情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

改憲への大同団結?!

2005-12-20 23:28:26 | 憲法改正国民投票法案そのほか
ついに,民主党が,憲法改正国民投票法案を次期国会で成立させることに同意した。共同通信によると,【衆院憲法調査特別委員会の中山太郎委員長と自民、公明、民主3党の憲法調査会責任者らが20日午後、都内で非公式に会合を開き、憲法改正のための国民投票法案について、来年の通常国会に議員立法で提出し、成立を目指すことで一致した。年明けから3党の調整を本格化させる。】という。

中身については,【与党側は、メディア規制に関し、虚偽報道禁止などを打ち出していた従来の方針から「原則自由」に転換したことを民主党の枝野幸男憲法調査会長に伝えた。民主党は規制なしを主張しており、与党側が歩み寄った形。最大の焦点となっていたメディア規制で調整の環境が整った。】と報じられている。

しかし,最大の焦点は,メディア規制ではなく,改憲案一括投票か個別条文ごと(関連条文はパッケージ)の投票か,という問題である。

自民党は,個別でもかまわないようなことを匂わせてはいるが,新憲法案をみると,到底個別投票をしようとしているとは思えない(ここ参照)。

民主党が,自民党に一括ではなく個別投票とするための踏み絵をさせないまま,次期国会成立に同意したということは,実質的には民主党も一括投票を認めたということになるのではないか?これは改憲大同団結ではないのか?

一括投票は国民を愚弄するシステムであり,それを野党たる民主党が容認するというのは,選挙対策としても愚劣な選択ではないだろうか?

民主党が踏みとどまることを切望する。

西村真悟議員に組織的犯罪処罰法を適用~大阪地検

2005-12-20 00:42:27 | 適正手続(裁判員・可視化など)
やはり西村議員,いや西村弁護士が組織的犯罪処罰法で逮捕された。弁護士を廃業する時期が近づいているのだろうか…【衆院議員の西村真悟容疑者(57)=民主党を除籍=らによる弁護士法違反事件で、大阪地検特捜部は18日、無資格の弁護士活動(非弁活動)で得られた違法な収益と知りながら「弁護士名義貸し料」として計836万円を受け取っていたとして、西村容疑者ら3人を組織的犯罪処罰法違反(犯罪収益等収受)容疑で再逮捕した。現職国会議員が同法違反に問われて逮捕されたのは初めて。西村容疑者は「非弁活動による違法な金という認識はあった」と容疑を認めているという。】(朝日

繰り返しになるが,弁護士法違反という犯罪類型に該当するとして逮捕したにもかかわらず,組織的犯罪を処罰するための法律をわざわざ適用した理由にどす黒いものを感じざるを得ない。

形式的にあてはまるからといって,刑罰を科すことを軽い気持ちで見逃していると,見逃した者の自由がいずれ奪われてしまう。

怒りのあまり触れることすらできなかったビラまき控訴審有罪判決(要旨とはいえ,これがまた薄いんだ,これが!)のような判断がなされる中で,組織的犯罪処罰法が利用されると,前にも書いたが,キャバ嬢まで逮捕されかねない事態が到来する。

弁護士会は,大阪地検特捜部に起訴を断念するよう求めるべきではないだろうか。