橋下弁護士の発言を真に受けて懲戒請求したことには問題があるというエントリーを2回書きました(ここ、ここ←クリック)。たくさんの方にアクセスしていただきましたが、これまでのところ、懲戒請求に相当な事由がありそうだと思わせるようなコメントは見あたりません。結局は、感情論なんだと思います。そこで、コメントに対するレスとして以下、記載します。。【追記その4、その5あり。それぞれをクリックして下さい】
私自身、光市母子殺人事件の被告人を死刑にするべきだという気持ちを持つこと自体は、理解できないでもありません(個人的には「殺してやりたい」ということと「死刑にしてやりたい」ということは別のものだと理解していますので、「死刑にするべきだ」という気持ちはどのような被告人に対しても持ちませんが)。
しかし、だからといって、弁護人が不合理と思われる主張をしてはならないことにはなりません。
また、不合理だと思われる主張を耳にすることが被害者の遺族にとって苦痛となることもあるかもしれません。
しかし、だからといって、弁護人が不合理だと思われる主張をしてはならないことにはなりません。
例えば、あなたが、数人の仲間とキャンプをしていたら、宇宙人のような格好をした集団が襲ってきて、あなた以外の人が殺されたとしましょう。あなたは気を失い、気付いたら、あなたは別の場所に運ばれ、周りには仲間の死体が転がっていた。そこへ警察が乗り込んできて逮捕された…。
あなたは、自分は知らない、宇宙人のような格好をした者が来て仲間を殺したというでしょう。しかし、仲間のうちの女性は無惨にレイプされており、あなたの体液が発見された。被害者の家族は、「ふざけた反論に娘があの世で怒っている」とメディアを通して発言する…。
あなたは、弁護人に言う。「私は、本当に目の大きくて首の長い緑色の皮膚をした宇宙人のような人を見たんだ」と。
そのとき、あなたは、あなたの弁護人に「ふざけたことをいうんじゃない。正直に本当のことを言いなさい」と相手にしてもらえないような社会にしたいですか?それとも…。
そんなことは仮定の話だ、そう言うかも知れない。しかし、実際に、これに近いことがあった。松本サリン事件である。
松本サリン事件で河野さんがサリンを製造した実行犯だとメディアが騒ぎ立てた時、弁護人の永田弁護士は、1人、世間を敵に回し、河野さんは無罪だと言い続けた。当時、警察もメディアも地域社会もみんな河野さんを「悪魔」のように思っていた。しかし、永田弁護士という反骨精神のある弁護人に偶然依頼することが出来たため、河野さんは、無実の罪を負わされることはなかったのである(「弁護なければ逮捕があった─報道被害における弁護士の役割」参照)。
被告人に対する感情とその被告人を弁護する弁護人に対する感情を混同させることは非常に危険だ。
また、被告人に自らの反論を限定させることも同様に危険だ。
あなたは自分が冤罪を含め、絶対に、警察のやっかいにならないと言い切れますか?そして、警察のやっかいになったとき、自分の言いたいことが言えないような社会にしたいですか?
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
※このブログのトップページへはここ←をクリックして下さい。過去記事はENTRY ARCHIVE・過去の記事,分野別で読むにはCATEGORY・カテゴリからそれぞれ選択して下さい。
また,このブログの趣旨の紹介及びTB&コメントの際のお願いはこちら(←クリック)まで。転載、引用大歓迎です。なお、安倍辞任までの間、字数が許す限り、タイトルに安倍辞任要求を盛り込むようにしています(ここ←参照下さい)。
私自身、光市母子殺人事件の被告人を死刑にするべきだという気持ちを持つこと自体は、理解できないでもありません(個人的には「殺してやりたい」ということと「死刑にしてやりたい」ということは別のものだと理解していますので、「死刑にするべきだ」という気持ちはどのような被告人に対しても持ちませんが)。
しかし、だからといって、弁護人が不合理と思われる主張をしてはならないことにはなりません。
また、不合理だと思われる主張を耳にすることが被害者の遺族にとって苦痛となることもあるかもしれません。
しかし、だからといって、弁護人が不合理だと思われる主張をしてはならないことにはなりません。
例えば、あなたが、数人の仲間とキャンプをしていたら、宇宙人のような格好をした集団が襲ってきて、あなた以外の人が殺されたとしましょう。あなたは気を失い、気付いたら、あなたは別の場所に運ばれ、周りには仲間の死体が転がっていた。そこへ警察が乗り込んできて逮捕された…。
あなたは、自分は知らない、宇宙人のような格好をした者が来て仲間を殺したというでしょう。しかし、仲間のうちの女性は無惨にレイプされており、あなたの体液が発見された。被害者の家族は、「ふざけた反論に娘があの世で怒っている」とメディアを通して発言する…。
あなたは、弁護人に言う。「私は、本当に目の大きくて首の長い緑色の皮膚をした宇宙人のような人を見たんだ」と。
そのとき、あなたは、あなたの弁護人に「ふざけたことをいうんじゃない。正直に本当のことを言いなさい」と相手にしてもらえないような社会にしたいですか?それとも…。
そんなことは仮定の話だ、そう言うかも知れない。しかし、実際に、これに近いことがあった。松本サリン事件である。
松本サリン事件で河野さんがサリンを製造した実行犯だとメディアが騒ぎ立てた時、弁護人の永田弁護士は、1人、世間を敵に回し、河野さんは無罪だと言い続けた。当時、警察もメディアも地域社会もみんな河野さんを「悪魔」のように思っていた。しかし、永田弁護士という反骨精神のある弁護人に偶然依頼することが出来たため、河野さんは、無実の罪を負わされることはなかったのである(「弁護なければ逮捕があった─報道被害における弁護士の役割」参照)。
被告人に対する感情とその被告人を弁護する弁護人に対する感情を混同させることは非常に危険だ。
また、被告人に自らの反論を限定させることも同様に危険だ。
あなたは自分が冤罪を含め、絶対に、警察のやっかいにならないと言い切れますか?そして、警察のやっかいになったとき、自分の言いたいことが言えないような社会にしたいですか?
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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