ほばーりんぐ・とと

ただの着物好きとんぼ、ウンチク・ズッコケ・着付けにコーデ、
あちこち飛んで勝手な思いを綴っています。

迷ったんですよ~本日の話題

2007-11-23 19:36:50 | 着物・古布
写真はさすがに「褌のアップ」とはいきませんでしたので、
かわいい金太郎さんの腹掛けスタイル、紐を前に廻して抑えてますね。

いやいや、昨日いただいたコメントに「明日は褌の話しを…コラコラ」、と
自分で書いたのですが、このブログでは男性のお客様もいらっしゃいますしねぇ。

いーえ、だからと言って微に入り細に渡って…はありませんから。
ただ、男性の場合だって着物をお召しになる場合、
女より帯を下に締めますしね、やはり「ビキニタイプ」なんだろうなぁと、
なんとはなしに考えておりましたところ、
昨日コメントで「萬屋千兵衛様」が、下ネタがそんなに好きなわけじゃない、
と大嘘をつかれ…あっ違う、上品がウリだとのことで、
恥じらいながら(んなわきゃないけど)褌のご説明をば、してくださいました。
なるほどそういうものですか…。

今でも「クラシック・パンツ」と言う名前で、デパートでも売ってますね。
「クラシック…」という呼び名は、女性が「ふんどし」というのを
はずかしいだろうから、という心遣いのようです。
「ふんどし」というのはつい「フン」という響きと、使用する箇所から
「糞」を連想しますが、そうではなくて
実は「踏通(ふみとおし)」という言葉のなまったものとする説が有力です。
じゃその「踏通」ってナニ?
読んで字の如く、踏んで通す、つまり、ズボンに足を入れる動作です。
なんでズホンなの?

え~~ややこしいのですが、古来の衣服は貫頭衣、横布、
これの下は何か、ということになると、女は腰に布を巻き、
男はズボン式のものに足を通してはいていた、ということなんですね。
このズホンがいわばパンツだったわけで、それを穿く動作のことです。
これが初期の下着ってことですね。
上に着るものの変化によって「踏みとおし」は「褌」に変化し、
一方女性は外が長着になりましたから、腰巻が下着になっていったわけです。

ところで、私が知っていたのはここまでで、さて褌って何種類あるの?
私の父方の祖父は、私が20代でなくなっていますが、
なくなるまで「越中」愛用者でした。
「あてと越中はむこうから外れる」なんていいますが、
あてというのは「あてにする」のあて、つまりあてにしてたのにはずれた…、
越中褌というのは、要は紐のついたてぬぐいみたいなもんですから、
しっかり締まらないんでしょうかねぇ。

萬屋千兵衛様がコメントでおっしゃっていた「うしろミツ」が痛い、というのは
つまり「六尺」のことでしょうね。
六尺は要するに「お相撲さんの廻し」と同じ形同じ締め方(ですよね、千さま)、
相撲でよく「前ミツ」というのは、ズバリ「前褌」と書きます。
よく「前ミツをとりました」などと放送でも言っていますが、
あれは廻しという大型?の褌の前の部分をつかみました、ということです。

で、越中、六尺、これしか知りませんでしたので、
「褌やさん」(あるんですよちゃんと)のHPで調べましたら、
(実店舗ならできまへんな…)「越中、六尺、もっこ」の三種類だそうです。
もっこというのは、男性のバレーダンサーの「Tバック」のようなもの、
ご存知ですか?かのタモリ氏が、穿けと渡されて、布の広い部分はお尻側、
という一般常識で「これでどーやって隠すんだ」といったところ
「そりゃ後ろ向き」と言われてTバックときがついたという…。
ここまでいえば分かりますよね。そういうカッコのものです。

