まずは、北陸方面にお住まいのかた、たいへんな地震で…見舞い申しあげます。
お怪我や被害のないことをお祈りいたしております。
今我が家では「外壁の塗装」をしてもらっているところで、
家の周りは写真のような状態です。
幸い昨日のうちにあらかた終わっていたのですが、
親方さんが帰りに「今夜風が強そうだからちょっと気になる、
明日は休みだが様子をみにくるから」と言って帰られました。
夜になってだんだん雨風強くなり、ほんとに「春の嵐」!
張ってあるネットがバタバタではなく、もう太鼓の皮のようになって、
ドーンドーンとすごい音なのです。正直うるさかったですー。
朝になって親方さん来てくれたのですが、やはり足場が押されて、
せっかく塗った壁に何箇所か触れてしまっていたそうです。
それを調べている最中にあの地震、こちらではそれほど大きくなかったのですが、
ゆ~らりんゆ~らりんと、いつまでも揺れてる感じでした。
「大丈夫ですか」と声をかけると「風で足場が揺れているのかと思った」…。
親方さん、運が悪くて、付いたときには小雨だったのが、
登ってシートはずし始めたらどんどん振ってきてびしょぬれ…。
やっと終わったと思ったらほとんど小降りになって、
それでは…と帰って一時間もしないうちに風がおさまってきました。
無駄足だったとは申しません、お疲れ様でした。
さて、いよいよ布を用意して…の段階です。
今回は「晒」を使いますので、表裏はあんまり関係ありませんが、
これからたとえば絹などの袖をつけるうそつきなどを作るとき、
布の裏表を間違えるとモノになりません。
表裏がはっきりわかるものもありますが、染めなどで
わかりづらいものもありますから、気をつけましょう。
いよいよ布にさわります。
まず、手を洗いましょう。これはどんな着物でも、材質でも、ですが、
着物を触るときは手をきれいに。まぁ晒くらいなら…なんですが、
着物や帯をタンスから出す、とか、手入れしてタンスにしまう、というときは、
手の汚れに気をつけてください。実は人間の手指の「あぶら分」が、
着物の汚れになります。業者が最高級品などを扱うとき白い手袋をするのは、
汚れと皮脂分がつくのを防ぐためです。
こういうことは、いい着物のときだけ、とやっているとつい忘れます。
たとえさらしの肌じゅばんでも、まず手を洗ってから、というクセをつける、
そういう小さなことが、着物を大切に扱うことにつながります。
手がきれいになったら、まずは布にゆがみがないかどうか調べましょう。
それと、晒などのばあい途中に織り傷などがあって糸が出ていたりとか、
ちょっとごろつくとか、そういう場合もままあります。
下着ですから多少のキズはかまいませんが、引っかかったり、
肌に触れるとチクチクするなどがないかどうか、確かめましょう。
ゆがみがあるときは「地直し」をします。
木綿の場合は、霧吹きで湿らせて、まっすぐに巻き取ると直ることもあります。
どうしてもだめなら、スチームをあてて、アイロンで直しましょう。
ゆがんだまま縫うとできあがったものが、着るとヘンにゆがんだり、
どこかツレたりと、着づらいものになる場合があります。
次は「裁ち」です。ここも洋裁とは大きく違います。
洋裁は布に型紙を置いていきますが、着物には型紙はありません。
「着物なら着物」「じゅばんならじゅばん」で、作り方が同じだからなのと、
すべて反幅いっぱいに使い、縫い代を裁ち落とさないからです。
必要なのは「使う長さと幅」だけです。
そこで、和裁の場合は「たたむ」ということをします。
肌じゅばんは袖が半幅で小さいので、あとでとりますが、
浴衣や長着などの場合は、まず袖分から折ってたたんでいきます。
まず袖二枚でたたみ、次に身頃二枚をたたみ、残りはおくみ、衿…と
必要な長さずつ測って折りたたむわけです。
本当は裁ち台があればいいのですが、ないときはとにかく平らなところ、です。
小さいテーブルなどでやると、長い分たれさがったりしてしまいますから、
下に平らにおけるところ、できれば待ち針がさせるところ、
つまりたたみがいいのですが…。それから待ち針とものさしを用意します。
ものさしはできれば「尺ざし」つまり長いものがいいのです。
30センチではちとたりません。
肌じゅばんなので、本来はいきなり身頃からたたんでいくのですが、
浴衣なら袖から始まります。今回は、浴衣の場合、でたたんでみましょう。
まず布はしをピンと張って待ち針でとめて押さえます。
袖丈分、つまり必要尺の半分のところで折りますが、
このときにものさしを入れて、ピンとするとまっすぐきれいに折れるわけです。
折って元の布はしまで戻ると、これで袖一枚ですね。
