もちろんほかにも好きな小紋柄はあるのですが、こういうのを見るとふらふらぁ~っと…。
まぁ古着ですので何千円…の買い物ですが、これしつけ糸のかかったまだ比較的新しいもの。
えぇわかっておりますですよ、あたくしにはちと若すぎ…でございます。
こういうのは「羽織」にするといいのですよ。帯は30羽織は20、若いものを使うのが、年取ってからの楽しみです。
まず、この柄ですが、茶屋辻、御所解きの感じも含む柄ではありますが、
自然の風物より建物が多く、人物もいますから、この場合はやはり「「京紅型風・街道柄」…でしょうねぇ。
茶屋辻、御所解きの説明はややこしいので、先にこの着物の柄をお見せしましょう。
私はこの街道とか町の通りの柄がすきなんです。それも俯瞰でみたもの。
こういう柄の場合、柄の区切りとして使われるのは「雲取り」が多いのですが、これは雲はほんのちょびっとで、
柄の境にはたくさんの植物が入っています。だから余計に華やかさがあるんですね。
お寺の鐘撞堂もあれば…
民家や商家もあれば…
あ・・庭掃除してる。
おんまに乗ってたり、
立ち話してたり…
植物は、椿、、松、竹、紅葉、あららなんか実もなってますよ。
こういうのを見ていると、ほんとに楽しくなっちゃうんです。単純なんですわ。
こういう小紋は、手にとって見るのと着てみたのとでは、感じが違います。
お福ちゃんに着てもらいました。
地色が紺だからと油断すると…かなり白っぽくなるでしょう?以外に明るい目の着物なんですよ。
着物ではちと若いですが、羽織にしたつもりでやってみると…これなら私の年でもいける…着物のフシギですねぇ。
長着からの繰り回しになりますから、衿の後ろに縫い目は入りますが、こんな色柄ですから目立たないでしょう。
では茶屋辻と御所解き…いやこれがまたややこしいのですが…。
まず茶屋というのは染の名前とされていまして、江戸の初期のことですが、
元々「辻」というのが「麻」のこと、これ最近知りました。
てっきり「辻」つまり、その辺りの道と言いますか、そういう風景のことだと思っていました。
茶屋染めという染物は、最初は夏物、つまり水の流れに草花、海岸に網干など。
やがて範囲が広がり、 花の種類が増えたり几帳や御所車、屋敷、庭の垣などが加わり、
袷の着物にも使われる柄になりました。
いずれも平安王朝の物語や能、狂言などを連想させるような自然の風景…上品な柄が好まれ…というより、
教養がないとわからない柄。先日の「留守模様」もそうですね。それで格式のある家の女性が来たわけです。
幕府は女性の衣服の柄まで決めていた時期もあったので、これで競ったんですね。
アタマよくないと勤まらなかった…わけですわ。
更に「御所解き」ですが、元々からそう呼ばれる柄があったわけではありません。
そう呼ばれるようになったのは明治に入ってから。
幕末から維新、と日本が大きく動き、それまで人質として江戸に留め置かれた身分の高い大名の奥方や姫様たちに、
領地に帰るようにと幕命が下り、また、江戸に元からいた武家は瓦解(「明治維新」のこと)により
あっというまに生活困窮状態となりました。
どうなったか…まず今まで大名や武家がお得意さんだった呉服屋さんが困ったんですね。
そこで在庫抱えるよりは、と「在庫一層セール」…をやったかどうかはわかりませんが、手持ちを売り出したり、
また困窮した武家が質屋などに持ち込んだ着物が流れ出したりで、それまで着ることのできなかった「上品な柄」が、
庶民に流れたわけです。武家の好みを「お屋敷風」、公家の好みを「御所風」と言いましたが、
やがて、とにかくこういう上品な柄を御所解き、というようになったわけです。
また一説には、そうやって外に出た着物は、そのままで売るより表地、裏地、袷なら中に入っている薄綿やふき綿と、
解いて分けて売ったほうがよく売れたそうで、それで「御所解き」と呼ばれたとも言われています。
江戸解きという言葉もあるのですが、江戸だから東京、御所解きだから京都、というわけではありません。
