珍しい「洋画」っぽい絵の羽裏です。
スケッチブックから何枚か選んで、ポンポンと置いてみました…という感じ。
ちょっとアップで何枚かおみせします。
2枚目と3枚目の絵の上のフチ部分が、少し青くなっていますが、
わざとそう染めてあります。画像ではハッキリしませんが、
この青い部分のために、よけいに「本当に紙を置いたよう」にみえるんです。
なかなかこっています。ヨーロッパでしょうか、どこかの街角、
生活のにおいのする家並みや、歩いている人たち、なかなかの絵ですね。
元々羽裏として染められたものですから、ずいぶんモダンな図柄です。
こういうのは大正時代に多いのですが、そこまで古いようには見えません。
この羽織の表地はこんなです。黒く見えますが焦げ茶、とても軽い紬です。
多少傷みはありますが、ざっとみたところ着用は可能のようです。
また、この羽織紐なんですが、もともとついたまま来まして、
「乳(ち)」にとめる金具、多くはS字の金具が多いのですが、
これはこんな形、ネックレスと同じ方式です。これだけは新しいようです。
もう一枚の羽裏はこちら、およっ・・・。
まぁいろいろ「ひっかかって」いますねぇ。とんぼもいますよ、ドジー!
一番右下の、紫の蝶の下は「バッタ」、飛んだらひっかかっちゃったんですねぇ。
袖の中にも柄があり、そこには「紅葉」の葉もひっかかってます。
蝶やとんぼの羽の部分には、金で模様が入っていたり、凝った趣向です。
このクモの巣の肝心の主は描いてありません。どこにいる?
あまりの大漁に、仲間をディナーに呼びにいったか…?!
クモの巣の中心はややずれて、着たときの左肩の上あたり、ここです。
クモの巣柄とかどくろとか、着物や羽裏には「えっ?」というような
びっくりする柄もありますが、たいがいなにかしらいわれがあったりします。
「クモの巣柄」は、多くはいわゆる水商売系の方に好まれます。
つまり「いいお客がいっぱい『ひっかかり』ますように」、ですね。
料理屋の女将さんのじゅばんが「クモの巣柄」なんてのは、よく聞きます。
この羽織は「三ッ紋の黒紋付」、女物です。
紋ちりめんなのですが、私の腕ではついに「柄」を写すことができませんでした。
実に見づらい柄なのですが、唐草で亀甲型に区切った中に菊柄、のようです。
重みもあり、いいものだと思います。
どこかの料亭の女将さんがきていたのかもしれません。それとも芸者さんかな?
紋がジャマで気軽に着るわけにいきませんが、着てみたい一枚です。
しないので人目に付かないのですが、見えない所の
おしゃれ、こだわりいいですね。
くもの巣柄すてきだわ~。
となるとやっぱりお客商売の方のですよね。
大判小判は引っ掛っていませんでしたか?
コメントいただいてたのにすみません。
見えないところにコるって、
かっこいいなぁと思います。今はこういうの
ないんですよねぇ。
恵様
おもいっきり絡めとってますね。
なんか妖怪「土蜘蛛?」、
こんなの着ていながら、にーっこり笑って
「いらっしゃしまし」とか「ごひいきに」なぁんて、
やっぱオンナってこわい?