楽しく着ましょったって、着慣れた洋服のようにはいかないのよっ!
はい、すみません。着慣れていない方にはそうですよね。
だからといって、とんぼは、着付けについては「とんぼ流」ですから、
こうやって着るのですっ・・とえらそうにいえません。
とりあえず自分のやっていることから、いろいろ考えて見ましょう。
まずは着物姿の「土台作り」・・だからねとんぼっち、
もーちっと言い方はないのかや・・すみません「下ごしらえ」・・そりゃ料理、
えっと、早い話が着ちゃったら見えないとこのお話です。
まずは「衿を抜く」ということ。その見え方をきれいにするには
やっぱり下ごしらえ、じゃなかった下準備が大事。
上の写真は、1957年、昭和32年の本からです。
右はすぐにおわかりの方も多いでしょう。女優「木暮実千代」さん、
左は「地唄舞」の第一人者「武原はん」さんです。
このときで木暮さんは39歳、はんさんは54歳です。
すでにお二人とも鬼籍に入られてしまいました。
お二人の衿の抜き加減や打ち合わせ方、かなり違いますね。
着物の種類、柄行、本人のもつ雰囲気などにあわせてあるわけです。
「衿の抜き加減」というのは、着物の種類(格)や、本人のイメージ、
年齢などによって、いろいろ変わります。当然、衿元、というものも同じです。
おおざっぱにいうと、格の高い着物を着るときは多めに衿を抜きます。
その最たるものが「花嫁さん」、肩甲骨みえそうなほど抜きますね。
ま、あれは「髪型」にもよるわけですが、留袖や訪問着などは、
ふだんより多めに抜くわけです。また衿元は、若いほど「つめ気味に」、
というのが基本です。つめて着るとどうしても半衿の見える分量も狭くなりますが
あんまり細くて、よく見えないのも貧弱なものです。
少し昔は、半衿の分量ももっと出していました。年齢によっての差はありましたが
それでもいまよりずっと多く出しています。江戸時代などは、今よりもっと
ゆるゆるに着ていましたから、くしゃっとしようが後ろの衿から出ていようが
かまわずたーっぷりとだしていたわけで・・・。
私もできれば浮世絵並みに着たいのですが、誤解される場合がありますので
もう少し狭めて着てます。それでも衿はけっこう抜くほうだし、衿元はゆるいめ、
半衿は出すほうです。なにしろ丸顔で首が短く、おまけにオデコせまくて
アップにゆっても「粋」じゃないんですねぇ。(あたしって着物むいてない?)
着物は全てVネックですから、そのVを形かえて、自分にあった「衿元」を
するのがいいわけで、そのときに、守る基本のルールが「格が上ほど衿は抜き」、
「若い人は衿元をつめる」というようななわけですね。
最近の襦袢は縫ってもらうと、最初から衿の真後ろ、背縫いのところに、
幅が8センチくらいの長い布がたらしてつけてあります。
これは、着物をきたあと、この布を下からひっぱると、
襦袢の半衿が下に引かれて、着物の衿より上に出ないようにできる・・、
ということを考えてつけられているわけです。
母などは、普段の襦袢は手ぬぐいを切ったもの、留袖用などは白いさらしの布で、
これを作って自分でつけていました。そうするものだと思って
私もずっとつけてますが、それが最近は仕立て屋さんがつけてくれるわけ。
ただ、これはついているだけなので、時間がたつとあがってくる・・、
そんな場合はトイレへ行って、これをひっぱって直すわけです。
先日手を抜いて「うそつき」をひとつ買いました。
母に言ったら「うそつきくらい自分で作れ」と叱られますのでナイショ。
その「うそつき」の後ろ衿にも「布」がついていましたが、
これはとくに「段つき」でした。イラストです。
これ、使ってみました。とりあえず普段着ですから一番下の部分に紐を通し、
それを前で結んだのですが、ちょっと衿の抜き加減がとんぼ的には物足りない・・
で、真ん中にしてみましたがえりの抜き加減はいいのだれど、
紐位置がちょっと上になって落ち着かない・・。
結局こういうものは「自分の位置」というものを決めて、
私はここ、というところに新しく「通し穴」を決めたほうがいいですね。
それと私はいろいろ紐を締めるのがあまり好きではないので、
単純にこれ便利ぃーと使う気になれないというのが、本心。
最初にきちんと襦袢を着付ければ、後ろ衿がずずーっと出てくるというのは
そんなにあることではありません。
