情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

橋下弁護士の口車に乗って光市事件弁護団の懲戒請求をしたあなたへ取り下げるべきだとアドバイス~その3

2007-06-27 23:15:10 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 橋下弁護士の発言を真に受けて懲戒請求したことには問題があるというエントリーを2回書きました(ここここ←クリック)。たくさんの方にアクセスしていただきましたが、これまでのところ、懲戒請求に相当な事由がありそうだと思わせるようなコメントは見あたりません。結局は、感情論なんだと思います。そこで、コメントに対するレスとして以下、記載します。。【追記その4その5あり。それぞれをクリックして下さい】

 私自身、光市母子殺人事件の被告人を死刑にするべきだという気持ちを持つこと自体は、理解できないでもありません(個人的には「殺してやりたい」ということと「死刑にしてやりたい」ということは別のものだと理解していますので、「死刑にするべきだ」という気持ちはどのような被告人に対しても持ちませんが)。

 しかし、だからといって、弁護人が不合理と思われる主張をしてはならないことにはなりません。

 また、不合理だと思われる主張を耳にすることが被害者の遺族にとって苦痛となることもあるかもしれません。
 
 しかし、だからといって、弁護人が不合理だと思われる主張をしてはならないことにはなりません。

 例えば、あなたが、数人の仲間とキャンプをしていたら、宇宙人のような格好をした集団が襲ってきて、あなた以外の人が殺されたとしましょう。あなたは気を失い、気付いたら、あなたは別の場所に運ばれ、周りには仲間の死体が転がっていた。そこへ警察が乗り込んできて逮捕された…。

 あなたは、自分は知らない、宇宙人のような格好をした者が来て仲間を殺したというでしょう。しかし、仲間のうちの女性は無惨にレイプされており、あなたの体液が発見された。被害者の家族は、「ふざけた反論に娘があの世で怒っている」とメディアを通して発言する…。

 あなたは、弁護人に言う。「私は、本当に目の大きくて首の長い緑色の皮膚をした宇宙人のような人を見たんだ」と。

 そのとき、あなたは、あなたの弁護人に「ふざけたことをいうんじゃない。正直に本当のことを言いなさい」と相手にしてもらえないような社会にしたいですか?それとも…。

 そんなことは仮定の話だ、そう言うかも知れない。しかし、実際に、これに近いことがあった。松本サリン事件である。

 松本サリン事件で河野さんがサリンを製造した実行犯だとメディアが騒ぎ立てた時、弁護人の永田弁護士は、1人、世間を敵に回し、河野さんは無罪だと言い続けた。当時、警察もメディアも地域社会もみんな河野さんを「悪魔」のように思っていた。しかし、永田弁護士という反骨精神のある弁護人に偶然依頼することが出来たため、河野さんは、無実の罪を負わされることはなかったのである(「弁護なければ逮捕があった─報道被害における弁護士の役割」参照)。

 被告人に対する感情とその被告人を弁護する弁護人に対する感情を混同させることは非常に危険だ。

 また、被告人に自らの反論を限定させることも同様に危険だ。

 あなたは自分が冤罪を含め、絶対に、警察のやっかいにならないと言い切れますか?そして、警察のやっかいになったとき、自分の言いたいことが言えないような社会にしたいですか?














★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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「李下に冠を正さず」はどこへ、権力者の身の処し方として、まったく美しくないNHK新経営委員長

2007-06-27 21:10:40 | メディア(知るための手段のあり方)
 26日開かれたNHKの経営委員会で、新委員長に古森重隆・富士フイルムホールディングス社長が選出されたことが、本日付の朝刊で報道された。NHKの経営委員会は、NHKの予算・事業計画を最終的に承認する機関であり、そのトップは強い権限を持っているだけに、不祥事後、刷新を標榜するNHKの反省が本物かどうかがはっきりするとして、経営委員長の人事が、注目された。

 結果は、あっさり、古森氏。東京新聞によれば、【古森氏は安倍晋三首相に近いとの見方もあり、「政治との距離」の点で、放送に詳しい有識者の間からは疑問の声も出ている】という。

 さらに、東京新聞によれば、【古森氏は、安倍首相に近く、委員長就任含みで首相から経営委員に任命されたとの見方がもっぱらだ。NHK問題に詳しい服部孝章・立教大教授(メディア法)は、「政治が、ここまであからさまにかかわってくるのは異例だ」と驚きを隠さない】という。

 しかも、【放送法には、放送用の送受信機の製造、販売業者の役員は経営委員になれないとの規定がある。富士フイルムホールディングスの関連企業は、放送用ビデオテープをNHKに納入しており、服部教授は「NHKと関係する事業体から選出するのはあまりに不用意」と指摘する】(同紙)。

 この人事に、【放送界の有識者が危惧(きぐ)するのは、政府・与党が経営委員長を通じてNHKにさまざまな要求を突きつけ、その結果、公共性や言論・表現の自由が損なわれる可能性がある、とみているからだ】(同紙)とも解説している。

 しかし、全国紙は、毎日が古森氏の就任に反対の声があったことを伝えたくらいで、まともな批判はしていない。なぜ?業界仲間は批判をしないということなのか?

 そもそも、一度述べたが、富士フイルムは、

 放送局用レンズ
製品名:HA27×6.5BE
 メーカー希望小売価格:
【P】7,140,000円(税抜価格:6,800,000円)
【SM】8,295,000円(税抜価格:7,900,000円)
【PS・SMP】9,555,000円(税抜価格:9,100,000円)

のようなものを売っており、放送を業とするNHKと利害関係がある。

こんなところの社長がNHKの経営委員会の委員長になって本当によいのだろうか…というか、よいはずはないのに、安倍に簡単に押し切られて、私たちはただ黙って見過ごしてよいのか?

NHK、総務省、首相官邸に、抗議の声を集中させよう!

 















★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
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