昨日、ネクタイのはぎはぎ作り帯について、コメントいただきました。
私も実は以前、やってみようと、実験だけはしたことがあります。
もう一度載せます。無地の着物におしゃれですね。
これ、本には載っていたのですが、いわゆる「参考作品」で、簡単な説明のみでした。
この本自体が、30年以上も前のもので、私がちょっと実験…をしたのが、20年くらい前です。
まず、ネクタイはこの本によれば、20本使ったとあります。
当時私はとりあえず、主人のふるーいのと、友人に頼んで譲ってもらった2本で、やってみました。
もちろん、帯はできませんが、要するにつなぎ方、です。メンドクサカッタ…。
今回、とにかくネクタイという難物を説明しようと思い、再トライ…。
主人に「いらないネクタイちょーだい」と言ってみました。もうネクタイには用のない暮らしですからねぇ。
バラバラにするから汚れてる古いのでいい…と言ったのですが「これ柄が好きじゃないから」と…。
和装ならいけるかもの柄…ブランドさんごめんなさい…主人はストライプとか細かい柄が好みです。
それがトップ写真「MCM」とか言うブランドもの、確かもらい物です。
柄が大きい分、「向き」や「方向」がわかりやすいので、これを使いました。
さて、ネクタイを解くというのは、けっこうめんどくさいものです。
まずネクタイの部分名称。
大きいほうの先を「大剣(だいけん、またはたいけん)」、細いほうの先を「小剣(しょうけん)」と言います。
英語だと「大」が「ブレード」、小が「スモールチップ」です。
ブレードは「刀剣」の意味です。形からの名称ですね。たしかにまっすぐ伸ばすと「剣」の形です。
筒に縫ったおわりのところは両方とも「閂止め」で補強してあります。
大剣の裏側には、小剣が動かないように通して2本を合わせる「小剣通し」をつけます。
この「小剣通し」は、共布でつくりますが、商品として作られているものは、
だいたいここに「織りネーム」が縫い付けられています。
しっかり縫い付けてあるのではなく、わっかになっているか、両端だけの縫い付けになっているはず。
共布のものもありますが、ネームだけの場合は、それを「小剣通し」として使います。
宣伝でもあり一挙両得…というわけです。もっとも「小剣通し」そのものが、あまり使われてないみたいですが。
大剣の先を解いてみると、裏はこんな風になっています。裏地は「はしっこ」しかついていないのです。
細いほうの作りも同じですから、まず裏地と芯を取り外します。
真ん中で必ず太い方と細いほうをつないでありますから、そこも外します。
さて、ネクタイというのは必ず「正バイアス」で作ります。ご存知の通り、バイアスというのは伸びます。
ネクタイは首に巻いて締めるものですから、伸縮があったほうがいいわけですね。
しかしこれで帯を作るとなると、この「バイアス」であることがネックになります。
わかりきったことではありますが、やってみました。
ネクタイの剣先を持って引っ張ると、こんなに伸びます。
これを伸ばさない向きに引っ張ると…つまり、赤い矢印が「布目の方向」です。
柄の向きでお分かりかと思います。通常の着物や洋服は、この向きで型紙を置いて裁つわけです。
アイロンを掛けていませんので、ちょっと盛り上がったりしていますが、
ネクタイから布目を通した生地を裁ちだすときは、こういう形でカットするわけです。
余分なものも写りこんでおりますが、上下のものさしが布の横の織り目、
白い斜めの線がカットの線、赤い矢印が通常のタテの織り目…です。
つまりこの平行四辺形に使ってつなげる…になります。
これは型紙を作るとやりやすいです。
これはA4の用紙です。まず上下に15センチの幅で2本線を引きます。半幅帯の幅です。
左の上の青○印を右にさげて、上の青い線と、下の青い線が重なるように、
つまり、左下の赤い○印を起点に45度で折ります。左側も、上の角を起点に同じように。
こんな感じになりますね。
これをネクタイの生地に、きちんと角度を合わせ(あ、ちょっとズレてる)…平行四辺形の上と下の線が、
生地の横の布目にあうようにあてて置くと…こんなふうになります。
傷んでいたり、シミがあったりしたら、そこをよけて…もし型紙の幅がひろすぎて生地がとれなければ、
はばの狭い平行四辺形にすればいいわけです。どの辺にも縫い代を忘れないように。
こうして裁ちだしたものを、正確に45度で縫い合わせ、斜めの線を縫い合わせていけば、
布目がちゃんと通った横に長いものができる…というわけです。
実際作るときは…当然使い古したネクタイ、ということで、実はネクタイって結構汚れているんですよね。
