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精神科医師のブログ。
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あたらしいエンゼルメイク

2006年10月13日 | Weblog
 なくなった方に対しては死化粧をし、全身の穴に綿をつめ、死後硬直であごがしまらなくなったりしないような処置をし、ご家族(そして葬式産業)に引き渡す。 
 忙しい診療業務の中でこれらを丁寧にすることは難しかったのだが、連続する生から死へと引き続くケアの一部としてこれらをもっと丁寧にやれないかというころからエンゼルメイクをなんとかできないかという声があがった。

 地域で年間100人以上看取っている在宅医療を中心とした部門である地域ケア科の看護師、訪問看護師を中心にあたらしいエンゼルメイクのやり方を勉強して広めている。勤務時間帯によばれれば病棟に赴き病棟Nsとともに行うこともある。

中心となってやっている看護師いわく、

 「いままでやってきたのはなんだったのか?」

というくらいのインパクトがあるようだ。

 清潔やマッサージを丁寧に行う。安いありあわせの化粧品ではなく、エンゼルメイク研究会の考案した本格的なエンゼルメイクセットを購入(高価)し、それを参考にそろえたエンゼルメイクセットを各ステーションに配置する。またあわせて勉強会をおこない院内にも広めていく試み。





エンゼルメイクに対して5000円や10000円の料金をとる病院もあるようだが、いまのところ実費(1050円(税込み))のみ。


 自宅で見取らせていただいた方の死後の処置の場面に立ち合わせていただいた。家族とともにマッサージやメイクを行い、生前の写真なども見ながら「その方らしい」お顔に、再現することは確かに家族のグリーフケアにもなるすばらしい試みだと思う。

参考: 小林光恵さんの本

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