サンダー杉山blog

まあいろいろと。音楽主体かな。あと本とかアニメとか。

マニアの受難

2008-09-24 01:22:56 | Weblog
今年はずっとヲタク的なものに関わることで、時代のキーワードを模索している。

こう、よくわからずに端から見ていると、つい知らない新しい物が出て来たとき、過去のもののなにかにカテゴライズして、納得しようとする。そうしないとうまく生きていけない。

ヲタクとか萌えとか言われるものの殆ど多くは、ずっとむかしからあるものだった。ただそれが事件にならなければごくわずかなマニアたちのものですんでいた。

理解不能な事件が起こると、一般的な常識では計れないマニアの趣味みたいなことで、多くのひとは自分と関係ないものだとして、安心しようとする。

ただ、そこになにかの吸引力を感じることも確かだ。奥が深ければ深い程、のぞきたくなる。安心したい一方でひとは好奇心、という感情をおさえることはできない。

安心と刺激はひとの心のリミッターなのである。

とはいえ、なにもしらずに見てしまうと、非常にショックを受けることもある。

アニソンみたいなものがひっかかってて、そのなかでも大久保薫さん、という作曲家の仕事ぶりが抜きに出ていると思い、先日、このブログで彼の作曲した曲を紹介した。さわやかなんだけどどこか陰りのあるメロディとアレンジ、なんて書くと非常に陳腐で恥ずかしくなるのだが、ほかに表現のしようがない。その流れで、大久保薫さんがBGMを手がけた「SCHOOLDAYS」というアニメを見てしまった……。

この、何の変哲もないさわやかそうなタイトルのアニメが非常にショッキングだと言うことを何の知識もなしに見てしまったことで、ここ3日くらい戦闘不能状況まで落ち込んでしまった。「SCHOOLDAYS」というアニメはもともとエロゲーが原作で、バッドエンドがいくつかあって、その中のひどいシナリオを採用していると知っていれば、気持ちの覚悟ができたのだが、音楽から入ったため、それが出来なかった。

全12話のなかで8話くらいまでは青春ラブコメのようなタッチになっている。とくに出だしは、どちらかというと冴えない主人公のおっちょこちょいさを強調したストーリーになっている。

ここでひとつの盲点があった。このアニメは原作がエロゲーだけに女の子は非常に明確にかき分けられているのだが、特に主人公の男の子の表情が非常に乏しい。ゆえにまったく心理状況が読めない訳だ。そこらへんにもだまされた。

少なくとも6話くらいまでは本当に学園ラブコメの古典的なプロットをなぞっている。ゆえにバッドエンドが全く読めなかった。

べつにバッドエンドじたいが悪いとはいえない。イデオンだってTV版のZガンダムだってバッドエンドだ。しかし、戦争と言う極限のなかでいかに生き延びるか、という切実なテーマを真剣にあつかっているため、ぎゃくにその中の青春ドラマ的な物がキラキラと輝いて見える。だから、バッドエンドだと分かっていても、何度も繰り返し見るし、胸が切なくなるのだ。

「SCHOOLDAYS」にはどこか視聴者をあざ笑うかのごとく上から目線のスタッフ的な意図が汲み取れて、非常に不快感が残った。なにかプロットや演出手法のテクニックを視聴者をだますためだけに屈指しているように思えてならないのだ。

ただ、ここまでしないと視聴者にショックをあたえられない、といったものが世の中にあふれかえっている訳だ。

このへんに関してはまたもう一つの視点から書いてみる。