全体の汚れが気になる場合は、解く前に「ベンジンいり空き瓶洗濯」…で、シャカシャカしてください。
とりあえず解きます。バイアス裁ちなので、裁ち端がほつれやすいですから、気を付けて扱います。
途中で継いであるところも解いて、バラバラにします。
全部広げたら、まず全体に裏側から霧を吹いてアイロン、折れ線などを消して平らにします。
表返すと、汚れや、折れていたところのヤケなどもよくわかりますので、よく見てください。
できるだけ幅の広いところを使いますが、ところどころ細いのが入っても面白いと思います。
そうやってつないだものを、半幅の15センチに上下を折って揃えます。
帯裏の生地は普通の布目のものでいいわけですから、古い帯の裏とか、
着物やじゅばんのハギレなどを使って、腹合わせ帯に仕立てます。
実際には、使い古しのネクタイ20本といったら、意識的に集めないとまとまりません。
私がお試しをしたときは、ネットも何もしていませんでしたから、ひたすら口コミ…。
とんぼがネクタイ集めてるって…と、友人たちにも頼んだので、10本くらいは集まったかと記憶していますが、
中には正絹でないものもあったり、一番広いところにシミがついてたりで、ザセツしました。
今なら…ネットオークションがありますね。なんたってなんでも売ってますから。
しかも、10本で1000円とか…。
せっかく作るのですから、色柄だってそれなりに考えたいし…とりあえず、作りたい方、20本です。
もし、あまりにもいろんな色柄では落ち着かない…という場合は、別布を足せばいいわけですが、
布目のとおったものとななめのものを縫い合わせると、合わせ目が妙に伸びたりしてしまいます。
別布の縫い合わせ目も、きちんと45度にカットしてください。
また土台にまず必要な長さの無地を用意して、ネクタイ部分をそのままパッチすることもできますね。
出来上がりでゆがむ確率が下がります。
それと、ネクタイは厚手の芯が入っているので、形が整っていますが、
芯から外すと、ほんとにただの薄い絹地ですからけっこうペラペラです。芯はしっかりしたものを…と思います。
これは半幅ですが、パッチワークの要領を使って工夫すれば、お太鼓つきの二部式もできると思います。
ご主人のネクタイ、無理やり取り上げないでくださいね。
私、ただ今ネットオークションで物色中です。まとめて10本、なんてのもありますが、
素材が細かく書いてないのが難点…しばらく眺めてみます。
バイアスから思いついたことがありますので、また記事にしてみようと思っています。
早々と挑戦なさったのですね。スゴイっ。
私、やっとネクタイ入手しました。
リンク、どうぞどうぞなさってください。
よろしくお願いいたします。
早速挑戦してみました。こちらの作り方の記事リンク張らせてください。NGなら仰ってください。よろしくお願いします。
参考になると言っていただいてうれしいですー。
手間さえ惜しまなければ、いろんなものが作れますね。
まぁ格闘してみよう…と、私も思っています。
まず夫の箪笥から何本か…コラコラ。
バイアスは、扱いにくいのが難点ですね。
接着芯を貼ってしまうと(貼るときがまたたいへんですが)
あとの作業はラクになりますよ。
せっかくの素材…と思うと、その気になるんです私。
がんばってトライしてみてください。
でもバイアスだし・・・と気がついて、私には無理だと思いました。
洋裁は少々いたしますが、面倒で共布でバイアステープを作ったのは1度きりです。
帯を二部式にしよう、と思ってもまだ手付かずです。
この一連の記事はとても参考になりました。
なんとか1本でもやってみようと思います。
上のお返事にも書いたのですが、
ピンを打つとか重しを置くなどして、
ゼッタイ動かないように接着芯を貼ると、
縫う仕事はラクになります。
薄い布製の接着芯がいいかなと思っています。
ネクタイは、全部色柄違うわけですから、
地の色を濃くして、ところどころ…もおもしろいですよね。
私もなんだか、昔のリベンジで、
作ってやるっ…みたいな気になっています。
裏技ですが…かなり無駄がでますけれど、
生地をゆがまないように正確に置いて、
接着芯をはってしまうと、動きませんよ。
ほんとにめんどくさいんですよ。
昔やったときも、2枚つなげてほうりました。
ほんとに、手間をかければ愛着わくでしょうねぇ。
「元はネクタイです。苦労して縫いました」って
札ぶらさげたいかもです。
それこそ二部式にして、ネクタイ柄も前帯とお太鼓にあしらうだけ、とかにしたら作りやすいかもしれませんね
接ぎ合わせるだけじゃないんですね。
手間暇掛かる分愛着もわくでしょうけどね。