ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

新日本髪、あははの画像

2008-01-15 13:05:02 | 着物・古布
これは私が二十歳のとき、但し成人式ではなく、
同じ年のお正月、親戚にいってクタビレ果てたってのに撮られた写真、
衿の乱れはまるで「明治時代のえーかげん着物」みたいです。
成人式当日は、もう少し普通のアップでした。
なんと、お正月にこのアタマで家族の記念写真をとったので、
これがハタチの記念、成人式で一人の写真はありません…。

えー、実は昨日着物での髪型のお話を致しまして、
コメントをいただきました桔梗様のところでお写真を拝見し、
アタシのあははの写真があったよなと…。
いえ別に「過去の栄光」の写真ではなく、こういう髪型したんだよ、
ということです。これが「新日本髪」というやつです。
「しょーがつだ、めでてぇ」ってんで、かんざしもあるったけつけろと…。
ビラビラまでついております。
こちらの花びらビラビラのかんざしは、実はこちらでも…
15歳のアタチ、中学三年生のお正月です。


          


まだ紅もつけとりません。このときはまだお子様扱いでしたから、
七五三の延長のように「赤い手柄」がテッペンで、のたうち回ってます。
このときにこのびらびらを買ってもらい、それを5年後、二十歳でも使ったと。
物持ちがいいだぁねぇ…このあと、これはイトコの娘の七五三にと
もらわれてゆき、その後3人の女の子の髪を飾りましたとさ。
完全に元は取ったサ…コラコラ。

で、二十歳のほうと15のほう、丸いかんざしを挿しているのが
見えますでしょうか。これまた同じ物です。
二十歳のほうには、更に櫛も使っておりますし、櫛の横には、
ビラかんが一本、このときの後ろ側を覚えていないのですが、
かなりロングでしたから、桃割れっぽく見えるようにまとめて、
やはり手柄を、このときは小さくまとめてつけたように思います。
手柄と藤の花みたいなのを除いて、櫛とかんざしは
全て父方の祖母から譲り受けたものです。
残念ながらかんざしはその後、挿す部分が根元からポッキリおれてしまいました。
それでもとってあります。



     


まぁトップ写真はさすがに「そこまでつけんでも…」と今なら思いますね。
それもあって成人式当日はもう少し普通のアップでしたが、
それでも櫛とかんざしはちゃんと使いました。
イメージとして、こういう和っぽい髪型や、櫛かんざしのほうが、
着物にはしっくりくると思うんですよ。
あのひらひらヘアだったとしても、コサージュより、
つまみ細工の大きな花のほうが、ひきたつんじゃないかなーと。

この記事を書きながら、もう新日本髪なんてないのかな、と思って
検索してみましたら、まだまだありましたよ。
たとえばこちらは「巴亜摩屋(パアマヤ)」さん
かんざしだって「もくれん」さんでは、同じコサージュでもちりめんものが…。

いろいろ記事があって、今はみんなカーリーだから、個性的なつもりが、
いってみたらみんなおんなじ…、そういう中ではこういう髪型のほうが
個性的でめだつし、ステキだった…なんて記述もありました。
実際昨日のニュースで、何回か会場で席についている画像を見ましたが
ズラリと並んだ女性は、みんなおんなじようなあのスタイル、
つけているのも大きなコサージュで「白がハヤリか」とすぐにわかりました。
結局横並びになってしまうんですね。

振袖が今風の色柄であれ、チャパツであれ、着物には着物に合うメイク
というのがあります。振袖がどんな色柄であろうと、まず眼に入るのは
それが「着物である」ということですから。
年末の婦人雑誌や振袖特集などを見ると、やっぱり「きもののメイク」とか
「和装のアクセ」とか、そんな風にのっていますよね。
それは「着物は特別のもの」という感覚よりも、
着物には洋装とは違う美的要素があるから、だと思います。
たとえばフォーマルドレスなら、少し輝くタイプのおしろいとか、
アイシャドウやチークもはなやかなもの、と選ぶように、
着物には着物を引き立て、着ている人をより美しく見せるメイクがある、
ということなんだと思います。
そういう意味で私は「せっかく着物を着るなら、髪やそれを飾るものにも
和風で美しいものがたくさんある」ということを、
知らなきゃもったいないと思うのです。

かんざしというのは、古いものでも十分使えるものがあります。
ホンモノの鼈甲などは高いですが、昔のものだとセルロイドとか銀とか、
それなりのアンティークモノがほどほどの価格であります。
こちらはちょっと手入れが必要ですが、かんざしも直してピカピカにできます。


      