なんてぇ話題になってしまったんでしょーか、ここまできたらもうちょっと。
ついでのことに「禁断の話題(なのか?)」へ…。
昨日「では女性が月のもののときは?」というご質問がありました。
これにもお答えしておりますが、それについては「平安の時代」から、
「月経帯」というものがありました。つまりは女性用褌ですね。
まんま、その形だったようです。
使用目的から、赤い布で作られていたようで、江戸時代は
その形が「馬」の前垂れに似ていたので、
その日を「おうまの日」といったそうです。
普段は下着ナシで月に一度褌…、つまり女性は両方経験していたわけですね。
パッドは「水分」を吸収できるもの、貴族は「紙」、庶民はボロ…悲惨ですね。
江戸時代は「浅草紙」、これは再生紙です。

江戸は究極のリサイクル都市、というお話しを以前しましたが、
「浅草紙」は、まずは「反故紙」を集める業者がいまして、
古い手紙やいらなくなった草子、大福帳や書き損じの紙などを回収、
和紙は繊維ですから、これを溶かして漉きなおすと再生紙ができるわけです。
もちろん真っ白に漂白なんてしてませんから、
いわゆる「鼻紙・落とし紙(トイレ用)」です。月のものにはこれを使いました。
今の時代は、ほんっとにいい時代ですね。

あぁ~~今日もまた、とんでもない話題だったよーな、
でも大切なことでもありますよね。
実際、昔に比べたら保温とかサポーターとか、健康面衛生面で、
どれだけ恵まれているか分かりません。
冷えすぎの冷房やら、暑いくらいの暖房やら、
昔はなかった「害」の多い現代です。
着るものは下着にもこだわって、健康に留意しましょう。

と、一応「格調高く」褌についてお話してみました。はぁ~~~



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12 コメント

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Unknown (とんぼ)
2007-11-24 21:50:01
伊藤様
昔はおじいさんってみんな着物とかステテコとか、
そういうカッコでしたね。
それにしても…いやなんとも…。


萬屋千兵衛様
着物ってだいたい、何かあったときには
別用途に使えるものが多いですよね。
襦袢の袂とか伊達締め、帯締め、腰紐…。
着物は布団代わりになるし…。
せんさまとは、指定避難場所が違うので、
もしかのときも、お褌の世話にはなれまへんなぁ。
残念ですー(ホッ)


えみこ様
ホントに…絶句…目、思いっきり遠いです。
「決してアコガレ」でないことは確かですよねっ!


蜆子様
え~俗説ですが「松平越中守」が、
長さを使う六尺より倹約できる、と発案したと
言われておりますです。
返信する
どうして (蜆子)
2007-11-24 21:13:24
越中人として以前から気になっていました。
なんであれが越中褌、なぜ越中なの。
その言葉でだささが際立つ感じなのです。
とっても大事なものなのにね。
返信する
スミマセン、訂正です! (萬屋千兵衛)
2007-11-24 10:23:07
うっかり、川柳と言ってしまいましたが、正しくは、地口(じぐち)でした。
いわゆる、駄洒落の入った言葉遊びですね。
この場合は、人のやった事を、ほめる時に使われるもので、
しかも、下の句だけでした。正式には、
『たいしたもんだよ、イナゴのしょ○んべん!見上げたもんだよ、
屋根屋のキ○んたま!』です。「たいしたもんだよ」は、
お見事!という意味の「たいしたもんだよ」という言葉と、
イナゴは田圃に住んでいて、おしっこは当然田圃の中にしますから、
「田へ、(おしっこを)したもんだ」に掛かっている訳です。

>えみこ様

驚いた時は、「目が点」ですが、「遠い目」の場合は、
「あこがれ」と、解釈してよろしいのでしょうか?(爆)
返信する
おはようございます^^ (えみこ)
2007-11-24 07:09:02
…干し柿(遠い目)ですか。
返信する
川柳と言えば (萬屋千兵衛)
2007-11-24 05:12:40
『見上げたもんだよ、屋根屋の、キ○タマ』
という川柳が、ありますよね。

屋根屋さんは上の方にいるから「見上げて見る」というのと、
越中ふんどしだから、どうしても脇から干し柿が見えるので、
すごいなあという気持ちの「みあげたもんだ」を掛けた、
掛詞(かけことば)になってるんでしょうね?
って、何でこんな事、私が説明しなきゃならないの?

