情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

-格差社会の殺人狂時代-橋本勝の政治漫画再生計画第126回

2008-06-18 05:41:15 | 橋本勝の政治漫画再生計画
【橋本勝さんのコメント】
 5月8日、秋葉原の歩行者天国で衝撃的な事件が起こった。25歳の若者による通り魔殺人事件である。たった2分間あまりの短時間に7人の命が奪われた。しかも戦闘訓練を受けた兵士でもないし、格闘術の心得があるわけでもない普通の若者である。「ダレでもよかった」「人生がイヤになった」などという理由にもならない理由で、無差別大量殺人を決行する。そのあまりの非人間性に、彼は21世紀の日本に突然現出した「モンスター」ではないかとさえ思ったものだ。だが「彼」と「事件」の詳細が分ってくるにつれ、その人間的なものがみえてきた。そして人間としての卑弱さと、愚かさに怒りを覚えずにいられなかった。彼はおそらく死刑となるだろう。そして死刑が執行される日まで、彼は死の恐怖にさいなまれ、人間の命のかけがえのなさをいやというほど実感し、自らの犯した罪の重さに震えおののくことになるだろう。そこに国家による殺人に他ならない死刑の教育的効果があるとすればなんという皮肉か。
 21世紀になり顕著になった日本の格差社会化、その非情さ過酷さ。不安定な派遣労働をするしかなかった彼が、自分を負け組みと卑下し、その閉ざされた未来への絶望があのような凶行へかりたてたということは一応理解できる。すると第2、第3、多くの「彼が」現出することはさけられない。しかし絶対に彼に共感できない。人間的にあまりに愚かで未熟と思わざるえない。彼の勉強ができたという頃の、その勉強の中身を疑わざるをえない。単なる暗記術としての勉強は人間としての賢さを生み出さない。他者に対する想像力や、やさしさ、そうした人間としての生き生きとした感受性を育んでいたら、自分への嫌悪からの自暴自棄の行為に他者を巻き込むなんてことはしなかったろう。もし彼が犯行にダガーナイフを買い求める代わりに、『蟹工船』を読むような若者であったなら、きっとあのような愚かなことはしなかったろう。


【ヤメ蚊】
 環境と資質と努力…資質も選べないし、環境も選べないなか、努力のみに責任を押しつけるわけにはいかない部分がある。資質は変えられないから環境を変えることしかない。なぜ機械化が進んでいるのに教育などに十分な人、金をあてる余裕が生まれないのか…。




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★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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