
見た目はねぇ…涼しそうですよねぇ…。
更年期以来、ますます夏に弱くなりましたから、着るときは気合入れなきゃならない私ですが、
こういう柄を見ると「涼しげ」だよなあ…と思うのです。
以前呉服屋さんが、秋草だったかの絽の着物を「こういうの涼しそうでしょう」というので、
「着るほうは暑いわよ」といったら「とんぼさん、夏の着物は人に涼しさをお届けする気で着るのよ」…。
いいですアタシ…お届けされるほうで。
そりゃぁねぇ、ひとさまが絽の着物だったり、紗あわせだったりすると「あぁ涼しげでいいなぁ」なんて、
思いますけどね…。自分の暑さは、お届けも分け分けも、できませんからねぇ。
で、写真のものですが、女物のじゅばんです。柄から行くと男物ではないかと思ったのですが、
とても丁寧なつくりです。
柄は海辺の街道をゆく、旅のご一行様。お荷物いっぱい持って…避暑かしらん?
おんまさんの顔もりりしく、家人を振り返る女性は微笑んでいます。
このころは海水浴なんてぇことは、当然ありませんから、昼間は潮風に吹かれて波の音を聞いて、
夜は水平線に上る月を眺めて…歌のひとつも詠んだのでしょう。
海辺の風景はこんな感じ。色使いがいいですね。
地の部分は少し汚れていますがごく薄いグレーです。
ちょうど背中の揚げ部分から下はすべて細かい松皮菱。
こんな色なのであまり目立たないのですが、残念ながらシミがあちこちに…汗ジミですねぇどうも。
まぁ柄でつい買ってしまったので、とりあえず洗うつもりですが…。
これ実際着てたわけですよね。必ず透けますからねぇ。着物の下にこれが見えるわけですね。
でも「透けること」を前提として、着ていたのだと思います。
無地の絽とか紗がすぐ出るところになかったので、手っ取り早くぱっと出せた半襟で代用…。
これは麻なんですが、こんな感じに透けます。
元々「じゅばん」は「下着肌着」ではありません。位置づけとしては「中着」だと思っています。
下着肌着は、ちらりとも見せないのが原則ですが、じゅばんは見えてもOKのもの。
つまり、この上に無地の紗とか絽を着たら、涼しげなこの柄が、背中から両袖に透けて見えるわけで。
大胆ステキ…だと思います。それならそれで私着ますけどね、
その前に暑いのがイヤなんだってば…なわけです。
ついでのことに、先日「紗」についてのお話がありまして。
「紗あわせ」と「二重紗」が、どうもごっちゃになってます。
ちと見ましたら「呉服屋さん」が間違ってる、驚いたーです。
「紗あわせ」は、紗と紗、紗と絽など、二枚の生地を合わせた状態で単衣着物に仕立てたもの。
「二重紗」は、「織る技術」で作られた紗で、表地になるほうと裏になるほうを、糸をうまく合わせながら
織り上げるもので、表地と裏地で色柄が違い、しかも1枚の布であるもの。
二重になっていても、生地が二枚ではありません。たいへん凝ったものですから当然お高いのですが、
元々紗は織りの着物ですから、高くてもオシャレ着、原則としてフォーマルには使われないのが普通です。
大島紬みたいなものですね。
というわけで。透けて「涼しげ」に見える着物のお話し、私は実際に涼しい「あっぱっぱ」で夏を越すっ!
今日なんか、雲が…ひとっつもありません。車のボンネットでゼッタイ卵焼きができる…。
こういう日は、これを部屋の中で広げて「涼しそうだぁ、涼しそうだぁ」と、
お題目のように唱えて、夕暮れを待つのであります。
もぉ、あくまでも見る方のためのじゅばん…ですねぇ。
で、誰が着てたかなんて覚えてもらえなかったりする…。
昔は暑さも違ったかもですが、ほんとに脱ぐよりなかったんですよね。
肉布団…脱げないのがつらい…。
おかえりなさいまし。
いやー、ほしいというだけならねぇ…いくらでもホシヒ…
着る機会というのは、ほんと、生活環境によりますよね。
私も麻一辺倒になるかしらん。
一応、親の絽の着物もあるけれど…柄も覚えてませんがな。
私は「有償ボランティア」でもいやですーー。
しかし、見ているほうだと、ほんとにいいものだなぁとおもいますねぇ。
紗あわせ、芸者さんが…というお話の確証はありませんが、
そういわれると納得ですね。
昔は、ほんとに「単衣」と「盛夏モノ」の間のほんの10日、
つまり全部合わせても3週間くらいの間のもの、とされていたようです。
元々がゼータク着物なんですよね。今はもう衣替えもお好みで、
ずれてきていますから、もう少し長く着られるでしょうが、それでも真夏中着られるわけではなし。
やっぱりお金持ちの道楽着物…といわれてしまいますねぇ。
決まりごとみたいなものは、慣れてしまえば…なのですが、始めたばかり厄介かもですね。
麻はほんとに夏はありがたいです。
その麻さえ着たくないこの暑さで、毎日Tシャツを二枚三枚と着替えています。
寸法の書き違い、せっかくの訂正ですのでそのまま残しますね。
短い着物は、着づらいものですが、夏場のこと、よりカジュアルに、
楽しんでお召しください。
おもしろい柄ですよね。若い人が真っ赤な帯…でも
いいんじゃないかと思います。
それにしても、この暑さでは、ほんとに浴衣さえはしょりたい…。
熱帯夜も続くと「ここはほんとに日本か」と思いますわ。
素敵です。
この暑さは着物の想定外でしょう!
暫く前にこちらでイザベラバードの事を教えていただいて早速読みました。
江戸時代の色濃く残る日本を垣間見て本当に興味深かったのですが、つまるところ働く庶民は暑い時は半裸状態だったのだと実感。
暑い時は脱ぐしかないのだあと思いました(笑い)。
夏は自分で洗える 麻の着物と麻の襦袢で 決まり
麻の襦袢は麻の半襟を付けたまま 洗濯機へ放りこみ
物干し竿に袖を通して パンパン叩いて 乾かします。
帯を結んでいる時だけが暑いだけで あとは大丈夫です。
でも 麻では ハレの場 へは行けない
ハレの場 へ 行き機会も無いから 良いけれど
絽の小紋の他に 付け下げとか訪問着も必要かしら
でも はたしてこの先 行く機会があるかしら?
(単に欲しいだけ
着るもので一番の贅沢は紗合わせ、無双の着物だと思います。
紗の下から下の着物の色や柄が透けて見えるのは涼しげ乍ら無茶に趣と豪華さを感じます。
江戸の芸妓さんが絽を着る一週間前だけに着るものとして考案したと聞いていますが、本当でしょうか?
江戸の芸妓さんらしい「粋」ですね。
さて、普段着そのものの麻の着物、着丈140U+339Dを入手しました。おはしょりするのは無理があるので、それらしく、着てみようと工夫しています。麻は涼しいです、確かに。でも帯には泣かされます。工夫工夫、Yes we can!!??
涼しげで着て見たいと思いながらも我に
帰り暑いから無理だわと・・・
涼しくなるのをひたすら待つしかありませんね。