中古典、なんて言葉はありませんので。
つまり今の着物柄に比べれば古典にはいるけれど、昔ながらの「コテコテ古典」に比べれば、NEW…
まぁそんなところでしょうか。
この着物、以前にご紹介しましたが、頂き物です。きれいなんですが、この柄ではお嫁入りも…。
昭和30年後半から40年にかけてくらいの若い女性の着物。まぁにぎやかなこと。
鳳凰さんのしっぽ…緑、赤、黄色って、そりゃ信号機ですがな。
後ろの柄はこんな感じ。帯はすみません、ありあわせの半幅です。
個別の柄はボカシも入ってきれいだし、華やかなんですが、全体を見るとなんとなくまとまりがないような、
ただきれいな色使いというような…ですが、当時は、けっこうこんなのありました。
着物の柄にも、洋装ほどではないにしろ「ハヤリ」は作り出されますね。
それと「全体的な流行」、つまり、このころでいうなら、古典を模してはいるけれど、
それに現代風なアレンジを加えて…とかなんとか。
洋装のハヤリと同じで一過性のもので、終われば消えていくタイプの「ハヤリ」です。
ある着物質問サイトで「七五三の着物は、絞りが当たり前だ、と母に言われた」というのがありました。
詳しく最後まで読まなかったのですが、七五三を迎えるお子さんを持つ親の、更に「母」というなら、
おそらくは40代後半から50代でしょう。
どこからそんな「当たり前」を持ち出してきたのでしょう。
それは「当たり前」ではなくて、ただ、そういう例が多い、というだけです。
絞りが当然、というのなら、たぶん3歳のお祝いかと思いますが、
3歳児は小さいですから、大体は着物に紐がつくか、締めても兵児帯ていどで、
おなか周りは、お被布で帯を隠す…だと思います。
小さいと、絵羽柄着せても見えないし、大柄でも似合わない(柄にもよりますが)…。
だから、無地か絞りか、細かい総柄、つまり小紋が無難なんですよね。
それでも「キマリゴト」ではありません。大柄でも例えば手毬とか花丸とかがぽんぽん飛んでいるような、
そんな子供らしい柄だと、小さい子が着てもかわいいものです。
着物を着ることから離れてしまうと、その情報からも離れます。
何か着物のことで思い出すのは、子供のころ誰かが言った言葉だったり、母親に言われたことだったり、
自分がみたことだったり…。それだけがインプットされていると、そのあと…というのがつながりません。
ウールの着物は寝巻きと同じだから、外には着られないといわれた、とか、
ウールには裏がついてないから、単衣の時期しか着られないと言われたとか、
浴衣でもじゅばん着れば単衣着物になるといわれたとか…。
それぞれが、みんな中途半端なお話です。基本はそういう考えもあるけれど、
実はこういうこともあって…が、底に沈んでいて、誰も見えない、また見ようとしない…。
着物はそれでも生きています。こんな色柄は、今は見られないし、着ようとする人も、
かぎられるかもしれません。それでも、確かに着物の歴史のある時代のページには
存在していた柄行です。これを見て、これ以前を思い、これ以後を考える…
今着物を着ようとしたら、そんなことも視野に入れないと「総絞りが当たり前」というような、
立ち止まったままのことを、うっかり伝えてしまうことになりはしないかと、
そんなことを危惧しています。
さて、この中古典、いかがしたものか…。きれいで状態もいいんですがねぇ。
見つかるといいですね。
私の子供時代はネルの寝巻を着てた
ぎりぎりの時だったかもしれません。
その後の方は、パジャマだったでしょうし、
着物の事を聞く機会もなかったんですね。
古典好きにも現代風好きにも
イマイチに映るかもしれません。
いっそ袴などで裾模様が隠れた方が
素敵に見えるかも・・・
かわいらしいので、部分的に使って、
もう少しちいさい女の子の着物にいいかなと思うのですが、
絵羽柄なので、なかなか難しいですね。
ネルの寝巻き、懐かしいです。
私はかろうじて覚えている程度ですが、
布団も木綿綿で、重かったですよね。
今は便利なものが、たくさんあってシアワセです。
なんとなく中途半端な柄ツケですよね。
もっと一つ一つが大きければいいのにと思いました。
袴下、一番いいかもです。
背中まで、かわいい柄がはいってますものね。
私が子供の頃よりも、もう10年か20年前の着物の感じですね。
大正ロマンとか言われたものもそうでしたが、色目とか、独特のものがあります。
あと20~30年くらいしたら、こういうのを覚えている人もいなくなって「新しい!」になるんじゃないでしょうか。
洋服の流行りも巡るといいますが、この頃は着物の流行りだってまた巡ってきそうだなとか思います。
帯は、女の子がいたら中学生くらいまでの晴着によさそうですね。
うちでは子供は半幅で十分、と余程のとき以外はこういうのとか博多の袋の半幅だったみたいです。
昭和40年代後半、洋蘭の着物が流行ったそうで母もカトレアの訪問着を持っているんですが、今見かけるのは胡蝶蘭かあとは春蘭とかの東洋蘭。
カトレアはどうなんでしょう…古くさいかなあ。
歴史は繰り返すといいますしね。
帯葉古い帯の作り直し。
きっとリッパな帯だったのでしょうけれど、
半幅に作り変えてあります。
いかにも半幅、というもののほかに、
元は袋や名古屋だったもので作ると、
羽織りきてしまえば…で、ちょっとしたお出かけにも使えます。
羽織り脱げませんけどね。