ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

母の形見の塩瀬帯

2012-10-08 12:16:13 | 着物・古布

 

母の形見の帯です。はっきり覚えていないのですが、たぶん30年くらいは経っていると思います。

初めて見たとき「チョーダイ!」「アカン」で終わった帯です。

母は、水色地に流水と小花柄の小紋によく締めていたと思います。

あとあと「まだお前には無理な柄」と言われました。粋ということだと思いますが…。

それでいったら、今でも「ムリ」な気もするんですけどね。

 

何年か前に、ずいぶん長く待たされてようやく私のところに来たのですが、

残念ながらその時からすでに「白」っぽくなってまして…。

おたいこは「花鳥風月」、前帯の片側に「花月」、反対側に「雪」です。

ちょっと地の色目違っててすみません。調整間違いです~。

 

    

         

 

好きな帯だと言いながら、この字体そのものは私向きではないなぁと、実はそんな気もしています。

ちょっと勝気な感じの字でしょう?母は「女傑」とも言うべき、シャッキリの性格でしたし、

顔つきもどちらかというとほりが深くてきりっとしたタイプでしたから、こんな字体も母らしく見えました。

私は顔も性格も反対ですからねぇ…ぼてー、ずるー、だらー…カオまんまるー…。

これで締めてもいいものかどうか…ですが、とにかくこの白っちゃけたのを何とかせねばなりません。

黒地の褪せたのは、ほんとに目立つんですよ。幸い羊羹色にはなりませんでしたが。

上のアップ写真でもなんとなく、下の黒と違って見えますでしょう。

表と裏の一番色が違っているあたりはこんなです。

 

          

 

そこで…京都の「お助けマン」、いつもの「染工房 遊」様にメールで問い合わせをいたしました。

実物見ないと…ということで、連休明けに、この子は京都に旅します。

もし直せそうな場合は、柄部分を糊で伏せて地を染め直してもらうことになると思います。

柄の一部に金も入っているのですが、なんとかこのままで大丈夫かなぁと思ってましたら、

状況によって描き足しもしてくださるとのこと。

とりあえず黒地が直せる程度のものかどうか、「診断待ち」です。

もし直していただけたら、来年の春の彼岸はもう三回忌も過ぎますし、

母の着物に母の帯で、お墓参りにいけたらな、と思っています。

「アタシのほーが似合うでしょー」なんていったら…いやいや怖くてとても言えまへん。

「花鳥風月、雪月花」…かーちゃん、秋だよー。 


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8 コメント

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なんか… (べにお)
2012-10-08 20:10:32
ジーンときてしまいました。
私は父が亡くなっていますので、父の墓参りに父の着物(紬を女仕立てに直したものがあるのです)で行くのもいいなぁ、と思いました。
さすがに父の黒い兵児帯はしませんが。バカボンになっちゃう(笑)
こちらの帯、素敵ですね。粋好みなので、かなりツボです。
綺麗に染めなおって、とんぼさんに締めていただけるのを楽しみにしています♪
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Unknown (陽花)
2012-10-08 20:20:09
塩瀬の素敵な帯、お母様はモダンに
着こなしされていたんでしょうね。

黒色も年月と共に色褪せてしまうもの
なんですね。
染め直し出来るといいですね。
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Unknown (古布遊び)
2012-10-09 08:15:00
こうして受け継いで行ってくれるとお母様もよろこばれますでしょうねえ~~

黒はどうしても色褪せがでてきますね。
でも治せることを知ってびっくり。
上手くいくといいですね。
きれいになったらぜひ見せてくださーい~~

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Unknown (とんぼ)
2012-10-09 20:44:02
べにお様

母の着物は紬が多いので、帯も「染」とか「ざっくりした織り」とか
そういったものが多いです。
つい「これはあの時着てたなぁ」なんて、しんみりしています。

黒地、うまく直ってくれるといいと思います。
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Unknown (とんぼ)
2012-10-09 20:46:26
陽花様

母は、わりとコントラストのはっきりした組み合わせが
好きでしたから、私にはなかなか難しいものもあります。

黒の褪せはなんか貧弱でさみしいんですよね。
少し固くなるのと、色落ちがあるらしいのですが、
直ってくれるといいなと思っています。

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Unknown (とんぼ)
2012-10-09 20:48:34
古布遊び様

なにしろ私一人しかいないので、全部私のところにきます。
まだ実家に置きっぱなしですが、整理しないと…。

黒の色あせはほんとに残念ですよね。
帯地が固くなったり、色落ちしたりするらしいです。
まぁとにかくまずは直ってくれたら、着物にさらしまいてでも
締めますわ。
返信する
Unknown (柾女)
2012-10-10 01:38:02
今年の7月に初めてこちらにお邪魔してから、その幅広い知識(うんちく)に引き込まれて
”とと塾”と称して、ブログ開始からのバックナンバーを順に読ませていただいています。
現在、2008年7月に滞在中ですが、
和の知識の他に、お母様との率直で、暖かい”ガチ”のやりとりが、私にとって心強い道しるべでした。
私の母は、世話焼きなのに、自分が誰かの世話になることを恥とする性格で、
病を得てからも、思うようにならない身体でも、娘に対してあれこれ世話を焼く言葉はあいかわらず厳しく、
そんな母に反発してしまう自分に自己嫌悪が増すばかりでした。
ところが、とんぼさんとお母様のやりとりに感心したり、納得したりしているうちに、
母は、今の自分を認めてもらいたいんだということに気づいてから、私と母の関係も穏やかに変化して、楽しい夏の時間を過ごすことが出来ました。

それで、今日のタイトルを見たときは、大変ショックでした。
これからも2008年からのお二人を参考にさせていただきながら、母が「今日は気分よかった。」と感じる日が少しでも長く続くように工夫していきたいと思います。
「育ててくれた母に感謝」
そのことを気づかせてくださったとんぼさんとお母さんに感謝です。
ご冥福をお祈りします。
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Unknown (とんぼ)
2012-10-10 08:00:16
柾女様

まぁそのように言っていただいて、本当にありがとうございます。
何かしらお役に立つこと、よんで楽しいことがあれば、嬉しいと思っております。

母は、おととしの12月初めになくなりました。最後の1年はほとんど寝たきりで、認知症も少し進みました。
親の老いはほんとに切ないものです。
おかあさまと、どうぞ少しでも穏やかで楽しい思い出をおつくりください。
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