ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

週末は「春ぅ」~

2006-01-30 22:54:06 | 着物・古布

今日はイラスト、素材屋さん「もみじ葉の風」様からお借りしました。
かわいい鬼ですねぇ。これなら出てきてもこわくないわぁ~。

さて、「週末は春」というのは、言わずもがなの「立春」。
その前日が「節分」で、豆まきですね。
ちょっと早めにそんなお話しを・・・。

「節分」は、今では年に一度、豆まきのときだけだけとりあげられますが、
実は「立春」のほか「立夏」「立秋」「立冬」の前日も「節分」です。
もともとこの「節分」とか「立春」というのも「易学」「陰陽道」の用語。
陰暦を使っていた頃は、日付が太陽とはズレますから、
それを補うために、季節に合わせて一年を24期に分けました。
一期はだいたい15日くらいです。この分け方の「春夏秋冬」の前日が
季節の分かれ目、で「節分」なんですね。立春の前だけが特別扱いになったのは
感覚的に「厳しい冬が終わり、命の芽吹きを迎える春がきた」ということと、
旧暦の正月が、だいたいこの立春の近くに来ることから、
立春イコール新しい始まり・・と、特に重視されることになったからです。
この節分に豆をまく・・というのは、もともと平安時代に中国から伝来した
宮中の「追儺(ついな)」という儀式、これは年の暮れに邪気を祓う儀式ですが、
これと、仏教の節分の「豆打ち」の儀式が融合したものといわれています。
宮中では弓矢などで邪気を祓います。弦(つる)打ち、と言って、
宮中では邪鬼は、弓の弦を鳴らすビョーンビョーンという音が嫌いだと
信じられておりましたから「もののけじゃぁ~」なんてことになると、
いっせいにびょょ~ん・・とやっていたわけですね。
また「豆うち」というのは、豆、果実などは鬼や邪鬼を祓う力がある・・と
されていたことによります。一説には鬼は丸くて白いものが苦手・・とも。
黄泉の国へ奥さんを呼び戻しにいったイザナギノミコトが、
結局逃げ帰ることになって、この世とあの世の分かれ目「ヨモツヒラサカ」で
追ってきた鬼どもに投げつけたのも「桃」でした。

とまあそういうわけで、節分には鬼に豆をぶつけてこれからくる新しい春が、
災いのない穏やかで豊かな年の始まりとなるように・・と願ったわけです。
このほかにも「いわしのアタマも信心から」・・の語源である
「いわしの頭とヒイラギ」を家の戸口にぶら下げる・・という習慣も
まだやっておられるお宅もあることでしょう。元々は、家の中でいわしを焼き、
煙と匂いを充満させるのが本当のようです。強いにおいとか煙も鬼の嫌いなもの、
なんだそうで。そういえばドラキュラはニンニクが嫌いでしたねぇ。

週末には「春」ですが、実際にはまだまだこれからが寒さ本番です。
ついでのことに「寒」のこともお話しましょう。
「寒中見舞い」を出す場合、もう寒いからと年末などに出してはハズレです。
「寒の入り」という言葉は「小寒」のこと、、今年は1月5日でした。
「寒」はここからで、15日後の20日が「大寒」、そして15日後が
「立春」です。寒中見舞いはこの「寒」の間に出します。
暑中見舞いは立秋、今年は8月8日ですがこれをすぎると「残暑見舞い」です。
この「小寒」「大寒」「立春」、あとはよく耳にするものでは「夏至」「冬至」
「春分」「秋分」、春になると天気予報でよく使われる「啓蟄(けいちつ)」
これらは「二十四節気」といって、最初に書いた24に分けられた区分の
ひとつずつの名前です。節分は、24個の区分のほかに、
季節の推移にあわせて補助・補足的に作られた「雑節」に入ります。
入梅、二百十日、土用、彼岸・・なども雑節。ちなみに「土用」は現在では、
夏の土用、うなぎ食べる日・・しかいわれませんが、実際には「立春」「立夏」
「立秋」「立冬」、それぞれの前18日間くらいをさします。

節分から、だいぶハナシがひろがってしまいました。
暦というのは、今は特別知らなくても、困ることはない方が多いですが、
日本人の暮らしにしっかり根付いている部分もけっこうあります。
旧暦と太陽暦で一ヶ月くらいのズレがあるので、なんでこの寒いのに「春」、
とか、この暑いのに「秋」なんてこともあるわけですが、
土用にうなぎ食べたり、冬至にゆず湯に入ったり・・
やっぱり残していきたいこと、たくさんありますね。
お雛様近くになったら、今度はお節句のお話でも致しましょう。
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 着物で勉強?? | トップ | みーっけ! »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アホでした・・ (とんぼ)
2006-01-31 22:44:08
ぶりねぇ様



小さい頃、夏休みに海に行くハナシで母が「土用波」がもうくるから・・とかなんとか言ったのを聞いて、私は「土曜日」になると大きな波が来るのだと思い、今日は月曜だから・・みたいなことを言って大笑いされた記憶があります。でも、そういう「話題」から暮らしの知識って伝わっていくものだと思うのですが・・。
返信する
土用の虫干し、 (ぶりねぇ)
2006-01-31 22:13:40
最近、すっかり忘れ去られたのでしょうね。

町内で大掃除に畳上げの光景もなくなってしまいましたし。。。



京都人の中には、節分を追儺と言う人もいますね♪
返信する
ありがとうございます (とんぼ)
2006-01-31 10:05:22
りょうか様



小鬼ちゃんといっしょに早く春を迎えたいものです。

豆は、年の数だけ食べる、といわれていますが、

だいぶ数が増えてきて、食べるのもしんどい?です。
返信する
春 早く来ないなか (りょうか)
2006-01-31 09:52:03
トンボさま お久しぶりです

小鬼ちゃんご利用いただきありがとうございます

もうすぐ節分 節分って季節の変わり目のことなんですね 立春といってもまだまだ寒さはこれから 春が待ち遠しいです

節句のお話も楽しみにしています
返信する

コメントを投稿

着物・古布」カテゴリの最新記事