![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/08/4ead53a15ebdb118f52a9cd9ccc8d543.jpg)
先日お約束の「緞子」の羽裏です。緞子(どんす)というのは、
綸子のいいもの・・といいますか、細かく説明するとなると、
織るときの糸が本練だとか、繻子織りだとかいろいろあるのですが、
要するに繻子織りを使って光沢を出した重厚感のあるものです。
花嫁さんの帯を「金襴緞子」といいますね。
緞子でも一重のものは白生地で着物に使われますが、綸子より重厚な感じです。
とりあえず、緞子の羽裏は、普通の羽裏(平絹など)よりも厚地で、
「織り」でもようを織り出した手の込んだものです。
で、この羽裏ですが、使われているのは「黒と金」だけ。
朝焼けか夕焼けか・・太陽の光を受けてキラキラと輝く水面を
大きな帆をあげて船がゆく・・・。ちゃんとヒトも乗っているんですよ。
遠くにはかすかに陸が見え、近くには、別の船の帆が見えます。
描いた絵のようですね。写真にはキンキラに写っていますが、
少し茶色っぽい沈んだ金なので、落ち着いた図柄です。
残念ながら、表地の羽織の方が少しよごれがあって、
このままでは着用できません。でもクリーニングすれば今でも十分着られます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e8/65460c84913ca34ed24e5fc2ae6eb227.jpg)
2枚目は右上、金色の色紙に「日吉山王神社」と織り出してあります。
日吉山王・・と呼ばれる神社は全国にたくさんあります。
この「色紙」の最初のところに「日枝、また比叡、吉をえと読む」とあります。
「ひよし」「ひえい」と書いて「ひえ」と読む・・、私は関東在住なので
ひえといったらやはり東京の「日枝神社」を思い出しますが、
東京の日枝神社は京都の「新日吉(いまひえ)神社」の分霊社、
で、その「新日吉」の方は、滋賀の「日吉神社」から神様をお迎えした、
でもってその滋賀の日吉神社は「比叡山 延暦寺」の守り神様・・。
とまぁ、えらいややこし話しですがな。
調べようと思って、あまりのややこしさにここで断念しました。
とにかく、日本全国「日吉山王さん」はぎょーさんおます・・ということで
ご勘弁いただきます。(バチアタリな結論を・・・)
で、結局この「船の上のおみこし」が、どこの山王さんのお祭かわかりませーん。
よく見ると、船上によろいを着けたヒトが3人、全員「坊主アタマ」なのです。
一人は、僧侶の被り物をかぶっています。
ほかのハダカの人達は、ちゃんと「マゲ」も織り出してあります。
ということは、このよろいの人達は比叡山のお坊さん?
延暦寺の守り神さんのお祭なので、日ごろのご恩返し?
これは海ではなくて「琵琶湖?」
(ちなみに延暦寺は、京都の町の「鬼門」とされる北東にあり、
京の都を、鬼門から入ろうとする「魔」から守っているのです)
バチあたりなことばかり言っておりますが、ふざけているわけではありません。
こういうものを見ているとつぎからつぎへと??がいっぱい。
それでも別に詳しいことがわからなくてもいいんです。
着物の柄や、羽裏の図、そういうものからいろいろなことを思い浮かべ、
これはどんなヒトが着ていたのかなぁ・・と思いをめぐらせるのが、
古い着物を手にする楽しみでもあるのです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます