たまにはまじめにお仕事を・・・なんて考えても、実は「材料」の整理も
まだこんな状態でして・・・。
これは古着を解いて、洗って乾かして、まきまきしたもの。
この棚は、じーさまのお手製でして、天井のちょい手前までの高さがあり、
私の注文どおりの奥行きとか幅で、作ってくれました。
下の方と、もうひとつ、私の肩くらいまでの小さいほうの棚は、
「銘仙」とか「帯」とか、整理をつけたんですが、こっちの棚は
まだ半分もかたづいてませーん。おぉ~、かの有名な「片付けられない女」かや。
「錦紗」とか「綸子」で分けて、色柄で分けて、使える布の量で分けて・・
なんですがねー。年越して、いつになったら終わるやら・・。
ここにあるのはだいたい「身頃と袖分」です。おくみや衿など、
幅が半分のものはまた別に、たたみたたみしてしまってあります。
ほとんどがシミや汚れ、解き跡やスレ、針穴など、いろいろあって
そのままでは着物として縫い直す分量のないものです。
こちらは向かい側のちいさな棚、まだ解いてないもの。
かなり無造作に・・・。下の方撮りゃよかった・・もちっとマシなのに。
まんなかの黒いのは「芝居衣装」です。ふき綿がたーっぷり。
大きなあやめが色鮮やかに描いてあるんですが、金が黒になっちゃってまして。
化学染料ですね。あやめの部分は使えませんが、地模様が細かい紗綾型なので
バッグの土台や、別布つけてストール・・なんてのを考えています。
考えるばっかしで、ちっともすすまないんですが・・・。
下の段の右端が、先日の「屋根の並んだ柄」です。
これはなんとか着られるので、二部式にしてみようかと思っています。
材料ばっかりお見せしても・・・しかも着られないものばつかり・・
なので、せめてちっとは「反物」のお話しを致しましょう。
皆さんは反物の長さってご存知ですか?着物はだいたい12mくらい・・。
羽織用は「羽尺」といいますが、9mくらい。そう「くらい」なんです。
実はきちんと着物用は何メートル何センチ・・と決まってないんですって。
呉服屋さんでは今でも「曲尺」だの「鯨尺」だのと、
古い度量衡を使うことが多いのですが、この「尺」のお話しをしているとまた
それだけで一日分になってしまいそうですので、とにかく、
着物を縫うために作られたのが「鯨尺」という単位のものさしで、
その鯨尺で計って「3丈以上あるもの」を「3丈もの」といい、これが一反、
つまり一反というのは「着物を作ることができる長さがあるもの」なんですね。
普通の着物だと、3丈あればいいんですが、例えば留袖などで、
共八掛などにすると、もっといります。振袖も袖が長い分、よけいにいります。
こういうものはもう1丈足して「4丈もの」といいます。
男の人の紬のアンサンブルなどは着物と羽織が同じ柄でいります。
これは「疋(ひき)」という言い方をしますが6丈もの、つまり2反分です。
「この大島は一疋ものでして・・」なんて言う時は、2反分あるということです。
ちなみに時代劇などで「太物」とか「呉服・太物商い」などという言葉が
出てくることがあります。呉服は絹物「太物(ふともの)」は木綿・麻など。
実は同じ一反でも、綿や麻は短いんだそうです。
それはつまり絹はまず「絹」だということが、高いわけですが、
それに染めだの刺繍だのと、いろいろ手が加えられ「高価な着物」になります。
染めていったら足りなかった・・では困りますし、染めたもので
着物にしたら足りなかった・・でも困るわけです。だから余分に長さを持たせる、
高価ゆえの「余裕」ということでしょうか。
母もよく「えぇもんは丈が長いもんや」と言ってました。
一方木綿などでは元が安いですから
「おまけ」をイッパイつけたら商売にならないんですね。
だから「ギリギリ」でカット・・というわけです。
私はチビなので、着物を縫ってもらうとかなり余ります。
最近では、というよりお店にもよるらしいのですが、
私の(実は母の)懇意にしている呉服やさんでは、腰のところで
多めに折りこんで仕立ててくれるので、それほど残らないのです。
でも柄がいい時は、前掛け分あったら残して、と頼むと、そこそこのものなら
ある程度の丈はありますので60センチくらい残してくれます。
これに赤や紺の紬用の八掛の残りで紐を作って前掛けにします。
長い紐を作って真ん中の位置に反物の片方を挟み込むだけ、
反対側の端は三つ折ぐけ。紐はぐるりと前に回して前で結ぶくらい長くします。
これで江戸時代の「茶店の看板娘用」前掛けの出来上がり・・です。
今は「前掛け」作ってる場合じゃない!シゴトしなくちゃ・・・。
昔の物は巾もいっぱいで丈もいっぱい。
広幅を勧められます。
それにしても反物がいっぱいですね。
きちんと洗い張りしていらっしゃるのですね。偉いな~。
2枚あわせて1枚の着物を作るのはどうですか。
これだけあると、パッチワーク風に組合せて着物が出来そうですね。
縫えるのは「単」まで。
和裁のできる友人は、着物2枚縫って
あわせりゃいいのよ・・なんて簡単にいうんですが
そんなぁ・・。
でも、パッチの着物、いいアイデアですよね。
人に縫わせるとして・・考えよっと!?