ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

小紋ですが

2009-09-25 18:56:49 | 着物・古布
パッとみたところ、ジミ目な色合いですね。


どっちもいける、便利な色柄です。
帯や小物、八掛で、20代から50くらいまでいけちゃうと思います。
私でも着られますね。近くで見ると、こんな柄です。
斜めの縞は菊、一重の菊と八重の菊とで、縞になっています。
こういう意匠は、遠目と近目でずいぶん印象がちがいますね。
花はたくさんありますし、ところどころに赤もはいっているのですが、
多目の葉とその色のシブさで、赤を落ち着けているように思います。


    


菊の部分のアップです。陰影の使い方がうまいなぁと思うのですが…。


    


八掛がジミなので、たぶん中年の方がお召しになっていたのだと思いますが、
ちょっと帯揚げ帯締めを赤くして、少し若い人向きにしてみました。


さて、今日は知り合いの呉服屋さんが展示会のパンフを届けてくれました。
以前は扱わなかったポリ着物も出すというので、今風だねぇというお話しから
「真ん中ランクの商品がねぇ」ということに…。
つまり買う人もいないわけなんですが、
着物を買うといえば「振袖・留袖・訪問着」などの高価なものか、
浴衣やポリのような安価なものかの両極端が売れて、
普段の街着用小紋や紬が売れない…。
いまや小紋や紬は、古着ってものがありますからねぇ。
実際、日常で着物を着る場合は小紋か紬が一番応用がきくんですが、
着物は高いもの、という感覚があります。

例えば5万円の洋服、といったら庶民には高価な服ですが、
着物で5万では、本来普段着ランクです。
(それくらいの訪問着ってのもありますが、それは「それなりのもの」です)
でも洋服には「カタチ的」に長く着られない、ということがあります。
まぁブレザーのようなものは、少々古めかしくても着られますが、
オシャレ着などでは、やはり流行があります。
洋服は、それがまたいいわけで、自分に似合うものを
そのときそのときの新しい形や色柄で、選ぶ楽しさがあるわけですね。

着物はデザインは変わりませんし、色柄の流行は洋服ほどありませんし、
またあったとしても、着物ばっかりは、古いものはそれもまたいい…で、
100年前のものでも着ておかしくないという便利なものです。
つまり、5万でも長く着られれば結局高いものにはならない、のです。
ただし、メンテにかかりますから、そのへんはできるだけかからないように
かけても安くできるように、それには「身近な呉服屋さん(悉皆やさん)」と
お付き合いをするのが一番なんです。
でも敷居が高い、入ったら売りつけられそう…ってあるんですよねぇ。
無理ないと思うのですが、ぜひぜひ、アタックしてほしいと思います。
街着の紬なんて、お安いので十分です。色柄を楽しむことの方が先。
そういうことも相談にのってくれるところを、ぜひ探してください。


ところで、こちらがそのいただいたパンフからのキリトリ。
上の2枚がパンフ。スキャンしようとしてはさんでしまい、
シワつきでごめんなさいです。
下の2枚は、昭和31年の「美しいキモノ」からの抜粋。
色柄や着方のほかに、ナニが違うんでしょうか。
「立ち方、足の位置」です。



       


       


最近の写真は、やや斜めに立ってうしろの線がきれいにでるように、
「手前になる足を後ろに引く」です。
昔の、というより昭和30年代は「まっすぐたって前に出す」でしょう?
しかも胸張ってる感じしませんか?これって洋服の立ち方、撮り方ですね。

洋服に対抗して「がんばって自己主張」していたんですねぇ。
この時代は、着方もやたらと「はつらつ路線」だったり、
キッチュな感じ、モダンな感じ…と努力しているんです。
でも、結局はたいして受け入れられなかったし、
それが着物の衰退を助ける起死回生の一発にはならなかったんですねぇ。
つまり「長くあるものは長く時間をかけて作られたものなのだから、
急激な変化は合わない」んですね。
もちろん確かに、そこから掴み取ったものもあるとは思います。
でも、結局は、今着物関係の写真は、みんなこの「足を引く」タイプで
着姿の優美さやたおやかさを前面に出しています。
結局着物の魅力って、そういうことだとおもいます。
それでいて、シゴトするときはたすきかけたり、裾っぱしょりしたり、
ペンギンパンツで自転車乗ったり…楽しいですねぇ。

展示会があるのは「五十鈴」さんという呉服屋さん。
HPはこちらです。
もしお近くだったら、行ってみてください。
「市田ひろみブランドの小紋」、正絹、裏地つき、
仕立てもついて38000円、ミシンだと30000円です。
ポリだと、ひっくるめて10500円です。(ミシン仕立て)

もちろんほかにも訪問着や帯などでのお買い得もあります。
ありゃ、別に宣伝を頼まれたわけではないんですけれど、
パンフの写真をお借りしたので、せめて…。






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2 コメント

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Unknown (陽花)
2009-09-25 23:00:23
不思議な小紋ですね。
本当に遠目で見ると地味に見えるのに
近くだと若い子向きかなという感じだし・・・
こういうのって帯や小物で幅広い年齢層
着られて便利だし色々楽しめますよね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-09-26 19:09:56
陽花様
手元で見ていると、とてもかわいくて
それでも着られそうなので、
なんかうれしい柄ですね。
八掛が薄紫なので、私でももーちっと
初きりした色にしたいですねぇ。
返信する

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