「越中ふんどし」は、その「前垂れ」で、手や顔を拭いたりという
「下履き」以外の利便性も兼ね備えた、アイデア商品だったようです。
但し、阪神淡路大震災で得た教訓に寄りますと、最も良い下履きは
やはり「六尺ふんどし」だそうで、大災害時、晒し木綿の六尺は、
その切り方で、ハンカチ、手拭い、包帯、三角巾、紐、等々
色々な救護品、介護用品に化けることができるそうです。
但し、大勢の人がいる避難場所で使う時は、どうしても、
その使ってる人の容姿を見て選ぶ事になるでしょうね?
やはり、ジャニーズ系の私のなんかは引っ張りだこ、だったり?
誰がジャニーズだって、言いたいんでしょ?邪似ず!

ま、冗談はともかく、大災害時の非難用に、寝ている近くには、
新しいスニーカーを置いておかれた方が良いそうですね。
窓ガラス等が割れ、散乱している部屋の中を裸足で歩くのは危険で、
本当は袋に入れて抱いて寝る位の方が、良いのかもです!
返信する
Unknown (伊藤)
2007-11-24 03:22:22
私の子供の頃には、着物の下には越中褌のお爺さんを
よく見掛けましたよ、夏の暑い盛りの時などは着物の裾を端折り越中褌丸出しでした・・ヨタヨタと歩き続ける中、涼しげな木陰でもあれば「ドッコラショ」と腰を下ろし、煙管で刻み煙草を吸う・・そんな時は必ずと言っていいほど、
ダラけたキ○タマ袋が越中の間からハミ出しておりやんした(笑)
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-11-23 22:38:42
maymayman様
なるほど「使用感のご説明」ありがとうございます。
えーと千さんがワコールのBROSで、
mayさんがコットンのビキニと…めもめも…って
なんでこんなのメモっとんのじゃ!

いや、ほんとに、人が身にまとうものって、
布切れ一枚でも、おくが深いですよね。
返信する
Unknown (とんぼ)
2007-11-23 22:18:02
KOMA様
はい、この本、私も気になってるんですよぉ。
ただ、コントロールはできても、
全く「道具」がいらないわけじゃなかったでしょう。
そうでなければ平安や江戸の記録は
ないはずですから。
要するに、今よりは道具のないなりの体にしていた、
そういうことを必要な技として体が自然に持っていた
逆に言いますと、今「アレルギー」とか多いですが、
人間がヤワになってきているんだと思いますよ。
厳しい暮らしの中では、体の質そのものも
今とは違っていたと思いますし、
病気や体質も、もっと素朴だったでしょうねぇ。
いかに今の人間が飽食とか怠惰とかの暮らしかって
そんなことを考えます。
返信する
困ったな~~ (maymayman)
2007-11-23 22:12:27
せっかくとんぼさんがUPしたのに・・・
この話「褌を〆て掛らねば」って、人の褌で相撲を取ろうと提灯つけて居るだけですが・・・
六尺は締まって気持ちいいが不便。越中は楽だが落ち着かない。シルクのパンツはスリスリしすぎて具合が悪い、第一はくとき冷たいし?従って現在はコットンのビキニですって、なんでここで暴露してるんだ・・・褌談義って実は奥が深いんだよね~~別に感心することも無いのですが!こんな川柳も有ります。

    『越中を 女房がすると 事を欠き』
返信する
『昔の女性はできていた』 (KOMA)
2007-11-23 21:56:17
と言う本があります。著者は 三砂ちづる さん。
この本、興味を持ちながら実はまだ買っていないのですが(こらこら)
この本によると昔の女性は生理用品なんかなくても自力でコントロールできていたそうです。
アマゾンで検索してみてください。
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Unknown (とんぼ)
2007-11-23 20:28:50
陽花様
いやいや、これからは「○漏れパッド」が
いりまっせ~~。
返信する
Unknown (陽花)
2007-11-23 20:25:27
母の若い頃はまだぼろ布を使っていたと
聞いていました。私の若い頃は綿花でしたね。
しばらくすると今の生理用品のはしりが出来ましたが
年々改良されていいのになっているようですが、
幸いにも必要なくなりましたわ。
返信する

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