またしても過去のとんぼでございます。毎年髪を結っていたころの・・。
先日の「髪結った写真」の前年かと思いますが、実はこの年、
髪を結って帰ってきましたら寒気が・・・。
結局このとき38度の高熱を押して、初詣に参りました。
足をふんばって立っているようなのですが、もうぼぉ~~っとしておりました。
母が「寝てなさい」というのに、せっかく高いお金払って結ったんだから・・と
ムリして初詣についていったのです。よくみるとゲソォ~っとした顔です。
毎年帰りに叔母の家に立ち寄っておりましたので、このときも
一応裾模様のついた着物に、ピンクの道行きです。
このあと当然のようにカゼが悪化いたしまして、
確か3学期の始業式の日に休んだ記憶が・・・。ムリはいけません・・。
このとき初めて買ってもらったのが、黒地にチューリップの名古屋帯、
それまでは、誰かのお下がりか手作りでしたから。
だいぶまえですが、アップしたと思います。
この帯は(肝心のものが写ってなくてすみません)ずいぶん長い間いろいろと
役に立ってくれました。適当に金銀も入っていたし・・。
というわけで・・・なんかむりやり引っ張ってますが・・・
今日は着物と帯のお話です。
「着物一枚帯三本」という言葉があります。
着物を一枚買うたびに帯を三本そろえよ、ということではありません。
まず、和服物を買うとき、だいたいが「着物がほしい」「着物買おう」ですね。
増えてくると「紬がもう一枚ほしい」とか「明るい目の小紋がほしい」とか。
つまり、まずは「着物」がメインになってしまうことが多いのです。
最初からたくさん持っている人は、あれこれ着ていて
「この紬にはもう少し白い帯があるといいなぁ」とか・・そうなりますが、
そういう人は今のご時勢では少ないでしょう。
ほとんどの場合「次はこういう着物」・・と、どうしても着物を買うのです。
そうすると帯は少なくて、どの着物をきても、帯はいつも同じ・・になります。
着物を二枚買ったら次は帯・・というように、
「帯」を増やすことを意識したほうが、バリエーションが増えるということです。
和服において帯は重要なポイントではありますが、主役ではありません。
もちろん、時には「この帯をしめたいから」という場合もありますが、
着物のワードローブとして考えたとき、主役はあくまで「着物」、
帯や帯締め帯揚げなどは、それを引き立たせるためのものです。
引き立たせる小物がいろいろあれば、数が少ない着物でも、
雰囲気を変えて着られるわけです。
もうひとつは、帯を数持つことによって、雰囲気もそうですが、
年齢的にも長く着られる・・と言うことです。
ハデ目になった着物を地味な帯で長く着る工夫もつきます。
逆にジミ目の着物を華やかな帯で若く着ることもできます。
ためしに私の着物でやってみました。
着物はバサマから25年くらい前にもらったもの、
バサマの言葉では「しっかりやすもの」ということで、
確かにフシの揃いのよくない、毛羽立ちの多い着物です。
柄部分が汚れたような、にじんだような感じですが、そういう柄なんです。
着易いので30代から着ましたが、ちょっとジミだったので、
最初の頃は帯をハデめにして、かわいく?着てました。
今はあまり見かけないちりめんの染め帯、25~6才のときのものです。
これは今は逆に黒っぽいジミ~~~なつむぎに、まだ締めてます。
次は40代、ブルーグレーのお遊び帯です。
ちょっとフシのある紬帯。
ネコはアップリケのように見える染め柄。
次は50代、黒でちょいと粋に・・。
これもバサマからのもらいもので、バサマが40代で作ったもの。
つまり40年前の帯です。塩瀬の染め帯。
ついでに半衿の組合せの変化も載せてみましょう。
若い頃はこんな色をよく使っていました。下はだんだんジミ目になります・
たとえば春先など、少しやさしい印象にしたいときは、
こんな感じの淡い半衿で、帯も春めかしく「クリーム系」とか・・。
いかがでしょう。着物っていうのは、帯と小物でずいぶん表情が変わります。
一枚の着物が30年とか着られちゃうんですね。
着物一枚帯三本というのは、うまくワードローブを増やしていく知恵なのですね。
手持ちの着物と帯をチェックして、今どんな帯があったら
どんな帯揚げ帯締めをそろえたら、どの着物と組み合わせられるか。
バリエーションを増やす工夫をして、どれも大切に長く着てください。
でも、コレを見て、「着物ってキャンパスみたい。帯でどうにでもなるんだわ。」と実感しました。
写真だとこの着物、すごく使い易く見えるんですけど・・・しっかりやすものなんですか(笑)。
花鳥風月の帯、素敵だなあ
変えて着こなしておられるのはさすがですね。
どの帯も、このお着物にとってもよく合って
素敵です。ねこちゃん柄の帯はまだまだ
締められますね。
同じ着物でも帯で随分雰囲気が変わりますね。
それに半襟の使い方も素敵で勉強になります。
着物の格が帯で違ってくるよ、たとえば袋帯をした場合、名古屋帯をした場合、などと理解しておりましたが、年代の違いをおおいに演出できる、半襟の演出の仕方もいいですね。
とってもわかりやすかったですし、楽しませてももらいました。ありがとうございます。
10代のとんぼさん、とっても生真面目そうですね。今でも?
おほめいただいて、ありがとうございます。この紬はほんっとにへにょへにょでして・・。母が散々来たあとですから、なおさらなのでしょうが、真綿つむぎの使い古し・・という感じです。でもそのぶん、ほんとに着易いんです。「花鳥風月」の帯は私も好きでして、いいなぁと思い始めてからもらうのに10年待ちました。
陽花様
もういい加減ヨレていますが、まだ着ます。ネコちゃんは、柄はかわいい目ですが、色がけっこう沈んでるんです。ままだ締められますね。
蜆子様
「格」という意味も当然あると思います。江戸小紋などは、帯でいろいろ使い分けできますものね。
私は10代の頃からそそっかしくにぎやかしく、ちっともかわっておりません。まじめなつもりなんですが、いろいろハズすので失敗が多いんですね。とりあえず人生まっすぐ・・ってのは好きです。
いい帯は、めぐり合えるのも運命のようなもの。
もちろん、選ぶ眼力あってこそですが。
雪花さまがおっしゃっていたキモノ雑誌の企画、協賛メーカーの提供品から、こんなものかな、で組み合わせているから、説得力がないんですね。
帯あわせというのは、たんに格や柄だけでなく、まずは力のある帯を選ぶことから始まるという一行がはしょってあるようです。
お褒めに預かり光栄です。昔からどうも「かわいらしい」とか「華やか」というものが苦手で、なんかみょーちきりんなものが好きです。小学校5年の夏には、「少しお姉ちゃんになったから、金魚やシャボン玉のゆかたじゃじゃなくて、朝顔とかなでしこにしようか」といった母に「ゼッタイいやだ、これがいい」と黒白小紋柄の「男物」ゆかた地をつかんではなさなかった、かわいくない女の子でした。せめて帯だけは、と朱の半幅を締めさせられましたが、ほんとは男物の兵児帯がしめたかった・・・。
1枚の着物が帯や半襟で随分ちがって見えるのを再確認しました! とてもわかりやすい組み合わせです。ん~ 勉強になります~ (しみじみ)