こんなのが髪に挿してあったらシャレてると思いませんか?
直しに出してみるとどうなるか…はこちら、
以前お見せした「宝船」かんざしです。
変色部分はきれいに輝きを取り戻し、曲がったところはまっすぐに、
船の下のぐにゃぐにゃは、なんだか分からなかったのですが、
直してもらったら「波」を表していたのだと分かりました。
上が修理前、下が修理後です。



   


上の櫛は、ほかにいっしょに譲り受けた櫛とあわせて、
ぎゃらりぃ和之介のほうにありますので、櫛お好きな方、ご覧ください。
そろそろほかのかんざしなども、宝船もアップしたいと思いつつ…です。

来年は、どんな髪型がはやるのかわかりませんが、
早いうちからいろいろ見て、和のよさにも眼を向けてくださる方が
いるといいなと思っています。

おまけですが、私一度はホンモノ日本髪を結ってみたいと思っています。
もちろん自毛で、です。もう白髪が多いですから、このまんま結ったら、
八墓村のお刀自様みたいになっちまいますから、
まずは染めて!そして小ぶりの丸髷を…。
子供のころ、近くのタバコ屋の女将さんがいつも着物で、
大晦日になると、必ず島田を結っていたんです。
まだあのころは結えるヒトがそこここにいたんでしょうね。
美人じゃないし、もうかなりの…いや考えてみると今の私くらいの年齢、
それでもきちんと結い上げて、父のタバコを買いに行くと、
びんつけ油のいいにおいがして…毎年見るのが楽しみでした。
私も、結いたい!

コメント (12)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« きょうは成人式 | トップ | 小物のお手入れと保管 »
最新の画像もっと見る

12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
わらうどころか… (えみこ)
2008-01-15 15:03:46
母は三十代前半で、文金高島田を結い花嫁振袖で写真を撮りました。
「結婚写真のつもり」とのたまいつつ
新郎はなしのひとりで撮影。
ちなみに自分がランドセルの頃でした。
どうして父や兄弟が入って撮影しちゃいけなかったか
いまだに謎です。
そんな魔力が日本髪にあるのだろうか…。

返信する
Unknown (陽花)
2008-01-15 19:44:50
とんぼ様はこういう髪型本当によくお似合いですね。
こういう思い出の写真があるのは幸せですね。
子供の頃から本当に着物がお好きだと言う事が
よく分かります。
返信する
ほんものはいいな (もも)
2008-01-15 22:43:22
蒔絵の櫛かんざし、はとてもいいものですね。
昔のものだから、本当にホンモノ。
金の蒔絵がすごく厚いですね。高価ですよ今買ったら。
そのサンゴに銀のかんざしは、とても好きです。
品があって、かわいい。

4つか5つぐらいの時に、日本舞踊の発表会に一回だけ、日本髪にいろんなびらびらつけて「手習子」を踊りました。
頭が重くて、舞台で引くりかえったんです。
他の人より、拍手が大きかったわ。泣かないで、よく頑張ったねという拍手なんでしょうね。
日本髪は、それっきりな?
とんぼさんは、幼い時から、その時々の暮らし方がていねいですね。


返信する
Unknown (伊藤)
2008-01-15 23:05:26
>十五歳のアタチ・・

ご存知、藤村の詩歌に 「まだ上げ初めし前髪の・・」ってのがありますが、まさしくこんなのを言うんでしょうなぁ・・(笑)なんともお可愛らしいですワ。
返信する
おお! (桔梗)
2008-01-15 23:19:16
これぞ、正しい新日本髪!
こういう髪にしたかったんですよ~、、私。
前髪があっても、とんぼさんのは可愛いけれど、、
私のは、円弧状の前髪だったので(昔はマッシュルームって言いましたっけ?)
見るも無残なものになってしまいました!
とんぼさんみたいに上手く加工?できればいーのですが、
それもならず、、、結局、アップ画像は削除しちゃいました~あはは!
とんぼさんの櫛と簪、素敵ですねー!
鹿の子飾りもとっても可愛くて、、、
(って、髪飾りばかり褒めてんじゃん!)
とんぼさん、ほんとうに日本髪がお似合いです!
返信する
ス、スペシウム光線が! (萬屋千兵衛)
2008-01-16 18:43:19
痛い!痛い!
か、からだが溶けてく~!

