『夜間飛行』

また靴を履いて出かけるのは何故だろう
未開の地なんて、もう何処にもないのに

日曜日の昼下がり、街の小さなビストロにて。

2018-12-02 | Life(日常):書いとかないと、忘れちゃう


空気が冷たくなってくるとスコット・フィッツジェラルドの『冬の夢』を読みたくなる。

渡英してからは原書で小説を読み、向こうで英語のブログを書いていたが、日本ではもっぱら和訳を読んでいる。


言うまでもなく原書には作者の筆遣いに直接触れる喜びがある、

だけど、翻訳家たちが腕とセンスを競う邦訳を味わうのも大きな喜びだ。


漢字と仮名が合い混じる日本の本の文面は、客観的にみると相当個性的なルックスだとは思うけど。

書かれた言葉を頭の中で反芻するとき、日本語は本当に美しいなと思う。



今日は子どものイベント(発表会)があって、そのあと街の小さなビストロで打上げ。

ここはパテに定評がある。


そして、仔羊のグラタン。

身体の奥の方が温まり、外気の寒さをひと時忘れる。

慌てて食べて舌をやけどし、麦酒で冷やす。(ジュッ)

舌をやけどしない12月なんて、クリープを入れないコーヒーみたいなもんだ。


・・・さて、陽も落ちた。

もうちょいフィッツジェラルドを読んでから寝よう。

眠る前にちょっと窓を開けて、外の寒さを確かめる。

するとちょっと眠りが深くなる気がする。


追伸:

パリはデモで大変だ。

民衆の怒りには理由があれど、街のカフェやブラッスリーの窓を叩き割って火をつけるは輩はデモとは無関係な単なる暴徒と呼びたい。

ところで、日本では比較的自由に名付けられるブラッスリーやレストランですが、パリではなんとなくルールめいたものがあり、

そのルールに則ると、ビストロはブラッスリーとレストランのちょうど間の位置づけ。

ドレスアップせずに通える居酒屋で、料理もちょっと自信アリという感じか。

ちょうど良いね!


(おしまい)


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