共産党議員がヒアリング
JR指導の姿勢問われる
リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている東京都町田市小野路町の住宅の庭に水や気泡が噴出した問題で、国土交通省の担当者が現地での確認をしていなかったことが15日、日本共産党のヒアリングで分かりました。事業者のJR東海を指導・監督する同省の姿勢が厳しく問われます。
ヒアリングには、山添拓政策委員長・参院議員と吉良よし子参院議員、池川友一東京都議、町田市などの自治体議員が出席。東京や神奈川でリニアの問題に取り組む住民らも同席しました。
住民によると、水と気泡の噴出は10月22日の朝に確認され、2日間ほど続きました。
JR東海は同日からシールドマシン(掘削機)による作業を中断し、工事との因果関係を調べています。
ヒアリングで国交省鉄道局の担当者は、水と気泡が噴出して掘進を停止していることについて「同社から10月23日に報告を受けている」と述べました。
報告を受けて国交省は「事実関係の調査をしっかりと行い、地元住民への丁寧な説明を行うこと」を同社に求めた一方で、リニアはJR東海の事業だとして「工事中の事象の対応を網羅的には把握していない」「同社が責任をもって調査を行う」と弁明しました。
山添氏は「事実関係が解明された時点で住民説明会を開くことが必要だ」と述べました。
水と気泡が噴出した場所の地下に空洞があることも考えられます。国交省の担当者は、同社の調査で「空洞は確認されなかった」と説明。住民から「(現地では)地表から1・5メートルの電波探査しかしていない」との声が上がり、山添氏も「空洞は地下の深いところにもありうる」と調査の不十分さを指摘しました。
吉良氏は「国交省が空洞についての報告を受けた際、調査方法を確認していないということだ。結論しか聞かないのは“責任ある対応”とは言えない」と批判しました。
池川都議は「住民らが掘削機の位置を(現地事務所に)確認した際、明らかに事実と違う説明をされた」と指摘。国交省の担当者は「事実と違うというのは、説明を行う上でありえないことだ」と述べ、位置情報を発表する頻度を増やすなどの要望も含めて「(同社に)しっかりと伝えたい」と応じました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます