勢いづいて、私物の帯揚げ帯締めです。この帯締めは先が房になっていないもの。
コレが好きで、いろいろな色を揃えたい・・と思っているのですが
安くないんですよね和小物って・・。帯揚げは帯締めとは別々に買いましたが、
だいたい色を揃えるようにしています。
ところで、先日おじゃましたブログで「帯揚げの出し方」の話題がありました。
どれくらい出すか・・といったような・・。
実は帯揚げの結び方とか出し方って、時代時代で違うんですよね。
先ずは下の写真、これは昭和47年(1972年)の着物の着付けの本ですが、
二人とも「大振袖」、その帯揚げがこれです。ジミですよね。
その下の写真は、更に10年ほど遡って38年の本。こちらは華やかな小紋と
既婚者向き「訪問着」。髪型にも時代を感じますねぇ。
帯揚げは左右に低い山をだすような見せ方。これが私が見慣れた出し方でした。
帯揚げそのものも、昔は普段用でもけっこう「細かい絞り柄」のはいったものが
ありました。今は普段、つまり小紋や紬用は、若い人向きのものでも
絞りはちょこっと花の真ん中・・とかその程度のものが多いように思います。
絞りの部分が多い帯揚げは、あまり締めると絞りが伸びてしまうので、
ふんわり締めるわけです。
元々帯揚げは、帯の結び目が下がらないように縛るためのもので、
装飾的に使われるようになったのは、だいぶ近代に近づいてからです。
昔は「帯」そのものが、目立たせたいものだったわけですね。
今は「帯揚げ・帯締め」とセットのように言われますが、元々帯締めの方は
江戸時代「文庫」などを結ぶ武家社会の女性が使う程度、丸ぐけが主流です。
なぜかというと、庶民は帯締めを使う結び方をしていなかったから・・。
帯結びも、帯の長さが長くなってから、いろいろと考え出されましたが、
例えば今の「角だし」と江戸時代の「角だし」は結び方が違います。
昔の角だしは帯締めがなくても締められます。また芸者さんのしめる
「柳」という締め方「お太鼓」がそのままだらんと下に垂れたようなあれ、
あれも帯締めは使いません。庶民は似たような形の垂れている部分が小さい
「ひっかけ」もしくは「一文字」と呼ばれる締め方がポピュラーでした。
どれも帯締めは使いません。
帯締めが使われるようになったのは、文化・文政のころ・・といわれます。
これは文化(年号です)終わり近く、亀戸天神の太鼓橋が完成したとき、
深川芸者さん達が渡り初めの式に参加しました。そのとき「男結び」の中の
「カルタ結び」という結び方をアレンジして新しい結び方を考え出しました。
これが現在の「お太鼓」の原型です。
これを締めるには、どうしても「帯締め」が必要になります。
以前にもかきましたが、昔の流行というものは広く知られ、当たり前になるのに
時間がかかります。この「文化・文政」という時代は、もう幕末です。
ですから帯締めが一般的になったのは「明治」にはいってから。
昔の着物関係の本を見ていて気がついたことがあります。
なんとなく「洋服」にはりあっている・・といいますか、
古典的な着方や、写真の写し方では対抗できない・・とでもいうように、
着物を細く着付け、ウエストも帯をきゅーっとしめて細く見せています。
上の写真の左、花柄の着物と、下の写真・・なんとなく締まって見えませんか?
2枚目の47年の大振袖の写真と比べてみてください。
ちなみにこの下の写真は32年です。
古い本ほど、こういう足を前に出すなどのいわゆる「モデル立ち」で、
上から下までまっすぐなことが目立たないように、涙ぐましい努力で
ポーズをとった写真ばかりです。これってきっと「洋装」に押されてきた
呉服業界の「努力」だったと思うのです。別の本にコート類が載っているのですが
とにかく「洋風」です。下の写真・・どうですか?
流行というもののスピードが、昔とは比べ物にならないくらい速くなって
一人の人間の一生の間に、一つのものの変化がクルクル起こる・・。
今はそういう状況ですから、帯揚げ帯締めの締め方も私の娘時代、
20代、そして現在の50代で、さまざまかわってしまっているんですね。
基本的に「帯揚げは、若い人は多めに、中年からは少なめに」で、
結び方や始末の仕方は好きずきでいいと思います。今は「教室」に行って
着方を習う時代ですから、それぞれの教室のやり方でいいと思いますが
「基本」を覚えて、それをいかにアレンジするか・・
それが着物を楽しむことでもありますから、そこのところを教えてほしいですね。
オマケの余談、その1・・4枚目の写真、一人でピンクの着物を着て写っている人
日活の「芦川いずみ」さんです。
オマケの余談、その2・・振袖用の絞りの帯揚げは、全部絞りが高級品、
総絞りといいます。帯枕にかぶせるところや
先の方など、締めてしまえばみえないところは絞りが
していないものは「中ぬき」と言って、ちょっと
安くなります。格としては変わらないのですが
できれば総絞りで揃えたいところですね。
洋服にも使えるコート、母も着ていましたけど、すごく懐かしい~~
帯結びに関しても、いろいろな時代を経て今の形に落ち着いているわけですね。そうかぁ~じゃあ、これから変化する可能性も多いにありますね☆流行ですね☆
私のブログに「眉毛のような形に帯揚げがふたつ山を作っていますよ」というのはまさにこれですね(笑)でも、まずは、着物初心者の私としては、基本通りで、マスターできるように頑張りますっ!!
そうでした、千爺がおっしゃっていた、プロフィールの写真のお茶のお手前をしているときの着物の帯締めは、総絞りだったです!!そうかぁ~。だから、この帯締めだとふっくらした感じに仕上げてくださったのですね~~☆納得☆勉強になるなぁ~~(感動)
それにしても、確かに、皆さんそろって「モデル立ち」には、笑っちゃいました(^^)
着物コート、今年の大雪と寒さにたまらず、昔懐かしい防寒コート新調いたしました。
袖ラグランスリーブ、丈は総丈、総裏、衿に着なくなったオーバーコートのフオックスはずしてつけてもらいました。無茶苦茶あったかい、重宝しています。
モデル立ち、すれば私も芦川いずみ?
うちの母も持ってました。色は違うけど一番右みたいなの。なんかビロードっぽかった記憶があります。東寺としてはモダ~ンだったんでしょうねぇ。
JJ様
流行というものはおもしろいもんですね。基本さえわかっていれば後は自由自在、しっかり勉強してください。それにしても、昔の「モデル立ち」、なんか腰のスジ痛めそう!?
蜆子様
着物はしたからが寒いですよねぇ。だからといってラクダの股引ってわけにいかないし、総丈のコートはうらやましいですー!ぜひモデル立ちでお写真を1枚!