ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

シメのシメ?お足元のお話しです。

2009-02-27 21:33:09 | とんぼ手帖
今日は寒かったですー、午前中は雪でした。

写真は私の礼装用草履、これまた譲られモノで、まだ一回しか履いてません。
着物に魅入られて着始めると、最初は着物がほしい、帯がほしい…。
少し増えてくると「小物」のミリョクに気がついてしまう~~。
帯締め、帯揚げ、帯留め、半衿…。
でも、なぜか「履物」にはなかなか目が行かない気がするんです。
いろいろな相談事のページを見ても着物の相談や質問はたくさんあるのに、
履物についてはあんまり見ません。
まぁ履物の心配というと「礼装にこれでいいか」くらいだからでしょうか。
でも、履物って、大事なんですよ。

履物にはゲタもありますが、今日は草履のお話しです。
みなさんは、草履を何足お持ちですか?
礼装用はお持ちですか?礼装用は、こりゃもうしょうがあません。
チャンスがあったら一足ずつ買っておいてください。慶弔です。
靴なら金具をつけたりその金具をひっくり返したりすると、慶弔両用なんて
便利なものがありますが、それはどっちも「黒」でいいからで、
着物のときはそうは行きません。和装の場合のポイントは
「色とカガヤキ」ですから。
ただし、慶事の礼装に黒はいけないということじゃないんですよ。
黒でも華やかな柄の入ったものなどは使えます。
でも留袖には黒系よりもやはり佐賀錦系の金銀系、白系が色としては合いますね。

ではそのほかに…少なくとも色の濃いものと薄いもの、二足はほしいですね。
色数では限られてしまいますが、もようや鼻緒で年齢的に使い分けられます。
選び方が…と思う方はいらっしゃるでしょうか。
私は着物姿の方を見かけると、必ず草履も見てしまうのですが、
最近は「無難」路線が多いですね。とりあえずあんまりめだたないもの。
それはもちろん、着物を生かすという意味ではマチガイないのですが、
草履も含めて「和装」ですから、本当は気を使ってほしい部分なんです。
それと、パッと見ると淡い色合い、優しいブルーとかで、
ああ着物に合ってるな、と思うのに、よくよく柄を見ると、
なんかジミすぎ、とか、なんでこの色?とか…。

着物の足元は見えにくいと思いがち、でも横から見たときは、
やはり草履の柄というのは「見える」ものです。
色とその横の柄と鼻緒、気ィ抜かずに選んでください。

靴を買うときは、価格や目的のほかは、まず色・デザインですね。
スクエァカットがいいとか、この飾り金具が大きすぎるとか…。
それってその靴の中に足を入れて、そのつま先や金具が表に見える状態です。
でも、草履って、台の色がいい、と決めててしまうと、実はその台って、
ほとんど隠れちゃう…見えるのはつま先だけなんですね。
つい「台の色」だけに目が行くのですが、実は「鼻緒」が重要なんです。
それから、立ってみたとき「横」がどんなふうに見えるか。
私の手持ちでやってみましょう。

すみません、先にお断りを…「巻爪治療中」のため、きっちりタビがはけません。
余分なシワもございますが、お許しを…。
こちらどちらも30年から前の草履です。
鼻緒がなんとなく赤いほうが一番古い20代はじめのころのもの、
鼻緒、ゆがんでますがな。赤地に白い小桜が散ってます。
少し朱色のものは20代後半からのもの、
朱色に金と銀でちょこちょこと横線の柄。今でも履くのOKです。





似た感じですね。昔のは鼻緒が細いですね。
さて、よく感じの似たこの草履、はいてみますと…





ここまでですと、まぁちょっと赤いのと、少しおねえさん…くらいですが、
横はこんなです。





          


履いて見えるのは、先の黒いところと、この横なんです。
とても「小桜」はもうはけません。
もうひとつ、これは15年くらい前に母がくれたもの、
好みじゃないので全くはいてません。うっさい色柄…と思っていますが…。








実は「黒」だもんで、うるさいのは気にならなくなります。
台の色ももちろん大事なんですが、草履は靴と違って前ではなく
「横」の印象もポイントってことなんです。

私は白タビしか履きませんので、草履も全体に柄のあるものなどもありますが、
柄タビや色タビを履かれる方は、その色との兼ね合いも考えませんと、
足元がゴチャゴチャします。

最近はウレタンの草履が安くて重宝がられていますね。
ウレタンでも、まわりを全部かこってあって、
裏を見ないとわからないというものもあります。
できれば本物を履いていただきたいところですが、
靴に負けないお値段ですからねぇ。
買うときにはしっかり選んでください。

