ひとり ときどき ふたり旅 さんぽ 壱

根岸 「鍵屋」 暮六ツの江戸 タイムスリップ

 

2013年の3月から作り始めた「ひとり ときどき ふたり散歩」も360ブログ

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作り上げて5年近く、読み返えすと自分史が出来上がりつつあります

 

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移し替えてはみるものの、量が多くて、いつになることやら

 

旅のあいまに、新作ブログを入れますので ご覧ください。

さて‼︎

 

自宅の近くにある落語家 林家三平の記念館「ねぎし三平堂」や

「下谷の朝顔市」に出向く時、路地裏の奥に気になっていたお店です。

住宅地の中に忽然と現れる黒塀と黒壁のお宅。

 

今日は思い切って暮れ六つ前に伺います。
開店は五時すぎ、開き戸が開き『鍵屋』の暖簾が見えます。

 

なんと創業は安政3年(1856年)! 幕末の頃 ! 160年の歴史 !

年表を見れば、
江戸時代の1854年、ペリー浦賀に再来航、日米和親条約調印、吉田松陰密航に失敗。
     1860年、桜田門外の変(井伊直弼暗殺)


この間に創業された歴史ある居酒屋です。

 

お店に足を踏み入れた瞬間にタイムスリップします。
右に楓の丸太を半分に割ったカウンター席と左の小上がりの座敷。

カウンター席の奥から3つ目に案内されます。
目の前には立派な燗付け器、

部屋の雰囲気やご主人の振る舞いが良く見える良席です。

 

お酒はビール(大瓶サッポロ赤★と小瓶アサヒスーパードライ)、
日本酒は辛口の「大関」「菊正宗」と私の好きな「櫻正宗」甘口の3種類。
一升瓶の間には、じょうご台の上に角升が置かれています。

 

椅子は10席あるだろうか、当然ながいしないための固めの趣きある椅子です。

 

銅板が貼られた6本入る「燗付け器」には魅入ってしまいます。

 

 

まずはお通しの「煮豆」を摘みながら、小瓶でグイッ。

さてアテは何にしましょうか。

 

木板に書かれたメニューは数少ないけれど、それでも迷います。
凝った料理はないのですが、お店の雰囲気にはピッタリと合います。

 

まずは、名物の「鰻のくりから焼き」1本を頼みます。
鰻の身をくるくると巻きながら串に刺して焼いたものです。

 

お燗は、「熱燗・普通のお燗・ぬる燗」とありますが、桜正宗のぬる燗を頼みます。
ご主人は、一合ますにお酒を入れ、じょうごを通して徳利に流し入れます。
かけられた輪ゴムは銘柄の目印だそうです。

 

それと ほどよい酸味の「お新香」も貰います。

 


ご常連さんはお決まりの場所でしょうか、

入口寄りのカウンターの右隅に座りお店と同化しています。

頼まれているのは、菊正宗正一合と合鴨の塩焼き(2本)と

鰻のくりからやき1本、淀みなく注文するので、

いつも頼まれている好物なのでしょう。

 

30分も経たないうちに江戸町人で満席です。

 


 最近は、ひとり飲みを楽しめない御仁が多いようで。

   ひとり飲みがなぜ楽しいのと? よく聞かれますが、

 この歳になると独りで店に入り、注文をし、

   静かに飲める楽しみを知ってしまったのです。

 お洒落をして、カウンターの隅に座り、

   主人の所作を見たりお話しを聞いたり、

 お隣りとの二言三言の会話を楽しみ、
 その時の旬のものを味わう幸せを見つけてしまったのです。

 

友人や先輩や長老や若い子、25~85歳と沢山の親しき人がいますが

ひとりで飲めたり 旅したり そんな孤高のひとになりたいですね。

年を取ればひとり、仕事を離れたら 寂しくならないように 

今からでも 遅くないですよ。

我が道ばかりでなく 人の生き方も学んでみては いかがですか。

時にはこのブログに目を通して 読んでいただければいいのですが!

