昨日の「春よこい」は、私の好きな歌のひとつです。
毎年、ご近所の梅がほころび始めたころから、早々と口ずさんでしまいます。
写真は「頂き物」の帯。長々とした理由があるのですが、仕立て代だけでいただいてしまったもの。
いやぁ好きなんです、こういう柄。タイトルに「♪あめあめふれふれ」と書きましたが、
この帯の柄には桜がはいっているので、実際には「絹張の日傘」でしょうねぇ。
いかにこじつけたタイトルかって話しで、すみません。
ちりめんの染帯です。おたいこにするとこんな感じ。
傘の柄は「染疋田」、色は煤竹色ですかねぇ。
前帯は「誰袖」、衣桁ではなく、小袖をひもに通しています。つまりこれは花見の「小袖幕」ですね。
だからやっぱり傘も「日傘」。この誰袖も好きな柄です。
桜が入っていますから、ちょっと時期は限られますがこの前の縞の着物なんかにもいいかなと思っています。
疋田の部分の色の帯揚げ帯締め…と思ったら、アリマセンでした。またほしくなるぅ。
帯の話ではなく歌のほうのお話になりますが「あめあめ ふれふれ かあさんが…」ですね。
私、この歌には「挿絵」の記憶があります。何の本だったか、それは覚えていないのですが、
雨の中を着物姿の母親が高下駄を履いて、蛇の目傘を差していまして、
その横にランドセルしょった男の子が、レインコートに長靴で、黒い自分の傘を女の子にさしだしている絵です。
この歌、全部覚えていらっしゃいますか?五番まであるのですが、ワンコーラスが短いです。
「あめあめふれふれかあさんが 蛇の目でお迎えうれしいな ピチピチ・チャプチャプ・ランランラン」
二番は「かけましょかばんをかあさんの あとからゆこゆこ鐘がなる」
三番は「あらあらあの子はずぶぬれだ 柳の根方で泣いている」
四番は「かあさんボクのを貸しましょか 君々この傘 さしたまえ」
五番が「ボクならいいんだかあさんの 大きな蛇の目に入ってく」
最初に「二番の歌詞はおかしい」と思い、母に話したことも覚えています。あのときいくつくらいだったのか…。
「かけましょかばんをかあさんの、だったら、おかあさんがかばん持ってるの?かけるってどこに。
あとからゆこゆこ鐘がなるって、鐘はカーカーンとかでしょ」…。
それを聞いた母は「昔はランドセルではなく、肩からナナメ掛けする鞄が多かったんや」。
この歌、たしか大正時代の歌でした。
ゆこゆこと鐘が鳴るのではなく「鞄をかけて、かあさんのあとからゆこうゆこう 学校の鐘がなってるよ」だと。
あそーかー…だったのですが、もうひとつヘンだと思ったのは、
挿絵の男の子はどう見ても3年生か4年生か…それで「君キミ」とか「さしたまえ」って生意気だよぉ。
そのとき母がなんと言ったかは覚えていないのですが、たぶん「歌詞の都合じゃあ」くらい言われたかも。
更に「雨に降られて柳の下で泣いてるなんてアホみたい、学校で雨やむの待ってりゃいいじゃん」とも
言ったようなきがするのですが…。情緒もなんにも解さないコドモでした。
梅雨時など、たまーに我が家の前の道を、小さな傘や長靴を持って、
近くの幼稚園まで子供を迎えにいくお母さんの姿を見ることがあります。
着物に高下駄、蛇の目傘…ではないけれど、思いは今も昔もおんなじだよねぇと思いながら見送っています。
覚えていました。
5番まであったのですね。
姉妹が多いし、小学校が遠かったので
蛇の目でお迎えはありませんでした。
おしゃれないい柄、縞の着物に粋で
いいですね。
完全に抜けています
きみきみ という呼びかけや
さしたまえ という命令調の歌詞は
子供心に違和感がありましたが
昔の歌 昔の子供はこうだったのか・・・と
単純に思っていた私です
私の子供の頃の本は 童謡の本は(も) 厚紙
まぁ めくり易かったと言えば めくり易かったです。
帯も柄は大きいけれど 色合いがしっくりしていて
桜に日傘 そして前帯が誰袖とは 洒落ていますね。
最近の歌は、何回聞いても覚えられませんが、
子供のころの歌はすらすらっと出てきます。
あのころの記憶力が…ほしいです。
この帯を下さった方は、娘さんがいなくて「お嫁さん」は着物嫌い…
なので「着物を大事にしてくれるあなたに」と、いつも古着など、
下さるのです。ありがたいです。
合う着物をあれこれ考えています。
ほんとに「なまいき」な言い方ですよね。
昔は「歌の本」みたいなのがありましたね。
私もこの絵の記憶はたぶん、そういった類の本、だと思います。
大きな柄なので、ハデかなと思ったのですが、赤いところも、
錆朱みたいな色なので控えめです。春先に締めたいものです。