写真は本日入手の「かつぎ」です。説明は後半で…ちなみに1500円…10年前はものすごく高かったのに。
古着について、今まではお店などで手にとって買える場合のお話でした。
今日は、オークションで買う場合のお話しです。
とは言いましても…私もオークションで落札していたのは、だいぶ前の話でして、今はたまーに…なのです。
オークションそのものもいろいろ様変わりしましたし、皆様もオークションでは何に気をつけるか、なんて、
既に言わずもがな…の状況だと思います。
要するに、商品そのもののどこを注意するかは、基本的には直接買うこと同じこと。
それを実際に手に取ることができない、現物を見ることができない、それで買うわけですから、
別のチェックが必要になる…これもよくお分かりと思いますが、
品物もさることながら「取引の相手」がどんな人か…ですね。
顔が見えませんから、全て「画面」からの情報で判断しなければなりません。
とりあえず「わーステキな着物、こんなのほしかったのよねぇ」だけで、決めてしまわないこと。
自己紹介、その他のオークション、評価、そういったものにちゃんと目を通すこと、ですね。
知りたいことは「質問」すること。その答え方でも、誠意がないと感じられたりする場合があったりします。
もちろん、逆にとても丁寧に答えてくださる方もいます。
私は仕事の材料として、けっこう落札していたのがもう10年近く前です。
そのころは、いいものがあれば出品者がだれであれ、とにかく入札…とやっていましたが、
そのうちだんだんわかってくるので、取引相手をすしずつ限定してきました。
ある業者さんは、必ず「古いものですので、ダメージはあるのでご理解を」とあって、
そのダメージについての細かい記載はありません。写真もおおざっぱ…。
あちらはそれでもう10年やっているので、これはもうこちらの「目利き」です。
この人の場合、たぶんこの程度には汚れているはずだ、でも柄のこのアタリは大丈夫そうだから、
ここだけ使えればいいとしよう…みたいな?
材料用ならそれでいいのですが、着用となるとアチラの感覚との違いもあります。
よく「アンティークになれておられるかたなら着用可能と思います」みたいな表記があります。
それってどの程度?表はとてもきれいだけれど、胴裏はまっ茶色…それを着られるかどうか。
お太鼓にすれがありますが…ちょっとすれてるくらい?それとも糸がぼそぼそとみえてるくらい?
それで締められるかどうかは、個人の感覚です。
「いいほうにとらない」という感覚でいることです。写真は必ずしもアテになりません。
写真もモニターで色が違いますしね。
薄いシミ…もそうです。薄いかどうかは個人の判断で、大事なのは「それが目立つかどうか」ですから。
こんなこというとオークションで買うのが怖くなる…と、友人にも言われました。
でも、パソコンでモノを買うのは、当たり前にこのリスクが付きまといます。
ショップですと、正規の価格だったりしますから、クレーム対応してくれたりもしますけれど、
オークションはあくまで「みてアナタが決めてください。そのことに責任持ってください」ですから。
私はネットであっても、またショップとオークションの違いはあっても、
基本「人間同士のつきあい」だと思っています。
過去には、顔が見えないのをいいことに、ごまかしてお金だけ取ろうとした不埒モノもおりましたが、
そういう人は、結局そういう生き方しかできないのだと思います。
なんだかちっとも「お役立ち情報」ではありませんけれど、ネットで起きたトラブルは厄介です。
直接やりあえない上、文章は全国津々浦々まで公開ですしね。
そこまでいかなくても「こんなはずじゃなかった」とか「損したぁ」と思うのもつまらないですから、
買うときには慎重に、しつこいくらいに読んで眺めて考えてください。
さて、トップ写真は「かつぎ」、です。黒、濃紺(茄子紺)は、たまに見かけますが、
グレーはありませんでしたので、資料用に落札しました。
こういうものは、薄くて材料にもなりにくいので、今は安く落札できます。
かつぎは「被衣」と書きますが、「かずき」ともいいます、これは「かずく」という言葉からでたものと思いますが、
いつの間にか「かずき」が「かつぎ」になってしまったようです。
元々は平安のころに、女性が外出するとき顔を見せないためのもの。
それように作られたものにちゃんと袖を通して着ていましたが、やがて普段の着物を羽織るなど簡素化されました。
最終的にこういうものが「かつぎ」として出てきましたが、これを使うのはおそらく関西が中心であったと思います。
いわゆる「髪を結わない」公家の風習ですし、髷のうえからこれをかぶるのは、タイヘンだったと思いますし…。
関西には江戸時代、七五三のように、女の子が「初めて「被衣」をかぶる儀式、というのがあったらしいです。
今、たまに出てくるかつぎは、それほど古い気がしません。かつぎについては過去記事があります。
まぁ着物のように、毎日使われたものではないので、保存がよければ今出てきてもキレイだとは思いますが…。
いったい誰がきていたものかと、いつも疑問に思うのです。江戸の終わりまで、関西では使われていたと思われます。
今出てくるものは色柄がだいたい決まっていて、黒地で真ん中に白抜きの部分があり、そこに街道の景気など…。
どちらかというとジミ目です。これもジミではありますが、
今回のグレーは、柄の部分がススキでちょっと色が入っていてオシャレでしたので…。
かぶって歩いてみるかぁ…(おやめなさいまし)。
やはり本当に買ってほしい所に行くように
なっているんでしょうね。
かつぎと知らない者には、ヘンな形に見える
だけですから。
色も柄もステキ!