2枚の写真とも、私のことを怒ってるんでしょ?
きのうといい、きょうといい、
もう、とんぼ姉さんの権威には、脱毛!(爆)
返信する
新日本髪って。。。 (KOMA)
2008-01-16 19:34:45
こうしてみると、可愛いものですね(*^^*)
皆様おっしゃるように、とんぼさんは本当に良くお似合いです♪
私も結ってみたくなりました。。。ってこの歳でも結ってもらえるのかしら?
普段着向きの、至って地味なのでいいんですけどねえ。(^^;

返信する
Unknown (チーママ。)
2008-01-16 19:55:46
こういう髪型や、かんざしを見ると
あ~いいな~着物着たいな~っていう気持ちになります。
自分は、成人式で、どんな髪をしたっけと
今更ながらに思い出しています。
写真見てみなきゃ~(笑)
まだまだ、美容師さんに注文付けれるほど
度胸が据わっていなかったので
されるがままだったなぁ。
腕の確かな美容師さんに結ってもらうときは
自分のイメージをきちんと伝える技術も必要になりますね。
返信する
新日本髪 (クララのママ)
2008-01-16 22:19:19
とんぼさま

お邪魔させて頂きます

とんぼさまの新日本髪素敵ですね
私も結婚前は、暮から毎年新日本髪を結っていました

嫁ぐ時母が、着物、羽織、茶羽織…を持たせてくれましたが袖を通さぬまま30?才が過ぎました

箪笥の肥やしでしか無かった羽織、茶羽織を今では
ユニホームとして着て居ります
着物は、何年経っても着る事が出来るのですね

とんぼさまの着物の歴史に感激しました。
返信する
Unknown (とんぼ)
2008-01-16 23:06:37
えみこ様
女ってのは、いくつになっても…ですよ。
私も、すでに振袖なんざ縁がありませんけれど
写真など見ては、こっちがいい、なんてやってます。
日本髪は、それを現実にみたことがあればあるほど、
あこがれるのではないかと思いますね。
昔は家から、花嫁衣裳でお嫁入り、
なんてこともありましたからねぇ。
お嫁さんだーって見に行きましたよ。
お母様も一度はゼッタイ着たかったんですね。
男は排除、いいの自分だけきれいならっ!?


陽花様
似合いますかー、ありがとうございまーす。
私まんまるガオで、お盆といわれてまして、
私はもっと大人っぽくしたかったのに
どーやってもカオが幼稚なんだからって。
今じゃ203高地かな、やっぱ。


もも様
祖母は、血のつながった女の孫が
3人もいたのに、あんたなら髪を結うだろうから、と
私にくれたんです。ずっと大事にしてきましたが、
元結などの紐や紙製の飾りがきたなくなって、
捨ててしまったんですよ。若かったから
価値なんて分からなかったんですね。
悔やまれます。

大きく結っていろいろつけると重いですよね。
コケたのもよく分かります。
よくガンバリマシタっ!!


伊藤様
子供のころから理屈っぽくて、ナマイキなコでした。
この頃のケンカ相手はもっぱら男子でしたよぉ。
女って子供のころから化けるのねぇ!?


桔梗様
あの前髪も、あの頃はハヤリでしたよ。
さげちゃったんですかー、もったいない。
私はオデコ狭くて、あれができない…。
それで15のほうも、できるだけ少しにして、
ムリヤリ横に流してるんです。
今でもハッキリ覚えてる、美容師さんが
シミジミ私のオデコをみて「こうせまくちゃねぇ」と
ぼそっとつぶやいたこと…。
お互い苦労しますなぁ。


萬屋千兵衛様
溶けたのは「ココロ」でないんかい。
毛ぇ脱いでどーすんのよっ。
このごろ眼を離すと、すぐムリするんだから。
寒いから、気をつけてワルサするのよっ。


KOMA様
私は今は、自分でツケ髷でやっちゃってますが、
美容院も、新しいシャレたところほど、
こういうのは難しいみたいですね。
昔ながらの近所のパーマやさんの方がいいかもです。
束髪なんか結ってみたいですね。


チーママ様
美容院から足が遠のいて久しいのですが、
まだ姪っ子の結婚式なんかありそうなんです。
絵に描いて持っていくようですかね。
こんなのにしてくださいって。できるできないの前に
似合いませんって言われたりして。


クララのママ様
ようこそおいでくださいました。
昔は近所の小さな美容院でも予約でしたね。
朝7時ぐらいから夜中まで満杯で
予約が遅れて、大晦日の夜ギリギリになったときは
ここで年越しかぁと心配しました。

着物、古くなっても着られるところが素敵です。
いつか着物姿を拝見に参りますので
よろしくお願い致します!






返信する
はじめまして (紅蓮の暁)
2010-01-04 19:37:16
はじめまして。こんにちは。
私は今年成人式なのですが、新日本髪を結う予定です。それで、簪はあるのですが、櫛がどのお店に行っても売っていません。東京に住んでいるのでその近辺で櫛が売っているお店があれば教えてください。
いきなりぶしつけな質問すいません。
返信する
Unknown (とんぼ)
2010-01-04 21:02:03
紅蓮の暁様
本日1月4日の記事の方に
お答えさせていただきましたので、
そちらをご覧くださいね。
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事