写真は、かなーり前に使った「博多の絵葉書」です。こう着てみたいやねぇ…あ、体型が…。
例によって「mixi」のコラム記事から…。
タイトルが「男性こぞってガッカリ…時代遅れの『勘違い浴衣女子』」の」…というタイトルでした。
いきなり脱線ですが、私この「ナントカ女子」という言い方、あまり好きではありません。
なんだかいろんな意味で「軽く」思えてしまうんですよね。
山ガールとかいう言い方も、お遊びでーすみたいな言い方に聞こえて…。
さて、この「勘違い浴衣女子」ですが、そういう女性がよくやる勘違いとして4つ挙げられていました。
1 逆毛を立てた盛りすぎヘア
2 ギラギラとアクセサリーのつけすぎ
3 大人女性の簡易的な作り帯
4 浴衣と小物がチグハグ
1については、要するに、以前はトップを高く派手にする「盛りヘア」がかつてのハヤリだったが…
とそのあとが「今のトレンドは抜け感です」またわからない言葉です。抜け感…あまり気張らない…でしょうかね。
盛りすぎるとケバイ、派手といった印象になるとありました。
私なんかから見れば、今は当たり前の金髪に近いような茶髪で、十分ハデだと思いますが。
そして2は、アクセサリーのつけすぎ。これはねぇ、浴衣に限らず、着物にはあまり大きなアクセは合いません。
元々着物でのアクセは、小物、髪に櫛かんざし、帯周りに根付、帯どめ…といった、
あまり直接肌につけるアクセではないのです。それに固執することはない、というのもひとつの意見ですが、
なにかをつけるオシャレより、引き算のオシャレ…何もつけない首筋やうなじ、あっさりナチュラルなメイク、
ゴテゴテくりくりと盛り上げた髪より、ちょっとお団子にして、透明な小さめ簪を1本…のような。
着物は礼装でも、大きなイヤリングやネックレスはつけません。
それは元々、着物が宝飾品で飾る服飾ではないからです。着物の色柄、帯の豪華さだけで十分。
髪は着物に負けないボリュームは必要ですが、飾るのは櫛一つ簪一本で十分…なんですね。
洋装メイクやアクセからの「引き算のオシャレ」が和装には合うと思います。
もうひとつ、着物では最も「なにもしないところ」のオシャレが「足」です。
昨日も書きましたが、真夏の間だけ、足袋から解放されて足をむき出しにして歩けるゆかた。
昔のお嬢様なんてのは、めったに素足にならないから「日見ず」の足は日焼けなしの真っ白だったことでしょう。
わたしなんざ、サンダルの線がついてたりしたものですが…ははは。
そのお日焼け知らずの色白の足を、浴衣でぱっと目立たせるのが「爪紅(つまべに)」でした。
昔だって、ちゃんとマニキュアはありましたが、もっぱら玄人さんのオシャレ。元はホウセンカなどの花の汁です。
この爪紅を、浴衣の時は足の爪にペディキュアとして塗りました。
黒塗りの駒下駄に白い足、真っ赤な爪…これだけで「艶」っぽかったことでしょう。
また脱線ですが、今のあのにぎやかしいネイルアート…あれで家事をするのでしょうか。
「とれないはがれない」という前に、長い爪のおかげで、まともにペンも持てないような様子を見ると、
ジャガイモの皮は剥けないだろうな、ハンバーグこねこねも無理だろうな…なんて思っています。
そして3番目の「つけ帯は、見ただけですぐわかるから、今は検索もできるし自分で結んだら」…というもの。
その前に自分で着てください。前の打ち合わせを逆にしないようにね…です。
そして4番目の「持ち物」…コラムでは「浴衣に普通のバッグは合わない」とありました。
これはねぇ、元々着物にバッグというものは相性が難しいのです。「バッグ」の文化のほうが、極端に短いから。
浴衣にはほんとは懐にハンカチ、帯の間にティッシュと財布くらいで、手にはうちわだけってのがいいんですが、