いずれにしても、庶民の柄ではありえなかったものが表に出て、誰もが着られる柄になったのですね。
でも、なにしろ元が元、そう、いつもいう「出自」ということですね。
「そういう生まれの柄」でありましたから、今に至るも上品さがウリで、
訪問着から小紋まで、格調高い柄、といわれるわけです。
この着物は先にも書きましたが「御所解き」というにはちょっと柄が違います。あくまで「~風」ですね。
それでも一枚持っていると重宝な柄なんですが、最近はこういう感じの小紋をあまりみません。
色柄によっては、銀座にお買い物から、お正月の晴れ着まで、着分けることのできる着物なんですけどねぇ。
「なんで今は…」が出ちゃいました。
御所解、勉強になりました。
建物の色の方が目立ちますね。
近くで見るのと離れて見るのとでの違いがよく
分かりますね。
羽織いい感じになりますね~。
羽織にするなら・・・
うーーん
裏を替えれば いけますかねぇ・・・
うーーん
雲取りが赤じゃなければねぇ・・・
なんて 相変わらず赤が苦手です
こうやって自分で折角の機会を狭めて行くのですね
インプット!!!
控えめな雲取りの赤が効いていて、帯の色が華やかに馴染んで見えます。
あーーーこれ、このまんま着られる年齢に着物に興味持ったら良かったのにいぃぃ(悔)
表立ってのお勉強じゃないんですけど、着物の柄についての名称をいろいろ覚えてる最中で、茶屋辻だなって思いましたけど、辻とはそーゆー事だったんですね、聞いてみないと解らないなぁ。
名前の語源を調べてみるのも面白いかもしれないと今思ってます。
でさ、羽織の紐って結び方が解らないの、普通にリボン結びでいーの????
因みに道行が一枚あるきりなんですけど、これがちとサイズが大きめで、フロントがしっくりしないのです。
羽織......探してみようかしら。(#^.^#)
効かせ色…の使い方がうまいですね。
八掛や帯で、長く着られる小紋だと思います。
建物メインの色目なりますよね。
羽織ならいけるだろうと、お安く入手。
着物ってほんとに不思議です。
赤は私も苦手ですが、渋いつむぎに渋い帯の時に、
帯締めなどを赤にする…それと同じです。
この羽織の時は、着物も帯も小物もじみーにします。
挿し色、とおもってチャレンジしてみてください。
帯は30…というのは、母が言っていたことなんですが、
30年若い帯を締めても、着物が渋ければ、小物がうまく使えていれば、
いけるんだよ…ですね。コーデの工夫をせよ、ということです。
日本の着物の柄の名前には、本当にいろんな意味を含むものがあります。
ただの「縞」「波」ではなく、どんな縞、どんな波…と、
言葉遊びのようにおもしろいものです。
羽織のひも結びですが、過去の「帯締めの結び方」の記事の下の方に、
まちがって結んでたのが羽織ひもの結び方だった…という部分があります。
http://blog.goo.ne.jp/tombo624/e/6aa8a3184ee3bc47cf84a10b8e593c4b
読んでみてください。
それと「リボン結び」というのがちとわからないのですが…。
長いものでしたら、今様です。昔の女物羽織紐は、長いものがありません。
だから結びきりの結び方です。
今の長いものなら、ちょうちょ結びのようにしたりでいいのではないかと思いますが。
静岡や愛知の友人に「お母さんから着物を借りてきて」というとこういう風景柄の小紋を借りてくることが多いです。
水流や柵で場面が区切ってあったりして茶屋辻風なのに色は華やかで柄も盛りだくさん!中部地方の地域性などの背景も含め、いつも気になっています。
同じような総柄の小紋でも実家近く(関西)だと御所解きやはんなりした色の花柄などになろうと思います。
こういう小紋は、こまごま見ると、おおげさにいうと
「暮らしが見えてくる」みたいなところがあって、
とてもすきなんです。
最近はなかなかないので、なんでこういう柄を
染めてくれないかなーと思っています。