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『ジダン 神が愛した男』
”Zidane, un portrait du 21e siècle”
監督:ダグラス・ゴードン、フィリップ・バレーノ
2006年・仏/アイスランド
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2005年4月23日のリーガ・エスパニョーラ。
サンティアゴ・ベルナベウで行われたレアル・マドリー対ビジャレアルの1戦。
高解像度カメラ、なななんと17台を駆使して、ピッチで躍動するジダンの姿に90分間密着する。
撮影は『セブン』(1995年)のダリウス・コンジ。
2006年のカンヌ国際映画祭で招待上映。
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まあ、多くのサッカーファンにとって、試合中オフ・ザ・ボールの時、ジダンのようなスーパースターが、90分間何をしてるかってのは永遠の謎なんだけどさ。
この映画は、その答えにはなっている。
正解は、『ブツブツ言いながら、歩いている』でした。
ジダンを題材にして、こういう映画を撮りたくなる気持ちは分かるよ。
むちゃんこ分かる。
そもそも、監督が、アート系のダグラス・ゴードンとフィリップ・バレーノだし。
アート・フィルムになっちゃうよね、どうしても。
それは良いんだけど、原題の
『21世紀の肖像』
を、セールス的な欲からか、
『神が愛した男』
なんていう勝手な邦題にするからトラブルが起こる。
95分間、ジダンの顔と上半身以外、ほとんど何も映らないから・・・。
ジダンの、神に愛されたその超絶プレーが見たくて映画館に行った観客は、もれなく熟睡しただろう。
本気で画面に集中すると酔うしね・・・。
この映画が撮影された、2005年当時のレアルは第一次ギャラクティコ(銀河系軍団)時代で、世界選抜のようなメンバー。
カメラは徹底的にジダンだけを追うが、ロナウド(ブラジルの)、ベッカム、ロベルト・カルロス、フィーゴ、ラウルら、当時のスーパースターたちが、ごくたまーに見切れます。
しかし、それも1秒とか2秒映るだけ。
画面の中心はあくまでジズー(の顔と上半身)。
浮気は一切なし。
そして、なんと・・・。
この試合でも、ジダンは暴力行為で退場処分!
ベッカムが必死で、もみ合いから引き離すが、時すでに遅し。
よりによって、自分に密着した映画を撮影してる試合で。
あ、『神に愛された男』って、「持ってる」的な意味で?
モグワイが担当したサウンド・トラックが、95分間、必要以上に切ないテイストを盛り上げる。
アート系学生とかが、部屋でエンドレスで流すには良さそうだが・・・。
「うっ!」
あっ、コラ、また!
(※本作にこんなシーンはありません)
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