12日のNHK番組改編事件の最高裁判決を前に嬉しい知らせが飛び込んできた。テレビ業界の自主的救済機関「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)が、同事件でNHKの責任を認めた東京高裁判決を報道したNHKのニュースが、勝訴したバウネットに対し公平・公正な取扱いを欠き、放送倫理違反があったという決定(※1)をしたのだ。
この決定は、報道機関自らが裁判の当事者になっている場合には、公平・公正さを欠くことのないように慎重な取扱いが必要であることを認めた点で画期的なものといえる。
NHKは、高裁判決の勝利(※2)を導いたと言っても過言ではない、長井デスクの内部告発(※3)についても、延々とニュース枠を使って反論をしたことがあるが、そのような放送はもうできなくなるだろう。
このBRC決定を伝えるNHKのニュース自体は、末尾に引用したとおり、非常にバランス感覚のとれたものとなっている(※4)。
12日の最高裁判決についても、いかなる判決が出ようとも、NHKは当事者である以上、特別な配慮をもって報道することが必要となる。
そういう意味では、テレビ業界の自主的救済機関であるBRC(委員長は竹田稔元判事。委員は崔洋一監督ら)が、最高裁判決を前に、NHKが自分にとって都合の良い報道をすることにあらかじめ釘を刺した判決であるという評価をすることもできるかもしれない。
この決定の対象となったNHKのニュースは、昨年1月29日に放送されたニュースウオッチ9。その日に東京高裁が下した判決の内容やそれに対する決定の理由については、※1の決定書に書いてあるので、そちらを参照していただきたい。
決定に関して何か質問があったら、コメントしてほしい。
◆NHKニュース引用開始◆
NHKの番組をめぐる裁判の報道について、BRC・放送と人権等権利委員会は「NHK自身が当事者だった特殊性を考えると相手の言い分を放送しなかったことは公平・公正を欠き、放送倫理に違反する」という見解を出しました。
NHKが平成13年に放送した「戦争をどう裁くか」という教育テレビの番組をめぐって、取材を受けた民間の団体が損害賠償を求める訴えを起こし、東京高等裁判所は去年「番組は取材を受けた団体の期待に反した」などと指摘して、NHKに200万円の賠償を命じました。この判決を報道したNHKのニュースウオッチ9について、団体側が「自分たちの言い分を報道しておらず、公平・公正に欠ける」とBRCに申し立てていました。10日の決定でBRCは「NHK自身が裁判の当事者だという特殊性を考えると、一般の裁判報道よりも公平・公正の点でいっそう慎重な取り扱いが求められる」と指摘しました。そして「NHKみずからの解釈や、番組への介入が疑われた政治家のコメントだけを放送したことは、公平・公正を欠き、放送倫理に違反する」という判断を示し、今後は意見が対立する問題についてはできるかぎり多くの角度から放送するよう求める見解を出しました。NHKは「決定をしんしに受け止めて、さらに放送倫理の向上に努め、公共放送に対する期待に応えていきます」という談話を出しました。一方、BRCへの申し立てをした民間団体「戦争と女性への暴力」日本ネットワークの西野瑠美子共同代表は「今回の判決報道が公平・公正を欠いたことが認められ、たいへんうれしく思う。NHKは今回の決定を肝に銘じてほしい」と話しています。
◆NHKニュース引用終了◆
※1:http://www.bpo.gr.jp/brc/kettei/k036-nhk.html
※2:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a464f9f58ba9cffe308300d9d18ad6c8
※3:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/78673fa9e30e6d49238cf00fe6c208d7
※4:http://www.nhk.or.jp/news/k10015156471000.html
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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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この決定は、報道機関自らが裁判の当事者になっている場合には、公平・公正さを欠くことのないように慎重な取扱いが必要であることを認めた点で画期的なものといえる。
NHKは、高裁判決の勝利(※2)を導いたと言っても過言ではない、長井デスクの内部告発(※3)についても、延々とニュース枠を使って反論をしたことがあるが、そのような放送はもうできなくなるだろう。
このBRC決定を伝えるNHKのニュース自体は、末尾に引用したとおり、非常にバランス感覚のとれたものとなっている(※4)。
12日の最高裁判決についても、いかなる判決が出ようとも、NHKは当事者である以上、特別な配慮をもって報道することが必要となる。
そういう意味では、テレビ業界の自主的救済機関であるBRC(委員長は竹田稔元判事。委員は崔洋一監督ら)が、最高裁判決を前に、NHKが自分にとって都合の良い報道をすることにあらかじめ釘を刺した判決であるという評価をすることもできるかもしれない。
この決定の対象となったNHKのニュースは、昨年1月29日に放送されたニュースウオッチ9。その日に東京高裁が下した判決の内容やそれに対する決定の理由については、※1の決定書に書いてあるので、そちらを参照していただきたい。
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※1:http://www.bpo.gr.jp/brc/kettei/k036-nhk.html
※2:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/a464f9f58ba9cffe308300d9d18ad6c8
※3:http://blog.goo.ne.jp/tokyodo-2005/e/78673fa9e30e6d49238cf00fe6c208d7
※4:http://www.nhk.or.jp/news/k10015156471000.html
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