そこでまたものさしを入れてきちんと折り、もう一往復すると袖二枚になります。
これの繰り返しで、必要分を折っていきます。
エーかげんな絵ですがこんな感じ…
袖二枚分取れたら次は身頃二枚、同じように
きっちりはかり、きっちり重ね、きっちり折りたたみます。
全部たたんだら、ここでもう一度一度寸法どおりかどうか確認してください。
裁ってしまったら元にもどせませんから。
こうして必要分折りたたみが出来ましたら、「切り離し」ます。
このとき、一枚ずつ裁たないで、まず袖二枚分のところで切り離し、
次に身頃二枚分のところで切り離します。
なぜそうするのかは私も知りません。そうすんのんやで…と教わったとおりです。
母は「間違って裁っても長ければ修正がやりやすいせいじゃないか」…とは
いってましたが、どーなんでしょ。親子伝承はそういうところがあいまいです。
裁つときは、折ったところをしっかりしるしをつけてそこをまっすぐに裁ちます。
折った紙をナイフでカットするような、横向きの切り方は、ズレますので、
必ず持ち上げて、折り線のところをまっすぐ…です。
肌じゅばんの場合は、下の図のように、まず身頃、そして残りで衿・袖などです。
身頃二枚分を裁ってから、二枚に切り離します。
はさみを入れる、というのは、何を何回縫っても緊張するものです。
一度子供のじんべいを作る時、何を思ったか肩を切ってしまったことがあります。
主人の浴衣の解きものでしたから、余分に布がありましたので裁ち直しましたが
気がついたときは「しまった!」と、すんごいショックでした。
肌じゅばんは、一反で複数作れる長さがありますから、
万が一失敗しても、まだまだ残りから裁ち直せます。
まずは間違えないようにきをつけて、裁つときには「たとえ間違えても、
まだ生地はある」と思って思い切って裁ってください。
明日は予定がありますので、すみませんが先に「お休み宣言」、
別記事にさせていただきます。
お怪我や被害のないことをお祈りいたしております。
今我が家では「外壁の塗装」をしてもらっているところで、
家の周りは写真のような状態です。
幸い昨日のうちにあらかた終わっていたのですが、
親方さんが帰りに「今夜風が強そうだからちょっと気になる、
明日は休みだが様子をみにくるから」と言って帰られました。
夜になってだんだん雨風強くなり、ほんとに「春の嵐」!
張ってあるネットがバタバタではなく、もう太鼓の皮のようになって、
ドーンドーンとすごい音なのです。正直うるさかったですー。
朝になって親方さん来てくれたのですが、やはり足場が押されて、
せっかく塗った壁に何箇所か触れてしまっていたそうです。
それを調べている最中にあの地震、こちらではそれほど大きくなかったのですが、
ゆ~らりんゆ~らりんと、いつまでも揺れてる感じでした。
「大丈夫ですか」と声をかけると「風で足場が揺れているのかと思った」…。
親方さん、運が悪くて、付いたときには小雨だったのが、
登ってシートはずし始めたらどんどん振ってきてびしょぬれ…。
やっと終わったと思ったらほとんど小降りになって、
それでは…と帰って一時間もしないうちに風がおさまってきました。
無駄足だったとは申しません、お疲れ様でした。
さて、いよいよ布を用意して…の段階です。
今回は「晒」を使いますので、表裏はあんまり関係ありませんが、
これからたとえば絹などの袖をつけるうそつきなどを作るとき、
布の裏表を間違えるとモノになりません。
表裏がはっきりわかるものもありますが、染めなどで
わかりづらいものもありますから、気をつけましょう。
いよいよ布にさわります。
まず、手を洗いましょう。これはどんな着物でも、材質でも、ですが、
着物を触るときは手をきれいに。まぁ晒くらいなら…なんですが、
着物や帯をタンスから出す、とか、手入れしてタンスにしまう、というときは、
手の汚れに気をつけてください。実は人間の手指の「あぶら分」が、
着物の汚れになります。業者が最高級品などを扱うとき白い手袋をするのは、
汚れと皮脂分がつくのを防ぐためです。
こういうことは、いい着物のときだけ、とやっているとつい忘れます。
たとえさらしの肌じゅばんでも、まず手を洗ってから、というクセをつける、
そういう小さなことが、着物を大切に扱うことにつながります。
手がきれいになったら、まずは布にゆがみがないかどうか調べましょう。
それと、晒などのばあい途中に織り傷などがあって糸が出ていたりとか、
ちょっとごろつくとか、そういう場合もままあります。
下着ですから多少のキズはかまいませんが、引っかかったり、
肌に触れるとチクチクするなどがないかどうか、確かめましょう。
