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あの「小菊柄」のハギレを出したとき、隣の棚からひっぱりだしたものです。
じゅばんなんですが、この色目のじゅばんは、私の手持ちの着物には色が合わせにくい…ので、
丈長めの引っ張りとか、黒繻子の衿でもかけて、薄く綿入れて半天にしたらいいかなとか…。
しゅるしゅるなので感触いいんですよね。
ところで、このじゅばんの柄は「宝船」。縁起がいい柄とされています。
昨日の記事にいただいたコメントで「中国は偶数がいいとされる」と言う内容のことがありました。
人間と言うのは、先がわからぬゆえの弱さから「予言」「予想」というものに惹かれ、
時に「縁起」というものに大きくココロを動かされます。
着物の柄などは「縁起オンパレード」みたいなところもありますね。
まぁそのこと自体は、人として、当たり前のことであろうと思いますし、
度をこさなければ、暮らしや心の潤滑油のようなもので、あっていいことだとも思っています。
でも、それはほんとに「お国柄」だったりするんですよね。
宝船から離れてしまいますが…中国は偶数がめでたい、日本は奇数が喜ばれる…といいます。
なんで?と言うことに関しては、研究までされているそうですが、なぜ日本では奇数がいいとされるか…。
これは昨日の「重陽の日」でもお話しました「陰陽の五行思想」などから、
奇数が「陽」、偶数が「陰」とされているから…というのが、理由としては一番、収まりがいいでしょうね。
でもその「陰陽・五行」ってのは中国からきたというのに、そのご本家がいまや「偶数」が好まれる…
「偶数」というのは「割り切れる」ということと「対になる」ということで、おさまりがいい…というか、
「安定」ということがそのポイントのようです。
でも奇数というのも重なれば偶数になるんですよ。でも、ソコはいわないんですねぇ。
欧米人から見ると、日本人が数字をいろいろ読み替えたり、当てはめたりするのは、
奇異に見えるそうです。たとえば読み方だけでも、いち・に・さん…もあれば、ひぃふぅみ、もあるし、
四を「し」と読んだり「よん」と読んだりするし、語呂合わせもするし…「5963、ごくろうさん」とか。
「十」と書いて「つなし」と読む、これは、ひとつふたつと数えていって、十だけは「つ」がつかないから。
これって、日本人にとっては「数字」も「字」だからですね。外国では「数字」はただの「数字」なんですと。
確かに英語ではリンゴでも鉛筆でも「a」がつくか、終わりに「s」がついて複数形になるかで
「個」とか「本」とかつけませんから。中学で英語の時間に複数の表現を習ったとき、
先生が「この場合は『ここに二切れのチョークがあります』というわけで…」という説明をしまして、
私はその「チョークが二切れ」と言う言い方にとても違和感がありました。チョークは2本だろがって。
要するに英語では「チョークが2、あります」なんですね。そういう感覚の違いなんでしょうねぇ。
同じ「漢字」を普段の文字として使う中国は「発音」を重視します。
たとえば、私が好きな「蝙蝠」、私は柄として形が好きなのですが、日本人にとって、
特にイマドキの人にとっては「こうもり」と言ったら、幽霊屋敷とかドラキュラとか、あまりいいイメージではありません。
童話の「こうもりは鳥の仲間にも動物の仲間にも入れませんでした」なんてお話しもあったりして、
「どっちつかず」とか「都合によってどちらにでもつく狡猾なもの」というイメージもあります。
でも、そんなお話のもっとずーーっと前に「蝙蝠」はめでたいもの、という説がすでにあったわけです。
なんで?中国では「幸福」という言葉と「蝙蝠」という言葉が、同じ発音だから…。
今でも中国では「蝙蝠」は吉祥紋です。受けて日本も蝙蝠は決して「縁起の悪い柄」ではありません。
「発音」にこだわる上、偶数好きの中国人は「8」が大好きだそうです。
これはよく中国に出張する人から聞いたのですが、有名なホテルの電話番号には、必ず「8」が入ってると。
これは「8」の発音が「発」と同じで、「発」は「発財」などお金が儲かるという意味があるのだそうです。
つまり「お客がたくさん来る」というイメージにつながるのでしょうね。
で、日本人はというと…「8」は「八」のほうで、これは「末広がり」の形だから…。
日本人は、発音のほかに字の形にもこだわる?
