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精神科医師のブログ。
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台北の国立故宮博物院

2009年10月27日 | Weblog
初めて台北に観光に行く人きっと国立故宮博物院には行くのだろう。

台北の故宮博物院は中華民国の蒋介石らの国民党軍が台湾へ撤退するときに厳選して持ち出した中国の宝物を展示している博物館である。

中華帝国の一大宝物館であると言えよう。

それにしても宝物館というのは、美術館などと比べてもユーモアを感じてしまうのはなぜだろうか。
人が美しいと思うものにはわりと共通するのに対し、興味関心を持ちありがたがるものというのは個性がでてバラけるからだろう。(これが秘宝館となると、だれもが興味関心を持つものになるから面白い。)

自分との価値観のギャップがユーモアや驚きを誘うのかもしれない。

故宮博物館の宝物と言えば、もちろん歴史的に価値があるものや書や画もあるが、人気が高いのはネタとして分かりやすいもの・・・。

例えば翡翠のハクサイだとか、肉形石(豚の角煮の彫刻)だとか、思いつきで作ったとしか思えないネタのものだ。

一方で超細密な彫刻だとかも人気・・・。
手先が器用選手権チャンピョンでも足下にも及ばないような指先ほどの小さな船の彫刻や、3代かけて作った超細密な象牙の彫刻なども目がクラクラしてくる。

さて中国の歴代皇帝は過去の書や名画に、見たという証拠に印をペタペタ押すらしい。
だから名画や名書は印だらけになってしまうのだが・・・。
印だけでは飽き足らず、過去の名画や書に大量にサインや落書きをしたのが清の名君、乾隆帝だ。

観光地で落書きする輩の元祖だろう・・・。

とにかく人間は他の人間のくだらなくも楽しい行為が好きらしい。
こういう博物館では金や時間にものをいわせて作った奇人の寄行の痕跡がうかがえるから楽しい。

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