ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

掘り出し物の帯…かな?

2012-05-19 16:42:20 | 着物・古布

 

手描きの塩瀬です。それほど古いものではないと思います。ここ10~20年くらいではないかと。

 

こういう美しい文字は読めない私ですが、さすがにこれはわかりました。

「あかねさす 紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」…額田王、ですね。

この帯と「眼が合った」とき…「いいでしょ、わかってるわよねぇ…とんぼっち」とキコエタ…。

いやねぇ…まず私自身が紫系統の地色の帯がない、というより、

元々帯地の濃い色というと、たいがいは黒か紺で、紫というのがあまりありませんよね。

そして、そういう濃い色は柄がいい古いものは、だいたい無キズでは済まされない…。

柄の白いところにシミがたっぷりとか、柄はナントカ直せるかと思うと、

地の黒や紺が褪せていたり、折り線のところだけ白くなっていたり、お太鼓のところだけ色が違っていたり。

特に染め帯はほとんどダメージがあります。

それが…これは地が最初から一色ではなくて…ムラ染めに見えたのですが、

よくよく見ると紫の濃淡で「草花」が描かれていました。あぁ「紫野」ね…ときがつきました。    

まぁ「紫野」は、実際には「村先の野」という意味だといわれていますが…。

とりあえず、こんな地です。これだと部分褪せとか、ヤケとか、わかりにくいですよね。

ピンボケ写真みたいですが、実物もこんな感じ、もう少し花らしい感じは見て取れますが。

 

             

 

よーく見れば、少し色が変わっている気がする部分もあるのですが、もうほとんどわかりません。

これなら締めるのももちろんOKです。

お太鼓のアップです。字の上手下手は、私にはわかりませんが、私から見ればほんとに美字です。

 

        

 

このお太鼓部分のたれ先、しかも裏側にサインといいますかこんなマークが。

 

       

 

どっかで見たような気がしないでもない…ような感じ…みたいな…という非常にアイマイな記憶です。

それにしても裏側とは控えめな作家さんですね。

 

どうにもダメージないしなー…と思いながら「前帯」をみたら…

右下の上に向いたサーモンピンクの部分、なんか白いのがついてます。

これ、たぶん、その上の薄いピンクの染料が、なんかの加減で流れてついてしまった感じです。

 

       

 

これだけですかねぇ…もったいない。しかもこれくらいなら、直せますよ。

今すぐと言うわけには行きませんが、また「マジック・遊」、いえいえ「染工房遊」さまに、

お願いしてみましょう。こういうお化粧は、ほんとにじょうずにやってくださいますから。

 

というわけで、いままでにないタイプの帯入手…こんなダメージだけなんですが、

樋口一葉さん1枚でした。ばんざーい。 


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
なんと! (陽花)
2012-05-19 17:40:10
えぇー手描きで塩瀬で樋口一葉さん
一枚ですか。
ホントお上手なお買い物ですね。
返信する
ほんとに (みけ)
2012-05-19 21:57:53
どうやったら
いつも素敵な帯に巡り合えるんでしょうか?

風景画のも…しかりです。

なぜに私には話しかけてくれないのかしら…
返信する
紫は (アゲハ)
2012-05-19 22:40:20
褪せすい色だとか聞いた事がありますけど、本当???

たとえばこの帯みたいな色でしょうか?
でも斑染めってマットな染色より深みがあっていいなとか思う。

胴部分はどんな柄でしょ?
返信する
Unknown (とんぼ)
2012-05-20 08:04:12
陽花様

出会いって、人と同じで「ある日突然!」で、
しかも続いたり、何年もなかったり。
フシギなものです。
今回は幸運でしたー。
返信する
Unknown (とんぼ)
2012-05-20 08:31:07
みけ様

オークションの質がだいぶ落ちましたから、最近はショップと両方のぞいています。
よくいくショップはこちらなんですが、
とにかくほぼ毎日、新しく追加されるんです。
それでも、出会わないときは何ヶ月も出会いません。

http://www.net-shinei.co.jp/index.php

新モノとアンティークもの、着物とか羽織とかの別、
これで見ていると、すぐ30分くらいたってしまいます。
ここはヤフオクが最初で、対応としては、正直あまりよくなかったんですよ。
でも、いいものがでる…。そのうちショップになったら
あれよあれよと言う間に大きなショップになりました。
長く見てきましたので「こういってるけど、ホントはこの程度だな」とか、
「きづいてないみたいだけど、ほんとはこうだよね」みたいな、
そんなところがわかるんです。
ヤフオクの出品者も、なれたところでないと、失敗しますね。
ありがたいのは、私がほしいとか、いいなと思うものと、
一般的に売れるものとのラインが違うようで、わりと「売れ残り」の方に
いいものがある…みたいなことが多いんです。
だから安かったりするんです。

問題は、いくら安くても、続くとへそくりが…ですー!
返信する
Unknown (とんぼ)
2012-05-20 08:36:43
アゲハ様

濃い色の色あせは、なかなかさけられませんね。
箪笥の中でも褪せますから。
紫や紺は元々濃いので、目立つのですよ。
そんなでもないようにみえても、
解いてみると、縫い代にはいっていたところと、
ハツキリ色が違ったりします。
帯より着物が目立ちます。
古い留袖などは、全体に白っぽくなったりしますね。
紫だと、背中とか肩先…。たたんであるとわからなくても、衣桁にかけるとすぐわかります。
一番ヤケるのは、日光と蛍光灯なんですよ。
だから店頭にいつまでも飾られていた着物は、買わないほうがいいんです。

胴部分は、最後の写真がそうですよ。ここだけダメージです。
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