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『虐殺器官』
伊藤計劃(日:1974-2009)
"Genocidal Organ" by Project Itoh(2007)
2007年・早川書房
2010年・ハヤカワ文庫
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9.11以降の”テロとの戦い”において先進諸国は徹底的な管理体制に移行し、テロを一掃。
しかし、その余りの管理ぶりに、庶民からは
「いちいち履歴が残るから、エロ本ものんびり買えない」
と不満が続出していた。
そんな中、米軍大尉クラヴィス・シェパードは謎の男、ジャン・ポール・ゴルチエを追ってチェコへと向かう。
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いつもより眺めが良い左に 少し戸惑ってるよ~♪
と、いう訳で。
いや、あのね。
マッキーこと槇原 敬之の『もう恋なんてしない』のサビの
もう恋なんてしないなんて言わないよ絶対~♪
は、本当は「もう恋なんてしない」っていう歌詞だったけど、若い人が聴くのにネガティブな内容はイカン!と、
後から「言わないよ絶対」を付け足したってのは有名な話ですが。
ここで伊藤計劃に聞きたいのは・・・。
本作『虐殺器官』は、長い長いジョン・ポール追走劇を終えた後に・・・、
巻末のたった8ページの『エピローグ』で物語が180度逆転するんだけど。
そこんところは、最初から「ありき」で創られた物語なのか、それとも長引く作家自身の闘病生活がストーリーに影響を及ぼしたものなのか。
どっちなんでしょう。
残念ながら、もう聞けませんけど。
いやー、小説とか映画におけるアイロニカルなエンディングにも、それなりに慣れてるつもりではいるんだけど。
本作については、主人公・シェパード大尉の最後の選択が、なんかシックリこないのよ。
単に火のついたウンコ、つまりヤケクソってコトなのかしら・・・?
大森望の解説で、星雲賞授賞式で故人に替わって登壇した、作家のご母堂のスピーチが引かれているんですが。
++++
三月二十日に亡くなるだいぶ前から、食事も水もあまり摂れない状態になっておりましたけれど、亡くなる日の夕食に大好きなカレーが出て、少し食べてみると言いまして、スプーンに10杯ぐらい食べたんですね。
それから1時間ぐらい経ってから、床ずれを防ぐために姿勢をちょっと変えたとたん、すーっと意識がなくなって、そのまま亡くなってしまいました。
お腹が空いたまま逝ったら、三途の川も渡れなかったんじゃないかと思いますが、最後にカレーを食べたので、今帰ってこないところをみますと、なんとか向こうにたどりついてるんじゃないかと思います。
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「解説」を読んで泣きそうになったのは、後にも先にも初めてです。
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