以前「かつぎ」を手に入れたことがあって、おっしゃるように黒地を白く抜いたもの。
それほど古いとも思えないし、いつ、どんな風に使ったのだろうと疑問に思っていました。
もしかするとお芝居か何かで使ったものだろうかと思ったりもしていたのですが。。。
仕立て直せば、単衣として着られるようなものなのでしょうか?
今までグレーは少ないし、
きれいではなかったので今回は幸運でした。
柄もたいがい松の木とか、風景なので、
ススキが特にステキに見えます。
ほんと、着物を見慣れた目には、
ナニコレ…ですよね。
私も、いくら関西では使われていたといっても、
なんかキレイすぎるものが多いなぁと。
おっしゃるとおり、舞踊やお芝居でのものも
あるとおもいますね。
襟の付き方が着物と違う。
平置きすると、こういう形なんですね。
今でも手に入る事があるんですねえ。
私は本の中でしか見たことがありません。
実物に触ってみたい・・・
使う人は限られていたと思いますが、
平安時代は顔を隠すためでも、
後世ではちりよけコート代わり、
というのもあったとおもいます。
今出てくる単衣のかつぎは、ほとんどが透けて見える
羽二重です。いい絹のものもあれば、胴裏のような、
節のあるものもありますが、
いずれにしても着物に仕立てられる厚みは
ありません。
袷のかつぎもあったそうですから、これは夏から秋のものだと思います。
柄もススキですしね。
つまり…今の世では、どうにも使い道のないもの…なんです。
やはり とんぼさんは 充分目利きでいらっしゃるのだと思います。
このかつぎもとんぼさんに入手して貰って幸せでしょうね。
そうなんです。肩線から下に衿がついているんですよ。
普通のきものを頭の上にかぶると、
覆いかぶさるようになって、袖が顔の真横に来ますし、
後ろ裾がぐんと上がってしまいますが、
これだと、ちょうど耳の下辺りから袖がさがります。
薄いのでぺらぺらですよ。
ヤ○オクには、たまーーに出ます。
お褒めいただき恐縮です。
傷みはありましたが、実際使うものではないので、入手しました。
グレーといっても、写真よりは少し青みがあって
とてもステキな色です。
こういうものが居ながらにして手に入るようになったというのは、ネットオークションのお陰なんですよねぇ。
仰るとおり、入札する出品者はだんだん限られてきますね。
「イイナァ」と思うものが出ていても、一度懲りた相手だと買わないで諦めてしまいます。
いずれおめにかけましょうぞ。
いつになることやら…ですが。
私もほとんど同じ人しか買わなくなりました。
いいのになぁと思っても、トラブルは
いやですからねぇ。
絵などでは見たことがありますが、こういう仕立てになってたんですねぇ。
今の和裁士さんだと、誰でも縫えるという物でもなさそうですが、舞台などで使われるとしたら今でも一部では作られているのでしょうか。
面白いですねぇ!!
いつもいいもの見せて頂いてありがとうございます~^^!
なんかものすごい猫背用…なんて感じですよね。
今でも踊りなどで使われますから、作られていますよ。
おもいっきりポリだったりしますが…。
能や歌舞伎では本式でしょうけれど。