ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

鳥さん柄の伸子張り

2011-02-01 15:05:10 | 着物・古布

 

細かく紳士を打つ前に1枚…湿度が低いので、お天気いいとすぐ乾きます。

以前ご紹介している羽裏ですが、こういう色は汚れが目立ちます。

洗ったら黄色が落ちて汚れは落ちない…いや黄色も汚れも落ちない…

どっちだろー…で、後のほう、染色も無事でしたが汚れもそのままでした。

こんなですー。実物はもっと目立ちます。あ~ぁ。

 

            

 

生地自体はまだ十分力があるので羽裏に使えますが、なんともこの汚れがねぇ…。

元々羽裏ですから、縫えば汚れの線も縫い目にあたるわけで、奥が見えなければいいかなとも思うのですが、

実は羽裏としても繰り回しのようで、元々の肩あきの部分が細かくかがってあったりします。

あきらめて、きれいな部分で半幅でも作ったらいいかなーと思いつつ、鳥を生かすにはどこをどう取れば…

これまた悩みます。孔雀さんなんかきれいですからねぇ。

とりあえずさーっぱりはしました。こんな感じ。こうしてみると、ツヤも出てきれいなんですけどねぇ。

 

            

 

もうひとつのダメージ品…。黒地のちりめんです。 

同じ黒でも、絵羽織や留袖だと、柄や、地を生かして第二の使い道も考えられるのですが、

喪服や男物黒羽織だと、ほんとに使い道が難しいです。

色がきれいでヤケとか褪せ、それにダメージがなければ、ちょっとした昼夜帯の裏地に使えますし、

ざらざらしたちりめんなら、小物の部分遣いに重宝です。

黒いものを整理していて、ざらざらのシボずっしり重い「ちりめん喪服」が出てきました。

以前お話ししましたが、かつて「喪服」は関西はちりめん、関東は羽二重が主流でした。

今は関東もちりめんが増えてきているそうです。

ただ、今はちりめんといっても、シボデコデコの鬼シボではなく、もっとさらっとした感じのもの。

昔のちりめん喪服は「ざらざら」の「デコデコ」が多くあります。これもその一枚。

いいちりめんだと思って、いそいそと広げたら裏が木綿…いやーな予感。

こんなポッテリちりめんに裏が木綿ということは、その人が裕福でなかったか、

時代で物資がなかったか…そーっと解き始めたんですけどねぇ…やっぱり「超着こまれ着物」でした。

「ちと薄い…かな?」裏をはずしたら、あーらら、こりゃいかん、向こうが見える…。

おまけに「ツギアテ」だらけ。

 

             

 

それだけではありませんで、がんばってツギアテしても追いつかないので「放置」の小穴が…

黄色で囲ったところ以外の白っぽい点々も全部穴・・・。すごいですー。

 

             

 

ここまでくると…ですねぇ。ただ、薄くなっているという「柔らかさ」はありますから、

例えば小さいお雛様みたいな人形の頭の部分とか、ちりめん細工でほんのちょっとの黒い部分とか、

そういうところには、なんとか使えるかな…ですね。細かくカットするようですねぇ。

 

昔のヒトは、それでなくても節約倹約はアタリマエ、

なにによらず「もったいない」というキモチを普通に持っていました。

私の子供時代はまだその風潮でしたが、豊かさの大波がドーンときて、

不遜にも「使い捨て」なんて言葉が生まれました。

さすがに今は「捨てること」にもアタマを使う時代ではありますが、

元々ものが多いから、昔とは「もったいない」のレベルが違います。

こんなツギアテを見ると、これをした人は切ない思いでつくろっていたのかな、

よっしゃ!まだまだ使える、と張り切ってやっていたのかな…なんて思います。

 

本日のおまけ、朝雨戸をあけたら、お向かいの庭に鳥さんが…ヒヨドリさんだぁ。

急いでカメラを取りに戻りました。飛び立つ前にかろうじて1枚撮れました。(ピンがきてないっ!)

ちょうど赤い実をくわえたところ、朝ご飯食べにきたんですね。

         

           

 

 

 

 


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6 コメント

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Unknown (陽花)
2011-02-01 17:53:31
男物の羽裏は額縁で大きい柄が多いですが
この羽裏は女物なんでしょうか。
こういう大きな柄、女物では最近見ませんね。

喪服って着る頻度は少ないと思いますが、昔は
よく着ていたんでしょうか。
布って手に入りづらかったんでしょうね。
母も小さな布でも板張りしてタンスにしまって
いました。

鳥さんスゴイ!よく撮れましたね。
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Unknown (とんぼ)
2011-02-02 19:49:39
陽花様

これは女物羽織りの羽裏でした。
鮮やかな黄色ですよね。

親族はみな着物だったし、家族が多かったし、
今よりは着る回数は多かったと思いますが、
もののない次代は大変だったでしょうね。
木綿の喪服なんてのもよくありました。

鳥さん、毎朝来るかと思ったのですが、
今日はきませんでした。
返信する
トリ (のり美)
2011-02-03 13:51:01
 とんぼさん、こんにちは。 カヮイイ羽裏ですね~ん❤

 前から聞こうかどーしようか悩んでたのですが。
ちょうどトリネタなので聞いちゃいます!!

 トリの種類、ランクってあるんでしょうか?ヤフオクであっつくなってしまって落札した京藝の袋帯。   恥
フォーマルでいけるんだろうけど、どこまで?と悩んでます。
キジなんですぅ。たぶん。     エッ
たとえば色留袖にキジ…どーなんでしょ?
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Unknown (とんぼ)
2011-02-03 14:16:54
のり美様

いえいえ「吉祥柄」ですよ。
子孫繁栄を意味します。
それにキジは日本の「国鳥」です。

キジであるかどうかよりも、
色留袖に合う織り柄かどうかとか、
色目とかの方が大事です。
返信する
ありがとうございます。 (のり美)
2011-02-03 14:41:54
 あらためて見てみると・・・
訪問着くらいまでかもしれません。けっこうな多色でした。

 いつもスミマセン!
 
返信する
Unknown (とんぼ)
2011-02-04 17:11:46
のり美様

色数というより全体のイメージ、つまり金銀がつかわれているなどで
重厚とか、豪華というイメージですね。
基本、留袖訪問着は六通か全通の袋帯ですが、
お太鼓柄でも柄や色、金糸銀糸の使いようで使用可、です。
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