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ルベン デ・ラ・レッドが意識を失って倒れたのは、2008年10月の国王杯、レアル・ウニオン戦の試合中だった。
レアル・マドリー所属。
2008年の欧州選手権をスペイン代表の一員として制した。
しかし、この2008年10月の試合で意識を失ったあと、デ・ラ・レッドは心臓疾患の疑いを払拭できず、現場復帰できずにいた。
そして、ピッチを遠ざかること2年。
今月3日、25歳の若さでのサッカー選手引退が発表された。
今後はレアルCでコーチとなり、指導者の道を歩むという。
2007-08シーズン、出場機会を求めて移籍したヘタフェでは、背番号10を背負い、チームを牽引。
ヘタフェでの活躍を認められレアルに買い戻されると、少年時代から過ごしてきた偉大なクラブでスタメンを勝ち取る。
試合中に倒れたのは、その矢先のことだった。
その思いは、悔しいという一言では、とても言い表せなかったに違いない。
デ・ラ・レッドによると、今季レアルの監督に就任したモウリーニョは、初めて会った日にこう言ったという。
「もし、君が戻ることができたら、君をチームのメンバーに加えるだろう。
もし、そうじゃなかったら、私のスタッフとして喜んで迎えるだろう」
スペインでは、ダニエル・ハルケ(当時エスパニョール主将。2009年、ホテルの部屋で急性心筋梗塞で死亡)、プエルタ(当時セビージャ所属。2007年、ヘタフェとの試合中に倒れ、3日後に死亡)など、サッカー選手の突然死が続いている。
デ・ラ・レッドと医師たちの今回の判断に、これらの事例はいくらか影響を与えただろう。
デ・ラ・レッドが涙ながらに引退声明を読み上げたとき、プレスルームはクラブ関係者と報道陣からの暖かい拍手に包まれたという。
指導者として、こんな笑顔が再び見られるだろうか。
■サッカー界の人々のこと
・デ・ラ・レッド(スペイン)
・ヨアン・グルキュフ(フランス)
・アルベルト・ザッケローニ(イタリア)
・中村俊輔(日本)
・マイケル・オーウェン(イングランド)
・アルベルト・アクイラーニ(イタリア)
・稲本潤一(日本)
・ウェスレイ・スナイデル(オランダ)
・エドウィン・ファンデルサール(オランダ)
・遠藤保仁(日本)