私は訪問着など着たときだけ、衿下からたらした布を、襦袢の紐に
一回くぐらせておきます。やたらとトイレにいけない場合があるからです。
こういうことを言うと、着付け教室の先生に叱られるかもしれませんが、
元々着物は「着崩れる」ものだと、私は思っています。
洋服のように体の形に合わせて作られてはいない、四角くて大きな布を
あれこれつまんだり押し込んだり。いろいろやって着付けているのです。
動けば、押し込んだところはででくるし、合わせ目は緩みます。
それをいかに少なくするか、出にくく、緩みにくく、ズレにくく、
これはもう一人一人、体型は違うし、着る着物の素材によっても違うし、
着て慣れるよりありません。その基本的なコツのようなものだけは習って
あとは応用です。美容院できれーに着付けてもらったまんまいたいと思ったら、
立ったまま「マネキン」のように台に乗って運んでもらうよりありません。
着付けの上手な人というのは、まず自分の体や雰囲気に合うように自然に、
次にくずれにくく着付けていて、あとは「ちょっとした修正」が上手なのです。
私はいつも衿元・・胸が貧弱なのと好みでどうしても衿元を浅めにあわせるので、
そこが一番崩れやすいのです。それに加えて「自前の補正」つまり「お肉」が
多くなり、身幅がギリギリになってきたので、少し油断して着付けると、
すわったあと「前下」が乱れます。やっぱダイエット・・しよ。
着崩れないコツというのは、体型が違えばまた違うわけですから、
ひとりひとりのポイントも、また違うと思いますが、全体的にいえば、
とにかく「襦袢」をきっちり着ること、です。
着物の着方より、襦袢をきれいに着ることのほうが大事、というかたもいます。
身にあったものを、
自分の体型、顔立ち、雰囲気に合わせて、
じゅばんをきっちり着て、着物を着る。
結局は「自分を知ること」になるわけですね。
大丈夫、洋服はずっと着てるから、自然と「こういう衿似合わない」とか、
「この上着は身頃はゆったりだけど袖付けがきついからつれる」とか、
そういうことはすぐにわかりますでしょう。着物も同じです。
何回も着ていると、こんなふうに来たほうが、私の顔立ちには似合う、とか
いつもここがこうなる、とかわかってきます。そこを自分の着付け着崩れの
ポイントにすればいいんです。
「こうでなきゃ」部分と「こうでもいいのよ」部分のバランス、
これは「慣れ」、もうそれしかありません。
ひとつ着崩れをするたびに、自分のウィークポイントがわかったと思って
喜んでください。楽しく着ましょう。着物なんて着崩れて当たり前のものっ!
着た後は、動作に気をつける。 例えば、
腕を肩から上には上げないとか、
足の運びは、着物の幅以下にするとか、
後ろを振り返る時は、身体を向けるようにし、
決して、上体をねじらないようにするとか、、、
まあ、自分で納得しながら、着る生しかないですよね♪
知らん事ばっかしだし・・・
そう云えば着物って成人式と結婚式でしか着た事が無いかも・・・子供が二人剣道しているもので小学生の頃、袴を履かせるのに苦労したしねぇ・・・懐かしい・・・
先走ってませんよぉ。動作については、
結局そーゆーこと。よくやっちゃうのが
「振り向き」ですね。つい首だけ、上半身だけ、で
振りむいてしまう、これも慣れですねぇ。
ありますー。マンガのように数が出ていないので、
探すのもタイヘンだし、一冊が高いです。
着物は、知るとおもしろい世界です。
ひきずりこんじゃえ~~!?
おいちゃん着物きたら、逆に「古本屋の店主」だわ!
てなわけで、お茶の稽古、着物着慣れているのですが、思わぬ伏兵、膝痛!我慢できず、かつこのまま正座できずにお茶をできなくなったらどうしよう、正座用の座椅子持参、座高が高くなって、膝は多少楽なのですが、前袷ぐちゃぐちゃになるんです。
ほんと伏兵がいるもの、以後、こんなときには・・・の工夫を今模索中です。
お若い方には、思いもよらぬことでしょうが・・・
おいちゃんが着物着るとヤ○ザのおっさんみたいでして・・・汗
そうそう、おいちゃんに様は要らないかんねぇ・・・ぺこり
膝痛、困り者ですよね。正座用の座椅子は
洋服にはいいですが、着物となると・・・。
実は私も、縫い物をするのに正座することが
あるのですが、最近ちょっとヒザの古傷が
いたむことがあるんです。立ち上がるときに。
体重のモンダイもあるかとおもうんですが?!