「4」は「シ」で「死」、「9」は「ク」で「苦」だから…。9って陽の数字で、めでたいんでないの?…
ははは、中国も日本も「どっちがいいのよ、ほんとは」…つまり、そんなもんなんです。
数字にも漢字にも長い歴史があります。
そして日本には一応文化としては、弥生時代あたりからだと2000年、
中国は倍の4000年の長い歴史があります。その長い年月のうちに、誰が支配したか、どこが支配されたか、
その支配された時期は、社会はどんな状況だったか、みんなどんな暮らしをしていたか、
そのときの宗教は?思想教育は?経済状況は?そういうイロイロなことが絡み合ったり、解けたり、また結んだり…
そんなことで「奇数がいい」「偶数がいい」と、ずっと同じように続かなくなったわけですね。
今の日本でも、年代が進むにつれて、そういうことを「気にしない」人たちも増えているかと思うのですが…。
たとえば日本の食器は、ほとんどが「5客そろえ」、洋食器は「6客」が普通です。
コップや湯飲みなど箱に入れるとき、日本の湯のみって縦か横に5個並んだ細長い箱だったりしませんか?
コップは立てて3個ずつ2列…の箱ってのが多いです。実は梱包材や箱の形まで変わってくるんですね。
それでもそれに慣れていると、もう今更和食器も6個ってのになかなかなりません。たまに見かけますが…。
それが「世間の慣習」というものなんですねぇ。
それで困ること…たぶん皆さんご経験がおありになると思います。「ご祝儀・不祝儀」の中身。
どうしても奇数になりませんか?3千円、5千円、もしくは1万円、3万円、5万円。
まぁ2万円と言うのは、付き合いの状況でアリですが、4千、4万、9千、9万は、
やはり「死」「苦」で嫌がられるそうです。まあ変に半端と言う感じがしますから出さないでしょうけれど、
実際、相手によってお香典が「3千円じゃちょっとなんだけど、その上っていうと5千円なんだよねぇ」
なんてご近所づきあいがあったりして、困ったりしたことありませんか?
最近は「金額はたとえば2万でも、1万円と5千円札2枚、にすれば枚数が3枚で奇数になる」という
裏技みたいなこともいわれているようですが、受け取ったほうは受付で広げてみるわけではありませんからねぇ。
いちいち「この2万は1万円札と5千円札2枚で奇数にして入れました」なんてメモ付けなきゃならない?
昔からの言い習わしでさえ、年月がたてば変わってしまうものもたくさんあるわけです。
それでも、当分の間日本人はやっぱり「4、9」にはちょっと抵抗を感じ、
中国ではきっと「8」のつく電話番号を大事にしていくのでしょう。
変わらば変われ…大切なことは、それにどんな思いや願いをかけるか…です。
今日は宝船の柄のお話しも書くつもりでしたが、長くなりましたので…(いつものことやんか…)
とりあえず、見るからにめでたい「宝船じゅばん」…半天じゃもったいないかなぁ。
再起の襦袢はいい色柄がなかなかありませんね。
昔の着物で作るのもまたいいですよ。
宝船の積荷については、今日書きました。
櫛の歯が折れると、母は「身代わりだ」といってました。
いいほうに考えたいですねぇ。
会社とかだと、ワリと揃えるとかお返しナシとか、悩まなくてすみますね。
ご近所さんは、悩みますわー。
そうなんです。茶色系にも黒系にも合わないし、
かといって白とか薄い色では、地色が表にうつりそうだし。
難しいいろですねぇ。
「つ」が取れる、「つ離れ」なんていうそうですね。今はひとつふたつともかぞえなくて、
本や人まで「一コ、二コ」って言う人がいて驚きます。
本当は下着じゃなくて、重ね着…なんだけど、
今はどうしても下着感覚ですねぇ。
