末っ子の息子が無事 二十歳の誕生日を迎えた。
足かけ27年の育児生活だった。
困ったことに、子供を育てることに 一生懸命になりすぎたあまり
私が 子離れしていない母親になった。
縁もゆかりもない横浜に結婚してきて
夫は仕事優先の人だったから、寂しくて
子供がうまれたときは、すごくうれしかった。
はしゃいでいた。はしゃぎすぎて、階下の大家さんに怒鳴られた。
子供が増えて、しんどかった。
家族がいて、声がして、子供の用事が私の生活の中心だった。
友達が「これからは、自分のために時間をつくるのよ」といってくれる
大きな船が方向転換をするのに、時間がかかって大変なように
「面舵いっぱい!」と簡単にいかないのだ。
子育てにかかった時間が長ければ、長いほど そんな気がする。
そういうセンチメンタリズムに浸っている私は、「閑人」なんだろう・・・・・。
息子のお祝いの席で、レストランからのプレゼント。
ろうそく一本で20歳。 みんなが知らないうちに息子は「ふう~」とろうそくを消していた。