やることなすこと裏目に出るというか、悪い予感が当たるというか、
とにかく「風向きの悪さ」を感じることが、最近幾つかあった。
それが「どん底」になるのなら、底を蹴って浮かび上がればいいだけのことだが、
「底なし」で、さらにズブズブと沈んでいくようなことがあるとたまらない。
流れをいち早く変えたくて、昼休みに明治神宮へ出向いた。
神でも仏でも、信仰心は薄いが、明治神宮は、
「人の手で開発し尽くされた都心に、これだけ豊かな緑が残されている」
というその一点において、神秘の力を感じさせる。
高く、深い、木立の中を歩く。陽射しは遮られているが、
時折、冬の低い太陽が正面からギラリと顔を覗かせる。
参拝する。頭を下げる。
「力をお与えください」とだけ祈る。
何の「力」かはわからない。とにかく「力」だ。
おみくじを引こうか迷って、やめた。
ここへは自然と対峙しに来たのであり、人為物にまみれるのは違うと思ったから。
「ご利益」なんて浅ましいことは言わないけれど、ひとつだけ。
ここ何日か、7000円分の商品券の行方がわからなくなっていた。
あまり行かない店のもので、正月に実家で妹にあげようと思っていたが、
渡しそびれ、それっきり存在を忘れていた。
台所の引き出し、コートや鞄のポケット、もしかしたらと会社のデスクの引き出し、
さらには親に頼んで実家の机の引き出し、どこを探しても、ない。
紙なので新聞や広告に紛れてしまったかと古新聞の束を全部ひっくり返し、
自分がどういう行動をとったか想像もつかないので、
タンスや食器戸棚、下駄箱の中まで見てみるが、ない。
あるいは、図書館の本を返した時、本の間に挟んでしまっただろうか、などとも考えた。
外に出てしまったら、もうどうしようもないだろう。
今夜、帰宅してふと、「車の中にあるかも」と思いついた。
シートや床には落ちておらず、何気なくコンソールボックスを開けてみたら、あった。
買い替えたバッテリーの保証書のビニール袋に、一緒に入っていた。
商品券と同じ大きさの袋だったので、「ちょうどいい」とでも思って入れたのだろう。
ありがとう、と思った。
このまま風向きが良い方向に変わればいい。
とにかく「風向きの悪さ」を感じることが、最近幾つかあった。
それが「どん底」になるのなら、底を蹴って浮かび上がればいいだけのことだが、
「底なし」で、さらにズブズブと沈んでいくようなことがあるとたまらない。
流れをいち早く変えたくて、昼休みに明治神宮へ出向いた。
神でも仏でも、信仰心は薄いが、明治神宮は、
「人の手で開発し尽くされた都心に、これだけ豊かな緑が残されている」
というその一点において、神秘の力を感じさせる。
高く、深い、木立の中を歩く。陽射しは遮られているが、
時折、冬の低い太陽が正面からギラリと顔を覗かせる。
参拝する。頭を下げる。
「力をお与えください」とだけ祈る。
何の「力」かはわからない。とにかく「力」だ。
おみくじを引こうか迷って、やめた。
ここへは自然と対峙しに来たのであり、人為物にまみれるのは違うと思ったから。
「ご利益」なんて浅ましいことは言わないけれど、ひとつだけ。
ここ何日か、7000円分の商品券の行方がわからなくなっていた。
あまり行かない店のもので、正月に実家で妹にあげようと思っていたが、
渡しそびれ、それっきり存在を忘れていた。
台所の引き出し、コートや鞄のポケット、もしかしたらと会社のデスクの引き出し、
さらには親に頼んで実家の机の引き出し、どこを探しても、ない。
紙なので新聞や広告に紛れてしまったかと古新聞の束を全部ひっくり返し、
自分がどういう行動をとったか想像もつかないので、
タンスや食器戸棚、下駄箱の中まで見てみるが、ない。
あるいは、図書館の本を返した時、本の間に挟んでしまっただろうか、などとも考えた。
外に出てしまったら、もうどうしようもないだろう。
今夜、帰宅してふと、「車の中にあるかも」と思いついた。
シートや床には落ちておらず、何気なくコンソールボックスを開けてみたら、あった。
買い替えたバッテリーの保証書のビニール袋に、一緒に入っていた。
商品券と同じ大きさの袋だったので、「ちょうどいい」とでも思って入れたのだろう。
ありがとう、と思った。
このまま風向きが良い方向に変わればいい。