12月17日朝日新聞朝刊37面に,沖縄の民放テレビラジオ5社が有事立法に関連する指定公共機関の指定受け入れを保留している記事が掲載されている。この記事はインターネット上で探せないので,当初保留した際に報じられた記事を引用する。
□□引用開始□□
【沖縄県の民放5社は21日、有事の際に警報や避難指示の放送を義務づけられる「指定地方公共機関」への指定について、米軍取材が規制された現状では報道統制につながるとして、慎重な対応を求める要望書を稲嶺恵一知事に提出した。県は24日までに承諾書の提出を求めているが、民放各社は当面、指定を受け入れるかどうかの判断は留保する。
有事の際の米軍との連携について、県は「国が調整中だが、外国相手のことなので、限界があると認めざるを得ない。警報や指示は、得られた情報の範囲内で判断するしかない」としている。
要望書では、昨年8月の沖縄国際大で起きた米軍ヘリ墜落事故の際に、事故現場では米軍による取材規制が敷かれ、民放1社が取材テープを没収されそうになったことを指摘。「有事の判断について、放送局自体に検証の機会がないまま、県の指示通りに放送を行うことは、かつての大本営発表を想起させる」と懸念を表明している。
国民保護法によると、指定地方公共機関への指定に放送局側の承諾は不要。だが、一方的に指定しても「実効性がない」として、沖縄県は民放側に承諾書の提出を求めている。
田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話 米軍基地が集中し、米軍絡みの事故や事件が日夜起こる沖縄は、ある種、有事と背中合わせといえる。警報や指示の前提となる情報は米軍から開示されず、取材すること自体も米軍によって超法規的に妨害される現実を、沖縄のメディアはシビアに認識している。すでに指定を受けた本土のメディアも、想像力を働かせて、考慮すべきだ。】
□□引用終わり□□
12月17日朝日新聞朝刊37面には,琉球朝日放送の具志堅勝也放送政策局長の談話が次のとおり,引用されている。
「民有地の墜落現場や公道まで封鎖された。今でも理不尽なことが起きているのに,指定を受けたら,日本の法律が米軍の行動にお墨付きを与えかねない」
また,基地問題の取材に携わっている宮城歓沖縄テレビ従業員の談話は次のとおり。
「沖縄戦でも住民は群の足手まといになるからと『疎開』させられた。米軍が展開しやすいよう,避難の指示が出されるおそれがある」
琉球大学法文学部保坂廣志教授の「沖縄では毎日,米軍基地に関するニュースが報道されている。本土と違い,県民の安全に直結している。県内のメディアは国や自治体への協力には慎重にならざるを得ないだろう」というコメントも引用されている。
直前のエントリーで,記者が戦争を前に陥りがちな「罠」を紹介したが,日本全国,特に東京のメディアはいまこそ沖縄のメディアに学ぶ必要があるのではないだろうか…。
そして,それ以上に,われわれ市民も…。
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【沖縄県の民放5社は21日、有事の際に警報や避難指示の放送を義務づけられる「指定地方公共機関」への指定について、米軍取材が規制された現状では報道統制につながるとして、慎重な対応を求める要望書を稲嶺恵一知事に提出した。県は24日までに承諾書の提出を求めているが、民放各社は当面、指定を受け入れるかどうかの判断は留保する。
有事の際の米軍との連携について、県は「国が調整中だが、外国相手のことなので、限界があると認めざるを得ない。警報や指示は、得られた情報の範囲内で判断するしかない」としている。
要望書では、昨年8月の沖縄国際大で起きた米軍ヘリ墜落事故の際に、事故現場では米軍による取材規制が敷かれ、民放1社が取材テープを没収されそうになったことを指摘。「有事の判断について、放送局自体に検証の機会がないまま、県の指示通りに放送を行うことは、かつての大本営発表を想起させる」と懸念を表明している。
国民保護法によると、指定地方公共機関への指定に放送局側の承諾は不要。だが、一方的に指定しても「実効性がない」として、沖縄県は民放側に承諾書の提出を求めている。
田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話 米軍基地が集中し、米軍絡みの事故や事件が日夜起こる沖縄は、ある種、有事と背中合わせといえる。警報や指示の前提となる情報は米軍から開示されず、取材すること自体も米軍によって超法規的に妨害される現実を、沖縄のメディアはシビアに認識している。すでに指定を受けた本土のメディアも、想像力を働かせて、考慮すべきだ。】
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12月17日朝日新聞朝刊37面には,琉球朝日放送の具志堅勝也放送政策局長の談話が次のとおり,引用されている。
「民有地の墜落現場や公道まで封鎖された。今でも理不尽なことが起きているのに,指定を受けたら,日本の法律が米軍の行動にお墨付きを与えかねない」
また,基地問題の取材に携わっている宮城歓沖縄テレビ従業員の談話は次のとおり。
「沖縄戦でも住民は群の足手まといになるからと『疎開』させられた。米軍が展開しやすいよう,避難の指示が出されるおそれがある」
琉球大学法文学部保坂廣志教授の「沖縄では毎日,米軍基地に関するニュースが報道されている。本土と違い,県民の安全に直結している。県内のメディアは国や自治体への協力には慎重にならざるを得ないだろう」というコメントも引用されている。
直前のエントリーで,記者が戦争を前に陥りがちな「罠」を紹介したが,日本全国,特に東京のメディアはいまこそ沖縄のメディアに学ぶ必要があるのではないだろうか…。
そして,それ以上に,われわれ市民も…。