『アジャストメント』
"The Adjustment Bureau"
監督、脚本:ジョージ・ノルフィ
原作:フィリップ・K・ディック『調整班』
2011年・米
それにしても、ソチでの真央ちゃんの演技は泣けましたね。
ニュースとかで5秒くらいのダイジェストを見るだけで、いまだに毎回泣いてるんだけど・・・、
私の涙腺はおかしいのでしょうか。
いや、おかしくないッ!
俺の場合、おかしいのは膀胱(ぼうこう)と肝臓だけなのだ。
そりゃ、あなた方はいいだろう。
ディック原作の映像化作品を全部見るという、重い十字架を背負っていないのだから。
あれ?
この出だし、なんか前にも書いたような?
意外にもちゃんとした映画で。
原作はディックの短編『調整班』。
「僕の知ってる世界は、実は全部、偽物でした」
という、いわゆるいつものディックなんですが。
いや~。
あのディックを、よくもまあ、こうも綺麗なラブストーリーに仕立てあげたもんだね!
でも、全然、悪くないですよ。
エミリー・ブラント、意外といいじゃないかッ!
ただ有坂来瞳に似てるというだけじゃなかった。
癖になりそな、この目。
厳密には隈(クマ)なわけ?それって?
男女の出会いは様々ですが。
この映画は、出会い方からして違う。
だいたいさぁ。
便所で独り言を喋ってるところだけは、見られたくないわけ。
特に女子には!
上院議員選挙に負けて落ち込みながらも、しょうがないから敗北宣言のスピーチをブツブツ練習してたら・・・、
聞いてんだもんなぁ、個室で!
アンタ、なんで居るのさ、ここ男子便よ。
ヤんなっちゃうなぁ、もう。
しかし、そこは、意外性のある出会いを果たした若い男女のこと。
ふと気付くと、トイレで揺れているのはマット・デーモンのKINTAMAだけではなかった。
乙女心だって揺れる。
ダンスを取るか、男子を取るか・・・。
上手いこと言うなぁ、俺。
誰か俺に『AERA』の中吊り広告のキャッチコピーみたいな仕事とってきてくれませんかね?
かならずや、毎週のトピックを見事KINTAMAに引っ掛けてご覧に入れます!
さて、ダンサー役のエミリー・ブラントは特別レッスンでダンスを仕上げてきた。
この映画、ダンサー観点で、是非なっちゃんに観て欲しい!
ダンサーとして大成するけど、あんまし好きじゃない旦那と結婚、か、
運命のKINTAMAと結婚するんだけど、ダンサーとしては陽の目を見ずに終わる、か。
ひみはらどーふる?(君ならどーする?)
おっと、ごめんごめん。
ちょっとキスしながらだったからさ。
個人的なこと、言わせてもらってEかな。
ダメだぜ、ちゃんと大好きな人と結婚しないと。
もし、結婚するんだったらね。
■おまけ
しかし、いくらディック贔屓の俺でも。
さすがに古いよね。
「我々は人類が一方へ偏りそうな時、絶えず、白と黒の間のグレーの領域に引き戻すべく活動してきた」
的な設定って、もう。
この映画では「調整班」を純粋にラブ・ストーリーの味付けくらいにしか使ってなくて。
それは、それで正しい。
唯一、モロにディック的なのがこのシーン。
ビビビビビ。
これは、ほんまにおかしい(笑)
<フィリップ・K・ディックの世界>
■本でP・K・D!!
・『去年を待ちながら』(1989年・創元SF文庫)
・『流れよわが涙、と警官は行った』(1989年・ハヤカワ文庫)
・『マイノリティ・リポート』(1999年・ハヤカワ文庫)
・『フィリップ・K・ディック・リポート』(2002年・ハヤカワ文庫)
・『最後から二番目の真実』 (2007年・創元SF文庫)
■映画でP・K・D!
・『マイノリティ・リポート』 (2002年・米・スティーブン・スピルバーグ)
・『スキャナー・ダークリー』 (2006年・米・リチャード・リンクレイター)
・『NEXT -ネクスト-』 (2007年・米・リー・タマホリ)
・『アジャストメント』 (2011年・米・ジョージ・ノルフィ)
・『トータル・リコール』 (2012年・米・レン・ワイズマン)
<Amazon>
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