草履は本来芯はコルクです。そして裏が「皮」です。
日ごろ手入れをして、かかとのゴムをこまめに変えれば草履は長く履けます。
きをつけるのは高さ、です。草履だとあまり高さを意識しないんですが、
靴と同じで、かかとの高いもの低いもの、前後で高さの差があるもの
全体にたいらなもの、といろいろあります。
礼装やお若い方は、高くて見映えのいいものでもいいのですが、
普段履きは、あまり高いと足が疲れます。
かといってペッタンコでも疲れるんですよ。
靴と同じで、3~4cmくらいがいいと思います。
もちろん、自分が一番履きやすいというのがいいんですけれど。

最近の草履は鼻緒の太いものが多いですね。
スッキリ見えるとか見えないとか、そういうことでいうならば、
そりゃ細いほうがいいんですが、実際はいててラクなのは
太くて柔らかい鼻緒です。挿げ替えてもらうこともできます。
ゲタの鼻緒の挿げ替えは、自分でも慣れれば簡単にできますが、
草履の鼻緒はちっと難しいです。

また最近は「小判型」という全体に丸いものが多く出ています。
これは足の甲の部分がしっかり乗るので、これもおススメです。
私は俗にいうバンビロで、しかも若いときに比べて
よけいに横にひろがっているため、昔の先の細い草履を履くと、
台から足がはみ出てしまいます。
歩くのに不都合はないのですが、やっぱりラクではありません。

畳表の草履、これは着物ビトにとってアコガレですが、
なれないと「すべる・重い」という欠点があります。
それと「水」に弱くて、雨にでもあったらオシャカです。
ついでに私のようにそそっかしいものは、たいがい何かをけっとばす、
けっつまずく…これで、前の「たたみ部分」がささくれちゃうと、
ボンドで貼るよりありません。私の畳表の草履は、
できれば「じーっと見ないでほしいシロモノ」になってます。てへへ。

草履も大切な和装のポイントです。高い安いだけでなく、
帯締めや半衿を選ぶように、楽しみながら気合入れて選んでくださいね。



コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 伝えていくこと | トップ | 弥生三月雪が降る? »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
女性の履物も大変 (otyukun)
2009-02-27 23:23:41
男なら着物姿では黒の鼻緒の雪駄一つで全て解決しそうですが,女性は大変ですね。
TPOでの使い分けに応じた分だけ揃えなくてはならないのだから。
全ての面で男の方が安く付きそうです。

黒の羽織は既に消滅しましたが、入卒に着る着物としては位置付け小紋を指定されるお客様が増えてきました。
お茶にも使うのに結構くだけた柄を指定されます。
時代の流れと言うものは業者が決めるのではなく、愛好家の趣味で変わっていくものかも知れません。
全てのしきたりのアドバイスをした上で、趣向にまかせるのがベストなのかも。
押付け売りや騙し売りが無くなれば新しい流れが生まれるかも知れません。
返信する
Unknown (陽花)
2009-02-28 07:04:16
草履選びは本当に難しいですね。
慶弔以外のふだん履きはついつい
履きやすい草履に偏ってしまいます。

着物も帯も決まって、さてこれに合う
草履が・・・ってことありますわ。
返信する
とてもタイムリーです^^ (えみこ)
2009-02-28 07:12:52
草履もすごく悩んでいたので、ありがたいです。
羽織と履物は目立つので、慎重になりすぎてしまって…
あれこれと欲張ってしまうのも^^;かな。
和服売り場で立ち止まっただけで、ささささ~っと
近寄って来られるのも苦手です。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-02-28 21:28:25
otyukun様
ついここ何十年かのことなんですけれど、
女は「美」に関してはゆずりませんからねぇ。

着物の着方や柄付けなど、
土地柄、というのも大いにあると思います。
昔「おおいなるイナカ」といわれた都会では、
何でも右倣えですから、寂しいものです。
「売り方」、大手がだいぶ落ちこぼれて
へっては着ているようですね。
結局、長い時間をかけて「淘汰」されて
行くような気がしています。
だいたいなんでも「大手」っていいますけれど、
大手じゃないほうがいい商売も、
あっていいし、あるはずだと思います。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-02-28 21:30:10
陽花様
そうですね。
私も結局気がつくといつも偏ってます。
チビなのですが、靴ならともかく、
草履のかかとの高いのはダメですねぇ。
はきやすい草履は、いくら歩いても
疲れないのはフシギですね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2009-02-28 21:31:16
えみこ様
あの店員さんが寄ってくるのは、
本当に困ります。
じっくり見たくても、ついて歩く…。
「ほっといてちょーだい!」と
言いたくなりますねぇ。
返信する

コメントを投稿

とんぼ手帖」カテゴリの最新記事