最近読んだコミック、「ねことじいちゃん」、今のところ8巻まで出ています。
過去に落語家の立川志の輔さんがおじいさん役で、映画化されています。
ちょっとだけ紹介しますと、愛知近辺のとある小さな島、本土からすぐのところにある島という
そんな設定です。著者が名古屋でご活躍とのことで、そういう設定なのでしょう。
島は「じーちゃんとばーちゃんとねこの島」の設定。島ですから港からすぐ山がせまり、島は階段と坂だらけ…。
主人公は春山大吉さんという70をいくつか越えた、元教師のおじいさん。
奥さんは数年前に亡くなっています。その奥さんがまだ元気だったころに、床下から助け出したのが、
まだ子猫だった「タマ」さん。ほんとは「玉三郎」だそうです。
今は大吉さんとタマの一人と一匹暮らし。さらにご近所さんや幼馴染、診療所や喫茶店の人たち。
いい年になっている教え子たち、そんなたくさんの人との関わり合いからうまれる小さなエピソードが綴られています。
これといって大きな事件は起きないし、淡々とした日常生活のお話なんですが、なんだかほっこりします。
大吉さんは、戦争中に子供だった年齢。それで「思い出話」として、子供のころのことがあれこれ
いい話も、哀しい話もでてきます。飄々と語られているので悲壮感はないのですが、
逆に「あぁそんな時代があったことを、忘れちゃいけないな」と思います。
さて、8巻はエピソードがすべて「お弁当」です。
大吉さんは、奥さんが亡くなってからいろんなことをこまめにするようになりました。
料理もそれはそれはすごい!奥さんが作ってくれていたのを思い出しながら。
しかも漁村ですから魚には困らない、隣の幼馴染がとんでもなくいい魚をくれるので、
正直、我が家の食卓よりはずーっとゴウカケンラン!しかも新鮮でタダ、あ、すみません。
8巻に出てくるお弁当は、まずは自分用にあれこれ、そしてほかの人のお弁当も出てきます。
更に戦時中のお弁当、日の丸弁当で麦飯が当たり前。ごはんではなく「さつまいも」も当たり前。
私の母は農家の娘でしたから、麦飯でもお弁当を持って行ったと言ってましたが、
それも用意できない家庭の子は、昼になると校庭に遊びに行っていたと…。
今の保育園の「キャラ弁」なんて、夢のようなお弁当ですよね。
お弁当の思い出…実は私の場合は、母の恥話になりますが、なにしろ料理だけはダメな人でしたから、
あぁだったこうだったという思い出があまりないのです。
食育が大切だというのは、大人になってからつくづく思ったことですが、なにしろ毎日おんなじ。
そうはいっても、料理が苦手だっただけでなく、私が12才で父が亡くなり、
父の残した仕事をつぶすまいとして、早朝から深夜まで働き詰めの暮らしでしたから、
お弁当を考える余裕もなかったのだと思います。私は私で「持たせてくれるのだからそれでOK」でした。
思えば親不孝な娘です。中学生くらいになったら自分でなんとかせーよって、今なら思う話です。
少し大人になって、母の苦労もわかり、社会人になってからは自分で作っていました。
結婚してからは、ずっと主人にお弁当を持たせていましたが、苦にはなりませんでした。
主人は長い海外生活から戻って、たった半年一緒に暮らしましたが、
そのときに「ひるめしはお弁当がいいなぁ」と言いました。
まーったく…と言いながらも、なんだか楽しくて毎日作っていましたっけ。
わざわざ1階から2階へ「お届け」する…。今ではほんとにいい思い出です。
お弁当を作らなくなって久しいのですが、今回ちょっと触発されて「久しぶりに自分の作ってみるか」と。
お弁当のおかずって、ちょっとだけでいいから、つい「残り物」とか「前の晩のおかずの取り分け」とか
そういうものになりますが、それはそれでいいわけで、節約にも食品ロスの予防にもなります。
というわけで、本日のとんぼ弁当・夕食用。
シャケ、ほうれん草とベーコンにコーンの卵焼き、シャケは私の好きな「しょっぱめ」です。
自宅だと思うと気が緩み?先日作った新ショウガの甘酢漬、もう最後の数枚も入れ、
お弁当箱以外に昼のサラダ用野菜の残りで千切りキャベツと玉ねぎ薄切り(高いのでしっかり残さないように!)
キュウリをちょこっとのせてのサラダにゴマドレッシング、そして味噌汁。
なんかちょっとウレシイ…?しっかり完食いたしました。
ちなみに金魚弁当箱、小さいほうが仕切りケースつきの「おかず入れ」ですが、
こんなにちっこくておかず足りまへんわ、で、ご飯入れにおかず、おかず入れにごはん、にしました。
小さいと思ったけれど、ちょっと詰めたらちゃんと1膳分はいりました。よっしよっし。
なんだか自宅弁当もいいなぁなんて思っています。
大吉おじいちゃん、アイデア、ありがとです。
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