初めての野宿は、鹿児島の山川港の砂浜で
今思うとテントもなく寝袋だけで
お星さま見ながら、ひと晩明かしたあの日
怖いもの知らずでしたね~
あれから26年、またまたリュックを担いで
静岡の「寸又峡温泉」に向かいます。
金谷駅から「大井川鐡道」の機関車「C11227」に乗って「千頭駅」へ。
1977年当時「オープンデンスケ SONY TC-5550-2(¥178,000)」を背負い
貨車のデッキに「ステレオマイク」を固定し、ヘッドフォンして
走行音、蒸気音、汽笛音を録りに『生録(なまろく)』をした思い出があります。
録音した「ツートラ19センチのオープンリール(19㎝のテープに1秒の音を録音)」のテープを編集して、音の物語を作り、東京の録音雑誌社に投稿していました。
千頭駅からは「大井川鐵道井川線(現在は、南アルプスあぷとライン)」の
「アプト式列車」に乗って、「奥泉駅」に向かいます。
空を見上げると雲行きが怪しくなってきました。
【アプト式列車】
レールの真ん中に歯車レールを敷き、機関車の床下に設けられた歯車を噛み合わせ、急こう配の線路を登り降りする鉄道のことをいいます。
閑散とした駅回り「奥泉駅」から、1時間に1本のバスに乗って、「寸又峡温泉」に行きます。
温泉街に着くとパラパラと降ってきました。
「夢のつり橋」を渡ります。
晴れた時は、こんなに美しいエメラルドグリーンの湖面を空中散歩。
唯一の共同湯「町営露天風呂 美女づくりの湯」に入ります。
お風呂でいっしょになった、伊豆から来たご家族と会話がはずみます。
雨もほんぶり、強くなってきました。
共同湯のご主人にテントを張る場所を訪ねると
小さいロッジもありましたが、まだ営業の季節には早すぎるようで
「公民館の軒先」をすすめてくれました。
野宿をするには十分な広さです。
くつろいでいるとお風呂であった Sさんが、ワンボックスカーで訪ねてくれました。
住所交換して、贈り物のやり取りを数年つづけたでしょうか。
いまだに思い出す懐かしいご家族です。
夕ごはんは、差し入れの「寸又峡のシイタケ」、大和煮の缶詰温めてビールをゴクゴク。
ふりこむことはありませんが、雨足が強くなってきました。
明日は、「福用駅」で下車して、「八高山(832.4M)はっこうさん」に登り
近くの「居尻キャンプ場」まで行く行程です。
晴れることを願い、雨足の音に睡をさそわれます。
翌日バスのりばに行くと、昨夜の大雨で道路に木が倒れ通れないとのこと。
駅まで下りるルートは、ほかにないとのこと
開通時刻まで、待合室でお土産でも見ながら待ちます。
やっと昼前に開通、バスに乗って「奥泉駅」から「千頭駅」、「福用駅」にたどり着きます。
時間を見るとすでに15時、今から登ると頂上は夕刻
キャンプ場にたどり着けるかどうか、一抹の不安を感じます。
もう一泊して、翌朝に登ればと後悔するはめになるのですが。
「若気の至り」です。事によっては生死にかかわります。
【八高山】
山頂からの展望も良く、晴れていれば富士山や双耳峰の笊ヶ岳(ざるがたけ)まで望めます。
眼下にはゆったりと流れる大井川が見えます。
福用駅(10分)白光神社登山口(60分)分岐[五輪段]、「木立トンネル」を通過。
分岐[五輪段] (20分)林道(25分)馬王平、ここら辺はまだまだなだらかです。
馬王平(15分)反射板、振り返ると山並みが見えます。
反射板(20分)白光神社[奥の院]、「白光神社」 まで上がってきました。
白光神社[奥の院](20分)八高山、赤くペイントされた一等三角点標石、八高山山頂に登頂。
ここまでは順調に来ました、夏はまだ陽が長いのですが
山の陰は早く暗くなります。
「居尻キャンプ場」を目指しますが、この調子ではたどり着かないかもしれません。
「天狗の座敷」まで10分、左に折れ「黒俣北」の三路に向かいます。
焦る気持ちと
周りは暗くなり、ヘッドライトをつけます。
進む先には、光る二つの眼がこちらを見ています。
雨がまた降ってきました。
地図を何度も何度も見返し、自分が歩いている道が正しいのか迷います。
帰ってから気づいたことは
『ここで間違えました!』 赤色部の〇部
くだるべき所を右に行ってしまいました。
地図の折りたたみ部分が、ちょうど三又路と重なり、見落としてしまいました。
気持ちも焦っていたのか、右側に折れ、道なりに進んでしまったようです。
雨はますます強くなり、まわりは暗闇
もうへたに動かないほうがいいと判断し、ここで野宿します。
道路の端にテントを貼り、食事も喉を通らず、一睡もせず、地図とにらめっこします。
自分の現在地が動転して、分からなくなっています。
深夜見上げると、空は星空となり、旅客機が飛ぶのがはっきりと見えます。
空を見て思うことは
『人は追い込まれると、判断力がなくなり、冷静になれないんだな~と 』
この山行で思ったことは!
◯間違いを認められなかったこと
◯正解が分からない時に冷静な選択ができなかったこと
◯異常を異常と認識できなかったこと
◯かけたコストが膨大で引き返せなかったこと
◯決断を避けてしまったこと
「自分は、無謀なことはしないから大丈夫」と思い
誰もが持つ当たり前の心理が、冷静な判断を阻害します。
日常生活においても起きる心理のように
日ごろから冷静な判断を心掛けたいものですね。
朝になり間違えたことも知らず、〔黄色部の道〕を進んでしまいます。
おりていくとプレハブの建物が見えます。
中には工事人が朝食でも取っているのか、賑やかな声が聞こえます。
そこで地図を広げ、現在地を訪ねると
ホッとするやら、安堵しました。
後は道なりに進み
泊まるはずだった「居尻キャンプ場」で昼食を取り
掛川の家にたどり着きます。
もう一度、朝早くから登り、" やぶこぎ " もせずに
道に迷わず、歩きなおしたいですね~
この教訓を胸にきざみ、この年まで生きてこられました。
判断力・決断力の無さは、一生の後悔とならないように。