じゅばんです。繰り回した結果…とは思うのですが、
ここまで凝ってると、けっこうこれで芝居見物に行ったかも、と思っちゃいます。
しぼの大きいちりめんで、着込まれてはいるもののまだ布ぢからはありますし、
傷みや色あせなども部分的です。いいとこ取りで、別の布と足したら、
着物に仕立て直してもおもしろいかもしれません。かなりつぎはぎになりますが。
柄アップです。
成駒屋、左下に「福」の字、「福助」さんでしょう。
別のところに「芝翫」の字も見えます。
私は歌舞伎は全く「雨の夜明け」、つまり「明るくない」ってわけで、
詳しい説明はできないのですが、芝居の途中でかける「掛け声」、
あれはかっこいいもんですね。
掛け声というのも、やたらかけりゃいいってもんじゃない、
この芝居のここの場面の、このセリフのこの間、というのがあるわけで、
ミュージシャンのコンサートで、ひたすら叫ぶのとは大違い!?
聞きかじりですが、短い「間」のときは、省略、といいますか、
短い掛け声というのもあるそうです。
たとえば「成田屋」なら「たやっ!」というような…。
掛け声をいいところでビシッと決められたら歌舞伎のひいきとして一人前?
この辺りのお話は、こちらに来てくださる「中村ダン之助」様の領分です。
さて、それでは私は「歌舞伎」について…と言っても詳しいわけじゃありませんが
とりあえず語源は「傾き」、室町のころのコトバのようですが、
「傾く」と書いて「かぶく」と読む、これは異様なかっこうをしたり、
かわった行状をするということで、それをする者を「かぶきもの」と言いました。
イマドキは情報過多の時代ですから、たいがいのことには驚かないし、
あらまぁと思ったって、それで終わりです。
しかし、テレビも週刊誌もない時代、ヒトと違うということは、
それだけで驚異だったわけですね。
歌舞伎は「かぶき」に「歌う者」「舞う者」「芸人」という三つを
当てはめたコトバですが、一般人から見て美しく華やかに豪華に着飾り、
仰々しくセリフを言い回し、見事に芝居をする…、そういう人たちのことを
「かぶいたもの」と呼んだのは、言いえて妙…だと思います。
さて、歌舞伎の変遷については以前にも書きましたので、カンタンに…。
まずは「始祖」は「出雲の阿国」といわれています。
このころは「宝塚」のように「女性が男装」して少女と絡んだり、という芝居。
これをお上が「風紀上よろしくな~い」と禁止して、
男ばかりの芝居になりました。ところが今度は「少年使っちゃだめぇ」と…。
今で言うところの「青少年ナントカ防止条例」みたいなもんですね。
そこで「大人の男」ばっかりの「野郎歌舞伎」になったわけです。
それでも、こういう流れが日本の「女形」という、
独特の舞台芸術を生み出したわけですから、ほんと、何が幸いするか??
着物の話に戻りましょう。もう一枚写真です。
巻物・雀など、何を意味する柄なのか、芝居オンチの私にはわからないのですが、
「ヒイキ」なんて堂々といれちゃうところがすごいと思います。
元々これは歌舞伎ファンがヒイキの役者に送ったのれんとか反物とか
手ぬぐいとか、そういうものをデザインしたものだと思いますから、
ヒイキと入っていても不思議はないのですが、それにしても「まんま」です。
これを着物として着るより、ほんとの芝居好きなら、
例によって「見えないところに」こういうものを持ってきて、
芝居見物に行く…というのが「芝居好き」の真骨頂だったのかもしれませんね。
このじゅばんに、渋い大島か結城の着物と羽織、
羽裏には「連獅子」とか「勧進帳」なんて柄がついたてたりして。
いやぁニクイですねぇ…。
このじゅばんについては、いずれHPの方に、
もっとたくさん柄を写して、アップしたいなぁと思っています。
最初はお友達と二人で途中退席してしまいました。
二度三度と見に行く内に、かつらを着けていても
誰かようやく分かるようになりましたが、歌舞伎の
素晴らしさが分かるようにはなりませんでした。
歌舞伎の好きな人は、とんぼ様が言われるように
ここ!っていう時に掛け声掛けていました。
同じような生地を合わせるのが基本だろうけどあえて合わせたいですね。柄が切り嵌め風なので、あっさり横段に模様のように入れてみたいです。八掛は海老茶がいいかと思いますが無難にすぎるでしょうか。
古いきれを見てこんなことを考えるのはほんとに楽しいです。
そうですね~私なら羽裏にしますね。
でも、この生地を作られた方の気持ちは解りますね。現在「連獅子」の襦袢は持っていますが、出来れば「藤娘」の手描きの襦袢なんかも欲しいですし、先日の「斬られ与三」の襦袢も良かったですね~。
こんなことを書き込んでいると、だんだん弁天小僧菊之助の羽裏が欲しくなってきました。
私は衣装とか、髪型とか、そういうものが目的で、
テレビの歌舞伎とか能・狂言、日本舞踊なんかを
よく見ます。所作動作なんかも美しいですしね。
でも、正直なところ「歌舞伎」のストーリーは、
けっこうはちゃめちゃで、私向きではないんです。
そういう意味で、私はテレビ観劇ですんでいます。
実物の着物や、役者さんの所作動作を
見てみたいというのはあるんですけどね。
逆に歌舞伎って、物語がわかるとおもしろい、
っていうところもあるんですけどね。
お金と時間がありまへーん。
えいどん様
カチ色は私も思いましたよ!それと、もうひとつは、
この字の部分、黒にみえてますが、実は海老茶の
もっと濃くした色、ぴったりの色名を探しましたが
ないんですよ。要するに濃い小豆色みたいな…。
それでもいいかなと思います。
私もきりばめのようにいれたら…と思ったのですが、私の場合チビなので横ではなく「たて」のはめ込み、
ひろげて考えてみます!
中村ダン之助様
福助さんの女形はかわいいですね。
玉三郎さんの女形は、あまりにもきれいすぎて、
ちょっと近寄りがたかったけど、
福助さんの女形は、人間味があります。
(玉さまは妖怪かいっ!)
こった羽裏もいいですねぇ。
今、男物の襦袢のかわったのを探しているのですが、
なかなか…。役者さんの名前の千社札の柄は
いまでもあんですけど「絵」が欲しいです。