 

素直に 謙虚に 人の話を聞ける人が  幸せな人生をおくれるのかも

意識しなくても風格が備わってきますよ。

あくびをしているようでは、いい事は めぐってきません!

「我 事において 後悔しないような 良質な人生を送りたいですね!!」

 

「鍵屋」は、最近雑誌かテレビに取り上げられたのでしょうか、

このような狭い店にグループ客が入ってきます。
できれば独りか二人で飲むお店なのですが……


早々に大きな話し声に笑い声、ビックリします。
お隣りのスーツ姿のご常連も呆れたのでしょう。
後ろを振り返りため息をついています。

独り言か、「ひとりかふたりで飲めないんだね~ 
  昔みたいに静かにゆっくりと飲みたいね~」と
同感です。この時期、夜桜で飲めばと思いますが、

注文も多すぎて、お店の3人も余裕がないようです。
雰囲気を もっと大事にして貰えればいいのですが~


気を持ち直し、お隣の方が今日は「味噌おでん」がお勧めですよ と
3月末でこの豆腐屋さんが店を閉めるとのこと、
ここの豆腐は旨いからね~ と言われます。

早速頼みひと口食べてみます、なるほど~ 
しっとりとした食感と大豆の香りもたっています。
また自家製の田楽味噌も美味しい。

 

 

満ち足りた顔をしていると 〆は「煮奴(にやっこ)」ですよと教えてくれます。
※すき焼きみたいな甘辛い割り下で、豆腐と葱、鶏肉のもつを煮込んだものです。


小一時間経ったでしようか、刻の頃は 暮れ六つすぎ、
常連さんに礼を言い、勘定を置き、格子戸をガラリと平成の世に戻ります。


来てよかったな~ また静かな時に行きたいな~ 
ここは老舗中の老舗、百聞は一見に如かず、
老舗ならではの趣を感じに 
                   雪降る頃もいいでしょうね~

 

※このお店は、先代の女将のころから続く決まり事があります。
女性だけでは入店出来ません、

しかし男性の同伴者がいれば入店できるようです。

 

入口に飾られた徳利を見ながら、

我が家のコレクション掛川西郷 嘉登屋の「貸し・通い徳利」を想い出します。

口の欠けを修復しましたが、昭和初期のものでしょうか。

【貸し徳利、通い徳利】の由来は、
酒屋の小売用として庶民に使われ、酒屋は徳利を貸出して、客のほしい量の酒を詰めて販売したんだと。
店からの貸出用なので、客は次もその店に買いに行き、酒屋としても売上げが上がったんだと。
また徳利には「酒屋の屋号や銘柄」、昭和に入ると「電話番号」も書かれていたので、お客がそれを持って買い物にでかければ、道中立派なお店の宣伝になったんだと  さ。

 

そう言えば「鍵屋」というお店を小金井の「江戸東京たてもの園」歴史的建造物ゾーンで見かけた気がします。

 

その隣には移築した「銭湯 子宝湯」があったような、早速当時の写真データを探してみます。

 

1988(昭和63)年12月11日当時、千住にあった「子宝湯」。

 

 

「鍵屋」の資料も紐解いてみると

安政3年に建てられたものを「たてもの園」の前進の「旧武蔵野郷土館」が収集し、昭和45年当時の姿に復元したそうです。

◯安政3年に酒問屋として創業
◯昭和初期から店の一角で酒を出し始める。

◯昭和24年に居酒屋となる
◯場所は、今の鍵屋の近く台東区下谷、言問通り。
◯昭和49年まで居酒屋として営業したが取壊し決定。理由は道路拡張だったとか。
◯その後、今の根岸3丁目に移転。

 

思うのは、「鍵屋も子宝湯」も自宅近くにあったとは驚きです。

誘ってくれるならこの様なお店が良いですね。

気をてらうことのない風情と美味しいお店に! 2016.5.6作
 

『鍵屋』
東京都台東区根岸3-6-23-18
定休日:日、祝日 17時すぎ~21時

 

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