今日は上野駅から東海道線に乗って86分、小田原駅で乗り換えて13分、箱根湯本に向かいます。
普通列車のグリーン車利用券を使って上野駅から乗車します。
朝のグリーン車自由席は満員で席を探すのに苦労します。
1階のホーム下の窓側に座ります。
駅に着くたびにホームは出勤の人で溢れています。
忙しく移動する人を横目に、駅弁をつまみます。
天気は快晴、雲ひとつない青空です。
鴨宮あたりで見える富士山、何も遮るものもないお姿を見せてくれました。
小田原駅に着いて左に進むと小田原で有名な「守谷のパン」に向かいます。
つれあいから頼まれていた、あんパン160円を8個求めます。
荷物にはなりますが、午前中で売り切れるとの事、あんこがびっしりと詰まったパンの重いこと。
小田原駅はモダンで斬新なデザインです、日本にもこんな駅舎があるんですね~
登山電車を待っていると新宿からのロマンスカーが入線してきました。
この特急ロマンスカー小田原~箱根湯本間に乗るには、座席券200円を払えば乗る事ができるのです。
ホーム上の車掌さんから求めて、足早に乗車します。
小田原駅から南に下り、平行して走る新幹線の高架下を右にくぐり、箱根湯本の山あいに入っていきます。
単線なので、登りのロマンスカーを先に通します。
箱根湯本駅に到着しました。
共同湯好きの私にとって箱根は、行きつけの蕎麦屋みたいな温泉です。
箱根は高級温泉保養地といったイメージが強いのですが、ここの共同湯は星を付ければ三ツ星クラス。
泉質の良さと清潔さ、入浴料の安さに加えて、温泉情緒も立派に備えた共同湯なのです。
大涌谷の噴火警戒レベルも下がり、箱根湯本駅前商店街にも観光客が戻ってきました。
紅葉時期も終わり、湯本橋を渡つていると紅葉色がまだ残っています。
湯本の奥にある穴場の「弥坂湯」を探します。
「蕎麦 はつ花本店」のたもとには、手水鉢(ちょうずばち)が秋色に。
私は写真を撮り続けます、日差し眩しくダウンも脱ぎたくなる暑さです。
箱根湯本の駅から1kmほど離れた旧東海道沿いにあるのですが、どの道が旧東海道か分かりません。
坂の傾斜の途中に堂々とした門構えの旅館「 玉庭(ぎょくてい)」が見えてきました。
旧東海道にやっと出てきました、この道は新道が渋滞したとき、抜け道として使われる道路で、普段は車も少ないひっそりとした田舎道です。
その昔は、参勤交代の大名行列が通ったのはこの道で、沿道には古刹や関所跡、石畳などが点在しています。
昭和24年に開設された弥坂湯、「ゆ」と染め抜かれた大きな暖簾が見えてきました。
正面には「洗心」の文字の額が掲げられています。
その下の小部屋に座つているのが気の優しそうな管理人さんです。
町の住人は150円、それ以外の利用者は 650円を支払います。
円形の浴槽には私ひとり、窓越しの紅葉が見ながら、熱くもなくぬるくもない、まさに適温の湯に浸かります。泉質はアルカリ性単純温泉。
透明な湯はかけ流し。浴槽には湯を流し込むパイプがあるだけで、水を注ぐ蛇口はないので湯の加減は自然にまかせるのみです。
ご主人に聞くと、毎日 営業を終えると、浴槽の湯をぜんぶ抜き、ブラシをかけて掃除をし、朝の営業開始までの間に湯をためるそうです。
丁寧に掃除されているため、ほんとうに気持ち良く入ることができます。
更衣室には、こんな但し書きが書かれています。
最後の「行ぃませう」が何ともいえません。
ほてった身体を冷やしながら、紅葉の木々を下り、来た道を戻ります。
途中、箱根湯本に行くと必ず求める「ちもと本舗」のお菓子。
お店の三名物を詰め合わされた「すみれ」の小箱を求めます。
「与五郎 忍」
忠臣蔵で有名な赤穂浪士の一人、神崎与五郎が吉良邸討ち入りに向かう途上、ここ箱根の峠茶屋で、馬引きにいいがかりをつけられ思わず刀の鍔に手を掛け切り捨てんとしたが、大事の前と耐え忍び、詫び証文を書いたという。
与五郎忍は美味しいつぶしあんを、刀の鍔をかたどり落花生と胡麻で焼き上げ香ばしい皮ではさみました。
324円/1個 期限:4日
「八里」
箱根八里は馬でも越すが……「箱根馬子唄」に唄われる箱根八里の馬子衆の鈴をかたどり、こしあんの最中に仕上げました。
朱・紫・白の三色の紐で結んだ愛らしい姿です。
270円/1房 期限:5日
「湯もち」
国産もち米を使用した白玉粉を練り上げたやわらかいお餅の中に、箱根を流れる早川の岩石になぞらえ細かく刻んだ本練羊羹を切り入れ、柚子の香りをもって蜜柑の里を匂わせた、箱根を代表する銘菓です。
そのやわらかさは、温泉の湯につかったやわ肌を思わせるなめらかさです。
205円/1個 期限:4日
遅い時間に行くと売り切れは必至です。
「ちもと本舗」の向かいに黄緑色の懐かしいお店が見えます。
こんな所に移転したとは、すり身団子の「竹いち」。
20年前は箱根湯本の駅前にあり、よく土産に旅先のつまみにと求めたものです。ご主人に伺うと4回場所を移ったそうです。
ごぼうのシャッキリ感と玉ねぎの甘み、白身の魚のプリプリした食感は、あの当時から変わらないお味です。
ごぼう揚げと玉ねぎ揚げの5個セットを求めます。
お昼の駅弁を買ったので荷物が増えてしまいました。
コインロッカーは改札の外にしかないとのこと、両手に持ちながら登山電車に乗り込みます。
向かうは「姫の湯」、大平台駅で下車します。
後編に続く。