以前のHPでは、正絹ものばかり扱っていたので、
木綿はあまり持っていません。それでも母からもらったもの、
旅先でみつけたもの、オークションで手に入れたものなど、
行李に3杯くらいはあります。会津などの縞や格子、
久留米、伊予などの絣、中でも貴重なのはこういった「藍木綿」。
なにしろ高いのです!筒描きの掻巻などは、気を失いそうになりますー。
というわけで、大きいのはとても買えないので、ちまちま集めたハギレです。
こういうものでもパッチワークをなさる方には人気ですから、
ハギレといえどもお高くなります。ちりめんとかわりゃしない・・。
こちらは比較的新しいものに、古いものをのせてみました。
一番下になっているちょっと紅が入っているのが新しめのもの、
まだ紺地が濃くて、裏表でそーんなに差はありません。
これは何かを作った残りのようで、まだ使われていません。
上にのった2枚は、もうかな~り使い込まれたもの、言わずもがなですね。
どちらも縫い代がわかるように置いてみたのですが、
元の色と「褪せ」加減が、よくお分かりと思います。
こんなになっていても「売り物」・・・。むしろ古いほど人気がありますから、
こちらのほうが新モノよりセンチあたりの価格も高くなります。
絹の着物と違って、こういうものはとにかくボロボロになるまで
使われてしまいましたから、残っている量も少ないんですね。
木綿の渡来については、過去に書いておりますので、
大雑把に説明致しますと、かなり古い時代から入ってはいたものの、
綿織物での輸入で、たいへん貴重品でした。
800年くらいに、異国の漂流者が木綿の種子を持ち込んで栽培したのですが、
このときは気候風土が合わず、広まるところまではいきませんでした。
その後、1500年代に日本の気候に合う品種改良などが進んだことと、
戦国時代であったことで、戦に関わる衣料や道具として、
木綿のものが多く必要とされ、栽培や織染め、そのあとの販売ルートなど、
いわゆる産業として発展しました。戦国時代がおわってからは、
そのまま産業として定着し、一般にも広く木綿が流通するようになったわけです。
ただし、生活水準も今よりずっと低く、庶民にとって貴重品であることには
かわりありませんでした。今年は何反買おう・・などという贅沢は
裕福でなければできませんでしたから、庶民は切れても褪せても穴があいても、
まだまだ・・と使い切ったわけです。
こちらは、その苦心のあと、ツギアテとその裏側です。
木綿の着物は、長く庶民の普段着として着られてきましたが、
着物の価値観もかわり、世情もかわり、今はあまり着られなくなりました。
それでも普段着物、ちょっとしたお出かけ着には気楽に着られていいものです。
今でこそ「単」としてしか使われておりませんが、
本来一年中着られていたものですから、裏をつけて袷として着るのもいいもの。
ただし絹を着慣れた方には、それでなくとも木綿は重さがあります。
年をとって袷にすると重たくて着られない・・と、私の母なども言ってました。
これも以前に書いたことですが、春先から夏は単で、秋口は袷で、
真冬は更に「綿」を入れて着ていた・・・、昔の人って体力勝負だった??
今裏をつけるなら、すべりのいいものを。モコモコがイヤなら、
腰から下だけつけておけば、足元あたたかく、すべりよく着られます。
木綿は丈夫であるがゆえに、けばだっても薄くなってもなかなか切れません。
繰り回しで裾や袖口の痛みをひどくならないうちにメンテして、
長く楽しみたいものですね。
こちらは現代の「会津木綿」(黄色)と「昔のふとん側」(茶色)。
ちょっと色が飛んでいます。黄色はもう少し濃く、
茶色はもう少しくすんでいます。
現代の会津木綿(会津に限りませんが)は、当然国内産の木綿ではありませんし、
染料も化学染料が多く使われるようになってしまいました。
昔のような「経年の色変わり」をするものかどうか、わかりません。
とりあえず、この会津木綿は着物以外のものにする予定で購入しました。
青がいやな青に写ってます。もう少し「濃紺」です。
茶色のほうも、それほど古いものではなく、戦後くらいでしょうか。
裏はかなり補修跡があり、薄くなってはいますが、
糊っ気をとると、やわらかくて肌に馴染みそうです。
いいとこ取りでも、シャツくらいはできそうです。
さて、本日息子が夏カゼでお休みしております。
もう少し、木綿のお話しもしたかったのですが、またの機会に・・。
もんぺ、そして一反風呂敷を持ってきました。
絣のひっぱりやもんぺは処分しましたが
一反風呂敷はどこかにあるはず・・・
ところで息子様お風邪を召されたようで
心配ですね。冬と違ってこう暑いと
暖かくして寝る訳にもいかないから
大変です。
どうぞ、お大事になさってくださいね。
というものではなくなりましたね。
先日「プリンター」を修理に出すのに使いましたよ!