で、これを見つけまして、買おうと思ってますが
着物きたときのことまで考えてませんで・・。
http://www.seizaclub.com/seizaisu.html
こればっかりは使ってみないとわかりませんね。
おいちゃん
ぜーひ、拝見したいものです。
だいじょぶ、本に埋もれてれば・・
あっあっち系の本は、やめときましょうね。
あくまで「手塚・石森・水木」大先生のを。
着姿や挙措動作をきれいにしようと思ったら、身体を正しく?動かすことに行きつくのかも。
今日、拙ブログで記事を書き終えて、こちらにお邪魔したら、土台、下ごしらえ、、、とあったので、最初にコメントしようかしら、いやいや、宣伝っぽいので、やめとこと、今、改めて、書いてまーす。
持ち運びに良さそうですが、良いお値段ですね。
私は自前のものをたくさん作りました。
http://umacco.at.infoseek.co.jp/seizaisu/seizaisu1.htm
着物の場合は正座椅子が目立たなくていいです。
いやほんとに、着崩れて当然です。着物は二次元、体は3次元ですしね。着物きたからといって、お行儀が突然よくなるわけもなく、どこか崩れてきます。自分では意識してないけど、しょっちゅうあっち引っ張ったり、こっち引っ張ったりして、何かしら直してます。お化粧と同じで下地である襦袢が大事、ウンウンとうなずいてしまいました。調子の悪い日は襦袢を着る時からしてどうもリズムが合いません。そういう時は、とにかく楽しいことを考えるようにして。楽で楽しいが一番ですネ。
そうなんですよね。しばらく着ないで、
久しぶりで着ると「腰」が痛い・・
いかに日ごろ、姿勢が悪いか・・です。
腕をいきなりあげないとか、落ちたものを拾うとき
ヒザからちゃんとしゃがんですわるとか、
考えると、腰のためとか体のためとか、
よく言われる動作が、着物着たときの動作に
通じるものが多いですね。なんば歩きも、
体をひねらない分、腰に負担がないのかも・・。
わたしゃファッションショーを見ると、
あの「キャットウォーク」というやつは、
体にわるいんじゃないかと思っとります。
うまこ様
私、牛乳パックでイスを作りまして、
玄関に置いたら(うちの玄関は、息子が車イスなので
段差があまりないんです)母がきたとき、座って靴を
はくのにちょうどいいです。パックさまさまですね。
百福様
ようこそおいでくださいました。
いつから「きちんときちんと」って、そればっかり
言うようになっちゃったんでしょうねぇ。
はじめて着る着物が振袖で、山ほど紐だの補正具だの
使われて、ぎゅうぎゅうしめられたあげく、
「高いんだから汚さないで」なんていわれたら、
「着物なんかきらい」になっちゃいますねぇ。
着るリズム、わかります。あるんですよね。
「どうしてこうなる!」と、イライラしちゃう。
楽しいことを考えながら・・いいことを教えて
いただきました。次回のいらつきには、このテを!
洋服で日々、お人さんを相手にしていまして実感しています。洋服に命を吹き込む、表情を与える、実際の値段以上に見せることができる人は、例外なく姿勢がいいですね。
着物ってなおのことと思います。動きに関する美しさも勿論ですが、ただ立ち姿だけでも違いますね。涼やかに凛とした着方ができ、しかもそのかたの個性がにじむ着方、なかなか難しい。目指したんですけどね・・・。
和装・洋装に限らず、服に「着られている」人っていますね。自分のものになってない。自信を持つということなんでしょうが・・。むずかしいですね。
私は一度着崩れより苦しさに耐えられずに
特急電車の中でどの紐がきついのか解らず
身八つ口から手を入れて順番に抜き取り
ました。幸いにも冬で道行コートを着て
いたのと乗客が少なかって助かりましたが
それ以後紐はゆるめに締めるようにしています。
それと腰紐は幅広のほうがいいように思います。
私もありました。
電車に乗っててどうやっても苦しい。
ちゃんと息も吸い込めるのに、なぜか息がとまりそう
たおれるんじゃないかと不安に駆られて、
途中下車してトイレにとびこみました。
そのころはやせていたので「補正」のしすぎ・・。
今は補正もいりませんが、とにかくしめつけない、
それが一番ですね。
先日、江戸時代の女性文化の特別展を博物館で見学して参りました。着物の着装については、絵画の帯結びの形状から、窺い知ることができました。江戸初期の帯は今の半幅帯より細いものも多いようで、前結び、後結びといろいろでした。それと、帯の位置がウエストというより腰骨のあたりに見えます。当然ながら、胸元はかなりはだけた感じなのですが、町民や農民の服装は、前がはだけてても平気という感じです。ずいぶんと楽そうな、江戸初期の着物の着装でした。