ゆがみがあるときは「地直し」をします。
木綿の場合は、霧吹きで湿らせて、まっすぐに巻き取ると直ることもあります。
どうしてもだめなら、スチームをあてて、アイロンで直しましょう。
ゆがんだまま縫うとできあがったものが、着るとヘンにゆがんだり、
どこかツレたりと、着づらいものになる場合があります。
次は「裁ち」です。ここも洋裁とは大きく違います。
洋裁は布に型紙を置いていきますが、着物には型紙はありません。
「着物なら着物」「じゅばんならじゅばん」で、作り方が同じだからなのと、
すべて反幅いっぱいに使い、縫い代を裁ち落とさないからです。
必要なのは「使う長さと幅」だけです。
そこで、和裁の場合は「たたむ」ということをします。
肌じゅばんは袖が半幅で小さいので、あとでとりますが、
浴衣や長着などの場合は、まず袖分から折ってたたんでいきます。
まず袖二枚でたたみ、次に身頃二枚をたたみ、残りはおくみ、衿…と
必要な長さずつ測って折りたたむわけです。
本当は裁ち台があればいいのですが、ないときはとにかく平らなところ、です。
小さいテーブルなどでやると、長い分たれさがったりしてしまいますから、
下に平らにおけるところ、できれば待ち針がさせるところ、
つまりたたみがいいのですが…。それから待ち針とものさしを用意します。
ものさしはできれば「尺ざし」つまり長いものがいいのです。
30センチではちとたりません。
肌じゅばんなので、本来はいきなり身頃からたたんでいくのですが、
浴衣なら袖から始まります。今回は、浴衣の場合、でたたんでみましょう。
まず布はしをピンと張って待ち針でとめて押さえます。
袖丈分、つまり必要尺の半分のところで折りますが、
このときにものさしを入れて、ピンとするとまっすぐきれいに折れるわけです。
折って元の布はしまで戻ると、これで袖一枚ですね。
そこでまたものさしを入れてきちんと折り、もう一往復すると袖二枚になります。
これの繰り返しで、必要分を折っていきます。
エーかげんな絵ですがこんな感じ…
袖二枚分取れたら次は身頃二枚、同じように
きっちりはかり、きっちり重ね、きっちり折りたたみます。
全部たたんだら、ここでもう一度一度寸法どおりかどうか確認してください。
裁ってしまったら元にもどせませんから。
こうして必要分折りたたみが出来ましたら、「切り離し」ます。
このとき、一枚ずつ裁たないで、まず袖二枚分のところで切り離し、
次に身頃二枚分のところで切り離します。
なぜそうするのかは私も知りません。そうすんのんやで…と教わったとおりです。
母は「間違って裁っても長ければ修正がやりやすいせいじゃないか」…とは
いってましたが、どーなんでしょ。親子伝承はそういうところがあいまいです。
裁つときは、折ったところをしっかりしるしをつけてそこをまっすぐに裁ちます。
折った紙をナイフでカットするような、横向きの切り方は、ズレますので、
必ず持ち上げて、折り線のところをまっすぐ…です。
肌じゅばんの場合は、下の図のように、まず身頃、そして残りで衿・袖などです。
身頃二枚分を裁ってから、二枚に切り離します。
はさみを入れる、というのは、何を何回縫っても緊張するものです。
一度子供のじんべいを作る時、何を思ったか肩を切ってしまったことがあります。
主人の浴衣の解きものでしたから、余分に布がありましたので裁ち直しましたが
気がついたときは「しまった!」と、すんごいショックでした。
肌じゅばんは、一反で複数作れる長さがありますから、
万が一失敗しても、まだまだ残りから裁ち直せます。
まずは間違えないようにきをつけて、裁つときには「たとえ間違えても、
まだ生地はある」と思って思い切って裁ってください。
明日は予定がありますので、すみませんが先に「お休み宣言」、
別記事にさせていただきます。
緊張するものですね。
私も何年も前に一度裁ちぞこなった事が
あります。ものすごいショックだった事
今でも忘れられません。
はさみでためらう・・・
縫ってる時間よりも長いかもしれません。
いよいよ、ですね。
和裁のお友だちは、針箱に磁石をしのばせてました。
だれかから、SOSが出ると、出動です。
昼間ならまだしも、針が見つからない、というパニックに心理的な効果もあるかもしれません。
備えあれば・・・
あの「ドッキリ」は、本当に心臓によくないですね。
息子のと合わせて、過去3度やっております。
でも、しっかり者の陽花様もやったとうかがって、
ちょっとホッコリ!です。
空朱様
私も、前においてため息ついてる時間のほうが
かなり長いです。とっくにできてるっての。
「磁石」そうですね。それもお道具に入れましょう。