤穂浪士の討ち入り」の年に創業したんだと。

旗本や松平候が来店した折に、魚の小骨を毛抜きで抜いたので「毛抜鮨」と呼んだんだと。

当時は「笹巻鮨」とも「毛抜鮨」とも呼ばれていて、それが合わさって「笹巻けぬきすし」となったんだとさ。

のれんには「江戸名物」の文字、 当時は安宅の「松の鮨」、両国の「与兵衛」とともに『江戸三鮨』と称せられていたそうです。

 

■笹巻けぬきすし総本店

・住所:東京都千代田区神田小川町2-12 

・TEL:03-3291-2570 ・営業時間:平日9:00~18:30、土曜日9:00~17:00、ランチ11:30〜

・定休日:日曜日、祝日

 

食べ終わり店を出ると、小川町のOLとおぼしき5名が今日のランチの話をしながら、入れ違いに入って行きます。

ランチは残り3食、人気のあるランチは早い者勝ちですね。

 

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