大きいものなので、紙袋なんてないし、
やっぱりこれこれ・・と思って出しました。
一枚あると何かと便利です。
ご心配いただき、ありがとうございます。
息子のカゼはなんとかなりそうです。
このところ蒸し暑かったり、
今日は急に涼しくなったり、
ほんとに落ち着きませんね。
陽花様もお気をつけください。
着物を着始めてまだ1年たっていませんが、当初から木綿の着物が欲しくてしょうがなかった私です。
今年、やっと念願の会津木綿の着物を手に入れましたが、もちろん大量生産の既製品。長年使ってもとんぼさまが↑で紹介しているような「いい味」はでそうにありません。生成りの地に緑や橙の縦縞が入っている着物です。http://blog.goo.ne.jp/azuki-blog/e/cb2d9b3a6ae1c4e239cbfee02aeb247a この写真は色が濃く映ってしまっています。
それでも長く持っていて、いつかハギレにして使いまわしたいです。(ハギレが夢なのか?!)
会津もめん、いいですよね。拝見しました。赤がきいていて、かわいいしましまです。やっぱり縞の着物ってかわいい色でもシブい色でも、いいもんですねぇ。
ハギレになるまで、ぜひぜひ、大事に着てください。下のHPご存知かと思いますが「会津のハイカラさん」というところ、上の黄色いのはここで買いました。ときどき「バーゲン」やるのでねらってるんですが、たいがい売り切れてる・・んですー。
http://www.rakuten.co.jp/aizu/511513/511594/
この絣の、とても素敵ですね。久留米ですか?
この間、都内の民藝の店で、手つむぎ・手織り・藍縞の木綿というのをみました。しなやかでとてもいい感じでした。以前教えていただいた国産の茶綿、手つむぎのがあるんですね。さわってみたいなあ。
久留米だと思います。あまりにも使い込まれていて、持ってもやぶれそうですが、こんなになるまで使ったんだ・・と思うといとおしいですね。イマドキは「国産」もの「手紡ぎ」「手織り」なんていうのは「特記事項」になってしまうくらい、ありませんから貴重ですねぇ。人の手で直接作られたものは、どうしてこうきっぱりとやさしいのかと思います。「思い」がこもるからでしょうかねぇ。
ここまで着込むなんて、今の世の中ではありえないことですね。つくづくありがたいなあと思う次第です。是非々々また木綿のお話を聞かせてくださいませ。
遅くなってすみません。
藍に惹かれるのは、日本人のDNAなんでしょうかねぇ。決して洗練されていなくとも、心惹かれる素朴なデザイン、裾短めにキリッと着てみたいものだと思いつつ、ほんと、今買ったらお高いでしょうねぇ。また木綿のお話し、いたしましょうね。
とあるアンティークショップで、多分男物の「綿薩摩がすり」の反物を見せてもらいました。
お値段なんと38万円!
でも、そりゃあ素晴らしいもので、藍染に蚊がすりと亀甲が段々になっているのですが、それが120マルキどころではない代物で。
よーく目を凝らさないと分からないの!
柔らかい手触りで藍もほどよく落ち着き、ため息が出ました。
私は店の中心で「お金が欲しい-!」を叫びました。
たとえお金があっても怖くて買えない・・・
情けない話しですが、今は絹でも木綿でも麻でも、
「全て国内で・・」と言うものは、
ゼロの数を数えなおすほどお高いですね。
だから安く買える「○○産」の原料で、
海の向こうで作られたもの・・が売れるんですね。
特に藍は「藍」と「インディゴ」の違いを
知らない人も多いですからねぇ。
青きゃいいってもんじゃないんですが・・。
結局「国産」の原料も、作る技術も、
そういう悪循環の元に、後継者が育たず、
廃れてしまうんですよね。