いまどきは浴衣着て遠くに行くこともありますからね。
ただ、コラムにあるとおり「普通のバッグはさみしいですね。かご付巾着とか籠なしのただの巾着とか、
そのくらいがいいんですが、いずれにしても大きくないもの…ですね。
ちょっとポップでチープな感じのビニールバッグなんてのもありますが、いずれにしても浴衣には「小ぶり」が合います。
巾着は紐を伸ばしたまま、ぶらぶらさせないこと、前の人がそれだと、つい蹴っ飛ばしたくなりますー。
まあここへおいでの方なら、今までのお話も今更…でしょうけれど、ゆかたは「あっさりさっぱり」を楽しむもの。
このコラムの筆者は「勘違い」と書いていましたが、勘違いではなく「知らない」のだと、そう感じました。
まず「知って」ほしいですね。
まだ梅雨のさなか、台風まで来ていますが、夏になったら、今年はどんな浴衣姿がみられるのでしょうね。
以前、花火大会の日に浴衣の大集団に出会って、つくづく思ったんです…
日本の蒸し暑い夜にはゴテゴテヒラヒラは暑苦しい…髪は小さくまとめて浴衣の色数少ない、すっきりさっぱりが涼しげだと
でも「花火大会に浴衣で」は今やイベント衣装。お祭りの法被と同じかも。お祭りファッションのほうが、年配の方のお手本がある分、あまり突飛な格好はないように思えますが
まぁ洋服のファッションでも、「オシャレだな~」と思う人はそうそういないのと同じかもしれませんf(^_^;
(ああ~人のことは言えません、すみませぬ~)
作り帯は…やっぱり結ぶのは難しいと思い込んでいるからかなと思います。貝の口なんか、普通に紐結んでるのと変わらないんですけどねぇ。
作り帯でも、自分で着ようと思うだけましかな、と思ったり、このへんはどっちがいいのか分かりません。作り帯で着てみて、意外と簡単、じゃあ半幅で、着物も…となってくれたらいいなあという気もしますし。
冒頭の博多の絵はがき、浴衣でも広幅の帯だったんですねえ。
前を半分に折るようになったのは、明治後半くらいなんでしょうか?それまでは帯を折るなんて考えもしなかったんでしょうね。
あと、抱え帯。
お引きずりでなくなった後、しごきや抱え帯がこういう形で残ったのはなんでなんでしょう?
礼装ならまだ分かる気がするのですが…。
やっぱり帯下の辺に何かないと物足りないとか、そういうことだったんでしょうかね。
ところで、この帯いいですね。
手持ちに総絞りの紺浴衣があるので合いそう、織ろうかなあ。
ほんとにイベント衣装ですねぇ。
去年だったか、40代の夫婦が、
東京の花火大会に…というリポートがありました。
慣れない土地であちこち歩き回って…だったのですが、
しまいに文庫のはずの帯がだらりんこ。
40代でも着慣れないとこれなのねぇと、
さみしく思いました。また誰も注意しないのですねぇ。
洋装のオシャレは、私もまったく自信がありませんが、
せめて暑い季節には涼しげに、
寒い季節には暖かさを感じるようにとは思います。
数日だけのイベントコスチュームとして切るしか予定がないなら、
便利が先でしょう。
それがきっかけで、着物を着たいという気になってくれたらいいですね。
帯幅というものは。今ほど厳密ではありませんでした。
自分の締めたい幅にちょっと折ったりもしていました。
今でも舞妓さんは少し折りますね。
袋帯や名古屋帯が出てきたり、着物の着方が変わったりして
逆に限定されてきてしまったものもあるのでしょうね。
それと抱え帯は、おはしょりが先になってからは「装飾」です。
確かに、このあたりを締めると、しゃんとする効果はあるかもですね。
この絵はあくまで「博多人形」ですから、帯幅や長さなど、
「見た目のバランス」を重視したのだと思います。