あのボケた色、なんとかなりませんかね。
そうそうパァ…であってると思いますよ。
うひひですねぇ。
お気に召しましたか。実物はとてもツヤがあつて、きれいですよ。
表に着たいです。
櫛は、母も「ほんとはもらうのもよくない」って言いましたね。
宝船、ほんっとどこを漂流してるんだか…なんてとき、ありますねぇ。
しっかり停泊してほしいものです。
宝船柄は、題材が決まりきっているので、
「いい絵」を探すのがなかなかですね。
これは色がとてもよくて…ツヤもいいんです。
私もご近所さんのときは、悩みます。
お隣さんと相談して同じにしたり…。
母のとき、ご近所さんが3人連名で5000円ってのがあって
こちらはお返しに悩みましたわ。
和柄は、いろんな意味を持っていたりするのが、
また楽しいですね。
けっこう大胆柄も多いし、日本人のセンスって、
昔のほうがすごいと思います。
私も下戸、というよりアレルギーで、飲むとブツブツが出ます。
昔、新入社員歓迎会で、どうしても飲まなきゃ…になり、
ぼりぼりかきながら飲みました。
コップ半分のビールでしたが、三日間体中まっかでしたよ。
もってのほか、おいしいと言いますねぇ。二つ食べて降参しましたー!
地味な紬の着物が多い私は
少しずつ 派手目の長襦袢を仕立てて貰う様にしましたが
柄か色のどちらかになってしまい
この様な 柄も色も良いという物はなかなか見つかりません
波間に鶴亀
宝船には 七福神が乗っていず
現物?
打ち出の小槌と宝袋? ・・・???
櫛が折れると 不運に見舞われると言われ
京都土産に貰った黄楊の櫛の歯が折れて その後別れが・・・
でも 今となっては それが不幸かどうかは判らない
会社で皆から徴収してまとめてお渡しする時は
お返しなしでという事で 3千円 包んでいましたが
徴収した金額が綺麗な数字にならない時は
2千円だったり 4千円だったりしました。
お付き合いの無いご近所さんでも 参列するとなると
香典は5千円
好きな数字は 奇数の方が多いかな。
合わせにくいのは本当に残念ですね。
十をつなしと読むのは初めて知りました。
よく子供が9歳まではここのつなどと「つ」が
付きますが、十歳になると丈夫になると言われ
るのもそういうところからなんでしょうか。
昨今の薄色の長襦袢って、なんだか下着感覚でつまらないと思うんです。
あ・・・もしかして中国語の八の発音って・・・「パー」・・・
などと横道にそれて笑ってしまいました。
うひひひひ
いきなり胸のド真ん中をぶち抜く素敵な襦袢!!!
とんぼさんのコレクションにはいつもため息がこぼれます。
以前、米国の学者が、「4を死につながる読みと感じている民族は、それを知らない人よりも多く4に係る日に亡くなっている」という統計結果を発表していましたが…。真実や如何に。
よく、落ちてる櫛は絶対に拾うな・と言われました。もとの持ち主の苦と死を拾うから・って。
ああ…。宝船は一体どの辺を漂っているのでしょう…。こっちに来てほしい!
宝船は良く見かける柄ですがいいなあと思えるものは結構少ないように思います。
これは素敵ですね。
数字のお話は面白く読ませていただきました。
ホント、一番困るのは「ご祝儀、不祝儀の中身」ですね。
「うーんどうすべきか」と悩むこと多々ありです。
宝の一つ一つ、波、鶴と亀、身につける人の幸せを願って (^_^)v
中国で蝙蝠が幸福と・・とは、初めて知った時から、不思議でなりません。
コウモリにしてみれば、ドラキュラに結び付けられるより、喜ばしいこと?
もってのほか、大好きです!!お酒、全くだめです。アルコールゼロのビール味は大好き!
来年、このページを枕の下に、いい初夢を (^_^)v